カテゴリ:映画-欧州
「コーラス」のあとに、もう一つ音楽映画の紹介を。
実在するイギリスの人気楽団、グライムソープ・コリアリー・バンドをモデルにした映画「ブラス!」だ。 ストーリー(映画生活より) 炭抗閉鎖で、不安を抱えながら生きる望みを失っていた人々。そんな時、彼らの心の支えは音楽だった。炭坑夫の仲間で結成されたバンドは、紆余曲折しながらも街と自分たちの誇りをかけ、全英コンクールに出場し決勝が行われるロイヤル・アルバートホールを目指すのだった。 イギリスの炭坑政策と炭坑閉鎖にともなうリストラ問題を縦軸に、そして、帰ってきたグロリア(彼女はダニー(楽団のリーダー)の親友の孫娘)と幼なじみのアンディの恋愛、それぞれの楽団員の生活を横軸にして、なかなか見応えのある映画だ。 地区予選で決勝進出を決め帰ってきた彼らを待っていたのは、組合の投票で炭坑の廃止を受け入れた町だった。楽団員全員が、失業者となったのだ。 リーダーとして楽団をまとめようとするダニーが病気に倒れ入院する。そこに楽団の解散を伝えようとするみんなが集まり、病室の窓の下で最後の演奏をする。キャップライトの明かりの中で演奏される「ダニーボーイ」。映画とわかっていながら目頭が熱くなった。 息子の自殺未遂、その彼から楽団の解散の意志を聞かされたダニー。 再びベットに倒れたダニー。 それぞれの生活、楽団活動をじっくり描きながら淡々と話は進む。 グロリアのカンパにようやく遠征費がまかなわれ、彼らは猛練習を開始して全英選手権決勝に出場する。 そして優勝。 じーんと胸を打つダニーの優勝スピーチ。 ラストシーン。 帰路につくバスの中。 彼らが演奏する曲は「威風堂々」。 この曲に、楽団員であり生活者である彼らの、不屈の闘志をかいま見た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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