魅惑の西洋食器でテーブルコーディネートを

お料理と器の相性って難しい

「左鮃に右鰈」という言葉があります。日本ではどちらの魚も縄文時代の貝塚から骨が発見されたりと古くから親しみのある魚です。昔は区別しないで、ヒラメもカレイと呼んだようです。ヒラメは高級魚、カレイは庶民的なイメージですが、そもそも「味」でランクをつけたのではなく、顔の向きが決め手になっています。日本料理では、お魚は左が頭と決まっています。カレイは右に顔があるので、それだけでもう失格ということなのです。礼儀を重んじる席ではカレイを使えない、使うにしても目を隠したりと気苦労があったようです。先日の日記に続いて中国の古いお話で面白いものがあります。春秋時代の中国に越という国がありました。王は勾践といい、隣国の呉の国と争い、勝ったり負けたりの繰り返しが続いていました。越王の勾践は、魚料理が大好きで、しばしば鱠(なます)を作っては賞味していました。鱠には贅沢にも魚全部を使わず、いつも余った半分(片身)を水中に捨てていました。ところが、水に捨てた片身の片眼同士のオスとメスが一体となり、片側に２つの眼を持つ魚に変身して元気よく泳いで海に帰っていったということです。以来この魚のことを王が余って捨てた魚「王餘魚」と呼ぶようになったそうです。カレイは「からえひ」として平安時代の文書に登場します。当時の辞書「倭名類聚抄」に「王餘魚　和名加良衣比（からえひ〉　俗云加禮比（かれひ）」（王餘魚　和名「からえひ」　一般に「かれひ」という）とあります。漢字としては王餘魚のほかに比目魚・鰈などが使われました。中国では現在でもヒラメのことを「比目魚」といって仲むつまじいオスとメスとが目のない方をぴったり寄せ合い二身同体となって泳ぐという仲の良い夫婦に例える話があるそうです。佐藤魚水さんの著書「ヒラメは、なぜ立って泳がないか」を珍しく（珍しくというのは、私はこういうタイトルの本、敬遠する癖があるため）読んでみたいと思うのですが、どこも売り切れ、今度図書館で探そうと思います。今日の写真も、ヒラメやカレイと全く関係ありません（笑）。このプレートはヘレンドのものなのですが、私は左の写真のこのデザイン、あまり好きになれずにいました。だけどお料理と合わせることでガラッと変わる、ハッとする、そんなことが時々あります。先日、アトムおじさんがブログに「相性についての考察」を書いていらっしゃいましたが、お料理とお皿の相性、難しいな～と感じています。絵柄のある器の場合、盛るまで見抜けないのです。絵心がある人は大丈夫なのかもしれませんが．．．。ある料理研究家の女性も、雑誌の取材などで用意された器をみて自分だったら絶対選ばないと思っても、実際に盛ってみたら案外よかった、ということが間間あると仰っているのを聞き、専門家でもそうなら、とちょっぴり嬉しいです。（お料理とお皿の好相性の発見の方がずっと嬉しいですが。）右の写真も、お皿はシノワズリ調のヘレンドです。こちらは最初から好きでイメージ通りです。ところで、今日のこの日記、私は一体何が言いたいの？？？

倉頡造字的由来

昨日、「天地の歌（あめつちのうた）」のことを書いていて、山や川、それぞれを思い浮かべているうちに、象形文字のことを思いました。今日は古代中国の象形文字のお話。　古代、象形文字を造った人は倉頡という人です。それには倉頡の賢い妻がかかわっていると言います。倉頡の妻は狐の精で聡明で何事にもよく気のまわる人でした。 　その頃、人はみんな日の明るいうちに狩りをしていました。けれども倉頡の妻は「鳥は昼間飛び、夜になれば飛ばない」と言って、夜になってからそっと狩りをしました、それで食べ切れないほどの鳥を捕まえると生かしたまま残しておきました。また落とし穴を作り、豚、牛、羊を沢山捕まえると食べ切れず、やはり飼っておきました。こうして人々は家畜や家禽を飼ってきたのです。今でも狐やいたち、それに人も小鳥を食べるので人は家禽を飼っても、夜になって鶏などを狐やいたちに盗まれないようにするのです。 　さて、こうして長い間に倉頡の家では家畜を飼い、家禽も多くなりました。すると時々隣近所の人がそれを借りに来ました、倉頡はおおまかな人でしたが、妻は気のきく人でしたから、牛を貸すと獣の皮に牛のしるしを描き、雀を貸すと鳥の形を描いておきました、一つ貸せば一つ、二つ貸せば二つ描きました。 　ある日、鶏を借りに来た人がいました。倉頡の妻は鳥を描きましたが、鶏だからどうしようと考え、鳥の形の傍らに点をつけました。　ちょうどこの時、古代の帝王、黄帝が世上のことを何かの方法で記すことができる者を史官としてとりたてると令を発しました。倉頡は家に帰りこのことを妻に話しながら、獣の皮の鳥の形に点のついたしるしを指して　「これは何だ」と聞きました、「これは鶏よ、鳥の形に点」　「あれは？」　「あれは馬じゃないの、四本の足」　「なるほど、あれは？」　「あれは牛、これは羊」 　倉頡もまた聡明な人で、すぐ道理を見つけ、一生懸命に考えに考え、多くの象形文字を造り黄帝に差し出しました。黄帝はこれを見て「非常によいことだ」と言って天下の人々に字を造らせました。こうして字がだんだん増えて人はやがて文字を持つようになりました。　倉頡が象形文字を造ったはじめは、実は倉頡の妻があちこちに物を貸したことからはじまったのです。

