You can count on me
この映画は、先週末ご近所のレンタルビデオショップ「ゲオ」さんがセールをやっていて、旧作1本50円という安さに惹かれて借りたもの。何てったってビデオ(もしくはDVD)一本が50円と聞けば、手当たり次第に借りる。これがビデオラー(ン? そんな言葉あり?)の正しい姿だ。物語はアメリカの片田舎スコッツビル(ケンタッキー州アレン郡の郡庁所在地。2000年現在、人口は17,800人・・・でいいのだろうか)での話。幼い頃両親を交通事故で亡くした、姉弟の物語である。姉サミーはシングルマザー。一人息子のルディを育てながら銀行に勤める。そこへ2年ほど行方不明の弟テリーが帰ってくる。そこで起きる様々な物語・・・ルディを良い子で育てようとするサミーと、気取らず自分の気持ちに従って行動する、時には暴れん坊のテリー。この二つの生き方が交錯しながら、物語はすすむ。テリーは何ら刺激のないスコッツビルの町から出て、夢を掴もうとする。一方、サミーは、両親が住んだ家を必死で守ろうとする。でもサミーは、生き方に関してはものすごくフリーだ。この対比で、テリーの不器用さ純粋さがきわだってくる。この映画を見ながら、肩入れしようとする相手がコロコロ変わって困った。ある時は姉のサミーに、ある時は弟のテリーに・・・と言う具合。それもこれも、この舞台になっているスコッツビルが、私の実家のある串間市の現状とまったく同じだということ。同じ過疎に苦しみ、若者の流出は止め処がない現実。そう思うと、姉弟、両方の気持ちがわかるのだ。そうは言っても、スコッツビルは変わらない。オープニングとエンディングでの、車から見上げた変わらぬ抜けるような青空。この町で生きることを決めているサミーの、一方ならぬ決意が伝わってくる。シングルマザーと息子、それにダメ弟。それぞれの生活に潜むフラストレーションをスパイスに、ほろっとさせられる人間ドラマである。