現代の大学教育について
後輩達の就活もそろそろ本格化してくる頃だ。ダンデの後輩達にも、研究室の後輩達にも、良い結果が訪れるように願うばかり。…と、少し思うところがあったので現代の大学教育について綴ってみる。皆さん、大学って何の為に入るのですか?と面接で聞いたら、殆どの人が「やりたい勉強をする為」と答えるだろう。受験生に聞いても恐らく「行きたい大学に入ってやりたい勉強がしたい」と答えるだろう。でも…本当に「やりたい勉強」なのか?理系に来る人は文系科目よりは理系科目の方が少なからず得意で興味があるだろう。でも、電気系学科に入った人が皆電気が好きかと言えばそうではない。パソコンに興味がない情報系学生や、ガンダムが嫌いな機械系学生だっているはずだ。…と言うのはおいといて。ぶっちゃけ、「数ある勉強の中ではまだマシだと思ったから入った」ってのが大半だと思うんだ。勉強自体は嫌いだけど、その中では比較的まだマシってレベル。つまり、勉強をやりたいわけではない。そもそも本当に高校生や大学生が皆「大学に入って勉強がしたいっす!専門極めたいっす!オッス!」なんて考え持ってたら、留年する人なんて出てくるわけないだろう。俺が西園寺とれるわけないだろう。俺程度の人間がほぼ首席状態になってる時点で全部嘘っぱちなんだよ。実際の理由はこうだ。「良いとこに就職したいから良い大学に入りたい!」こっちの方が「勉強がしたい」派よりも圧倒的に多いはず。目標を達成する際は、その目標を達成する為に連続的に鍛錬を行う。野球人が素振りを行うのはスイング力を強化してバッティングに活かす為である。間違っても野球の練習でサッカーボールをシュートする事はやらない。シュートが上手くなっても野球には何も関係がないからである。教育も同じ。小学校で基礎を学び、中学校ではより偏差値の高い高校へ入る為に勉強を行う。(普通に勉強する人の場合。特殊な才能を活かす人は除く)進学校に入ったら、今度はよりレベルの高い大学に入る為に受験対策を行う。ここまでは大体連続的だ。次の目標を達成する為に、勉強を頑張ると言う連続的な図式が成立している。じゃあ、大学の目標って何…?大学での目的は建前で言えば「自分の所属する学科の専門勉学を極める事」ではないだろうか。言わば、「学校」と言う枠組みで行う勉強の最終地点である。勉強で単位を取得しなければ卒業できないシステムがそれを示している。でも今はどうなんだろうか?上の方で挙げたように、本音は「学生を望む就職先へ輩出する事」の方が強くなってきてるんじゃないのか。それで考えると、現代の大学教育はその目標達成の為に必ずしもマッチしているとは言えない。例えば企業側が「しっかり勉強してしっかり研究した人が欲しい」と言い、実際に学歴と成績順に採用していればまあこのままで構わないと思う。ただ、実際はそうじゃない。昔はもしかしてそうだったかも知れないけど、今は違う。勉強も大事だが、課外活動などの経験、そして人と話す能力も大事だ。だが大学側はあくまでも勉強第一であるかのように学生を縛る。(当校は留学プログラムとか資格講座とかが充実してるから比較的時代にマッチしてる方だとは思うけど)内定と言う目標達成の為に、大学で行う事が100%マッチしてるわけじゃないんだよね。野球で言うと、バッティング練習しかせずに守備練習をしない野球部みたいなもん。そりゃバッティングが上手い方が攻撃力は上がるが、守備が下手くそじゃまずい。両方大事だ。麻雀で言うと牌効率と役の作り方だけ教えて、ベタオリやスジについては触れないようなものである。俺は、大学は今の時代に合わせてもっと社会に求められるような教育…と言うか養成プログラムを組んだ方が良いと思うんだよ。そうすりゃ大学側もそれをアピールポイントにして学生を増やせるし、そこから輩出された学生は社会で活躍して日本を活性化させる。具体的にはどんな事をすれば良いのかと言うと…1・一般教養の科目はほぼ全てをディベート&グループワーク方式にする2・出来るだけ多くの学生に、大学側がサークルを斡旋する3・入学後に学科ごとに得られるスキルとそれを活かす場について説明を行うまあ、この3点か。まず1。一般教養なんて出席するだけして寝て、テストはAノートで攻略!って人が多い。何も身につかない。じゃあせめてコミュニケーション能力だけは身につけようじゃないか。折角学生数の多い私立なんだから、それを活かさないと。講義内容について知らない学生とディベートやグループワークを行う。殆どの授業でそれを行えば、講義内容に少しは関心も持てるし、何より話す力が身につく。家に引きこもってばっかで話すのが苦手じゃまずいだろ。大学がこういう形式にして何とかしないと。次に2。サークルって大事。部活でも他の活動でも何でも良いんだけど、何か1つはやっておくと全然違う。得られるものは多いし、たとえあまり活動に参加してなかったとしてもサークルに所属していたと言う事実が面接で活きる。出来るだけ多くの人に活動に参加してもらう為に、大学側とサークルが協力して門戸を広げると良いと思う。サークルは人が増えるし、学生はぼっちになりにくいし、一石二鳥だな。最後に3。例えば理系の高校生が理工学部を選ぶとき、物理にするか化学にするか電気にするか機会にするか他のにするか…とか結構適当に選ぶだろう。実際に学んでみないとその内容がどう活かせるかなんてまず分からない。だから入学してすぐに、大学側が学科ごとに得られるスキルと、それを将来どのように活かせるかを新入生に講義すべき。で、1ヶ月くらいおためし期間を与えて、学生に再度学科を選び直してもらう。流石に学部が変わるとまずいから、あくまでも学科内で。情理は既にやってんのかな。その方が後悔は少ないんじゃないだろうか。少なからず、将来に対するビジョンを持って勉強に励んでくれる学生が増えると思う。ダンデでも生命系から情理系に転部した後輩が居たけど、こういう転部の敷居を低くした方が良いと思うんだよな。あ、こうすると1つだけまずい事があるか。電気系と機械系は女の子が少なすぎるから、男子がすぐ違う学科に移動しちゃうな。そういう制度があったら俺も移動してそうだしな。俺が出せる改善案はこのくらいか。まあ、ここで考えを述べたところで何かが変わるわけじゃないので、今の後輩諸君は自分たちが何をすべきかをきっちりと考え、遊びと勉強を両立してしっかり就職して悔いのないように卒業してほしいもんだ。