天地の歌　春夏秋冬思恋

ＳＩＲ　ＪＡＰＡＮさまがブログで俳句について書いていらっしゃったので私も何となく似たような？感じの歌ということで．．．。手習い歌と言えば、１０世紀の後半にできたという「いろは歌」が有名で、色は匂へど 散りぬるを 　　　いろはにほへと ちりぬるを 我が世誰ぞ 常ならむ 　　　　わかよたれそ つねならむ 有為の奥山 今日越えて 　　　うゐのおくやま けふこえて浅き夢見じ 酔ひもせず 　　　あさきゆめみし ゑひもせすは今でも「いろは順」などでよく使われていますが、平安時代の初めにも似たような手習い歌が存在していました。一般に「天地の歌（あめつちのうた）」と呼ばれていますが、これが自然のことを並べてあってなかなか素敵です。作品としての評価はあまり高くないようですが、私はこちらの方が好きなのです。あめ つち ほし そら　　　天 地 星 空 　やま かは みね たに　　　山 川 峰 谷 くも きり むろ こけ　　　　雲 霧 室 苔 ひと いぬ うへ すゑ　　　人 犬 上 末 ゆわ さる おふ せよ　　　硫黄 猿 生ふ 為よ 　えのえを なれ ゐて　　　　榎の 枝を 馴れ 居て （「枝」の方はヤ行の「え」）いろは歌が４７字であるのに対し、あめつちの歌が「え」が２つで４８字、これは時代が進むにつれてこのヤ行の「え」の発音が日常使われなくなったことを表すようです。小松英雄著『いろはうた』（中公新書）から「あめつちの歌」四十八首をご紹介します。「春夏秋冬思恋」となっていて、１番目が「あ」から始まり、「あめ つち ほし そら やま かは みね たに くも きり むろ こけ ひと いぬ うへ すゑ ゆわ さる おふ せよ えのえを なれ ゐて」と順番に並んで４８番目が「て」なのですが、それぞれの歌の初めと終わりも同じ音になっています。１番目は、あで始まりあで終わるといった感じのつくりになっているのです。こういうのを見て感じると、ああ、日本語っていいなぁ～としみじみ思います。また「春夏秋冬思恋」なのですが、「あめつち」から始まるので、何故か初夏、今の季節によく似合う気が致します。　　春　　　１　あらさじと　打ち返すらし　を山田の　苗代水に　ぬれて作るあ　　　２　めも遥に　雪間も青く　なりにけり　今こそ野辺に　若菜摘みてめ 　　　３　つくぱ山　咲ける桜の　匂ひをぱ　入りて折らねど　よそながら見つ 　　　４　ちぐさにも　ほころぷ花の　繁きかな　いづら青柳　縫ひしし糸すぢ 　　　５　ほのぼのと　明石の浜を　見渡ぜぱ　春の波分け　出づる舟のほ 　　　６　しづくさへ　梅の花笠　しるきかな　雨にぬれじと　きてや隠れし 　　　７　そら寒み　掬びし氷　うちとけて　今や行くらむ　春のたのみぞ 　　　８　らにも枯れ　菊も枯れにし　冬の野の　もえにけるかな　を山田のはら 　　夏　　　９　やまも野も　夏草茂く　なりにけり などか未しき　宿のかるかや 　　１０　まつ人も　見えぬは　夏も白雪や なほふりしける　越のしらやま 　　１１　かた恋に　身を焼きつつも　夏虫の あはれわびしき　物を思ふか 　　１２　はつかにも　思ひかけては　木棉だすき 賀茂の川波　立ちよらじやは 　　１３　みをつめぱ　物思ふらし　ほととぎす 鳴きのみまどふ　五月雨のやみ 　　１４　ねを深み　まだあらはれぬ　菖蒲草 人のこひぢに　えこそ離れね 　　１５　たれにより　祈る瀬々にも　あらなくに 　浅くいひなせ　大麻にはた 　　１６　には見れば　八百蓼生ひて　枯れにけり 辛くしてだに君が訪はぬに 　　　秋　　１７　くれ竹の　夜寒に　今やなりぬとや かりそめ臥しに　衣かた敷く 　　１８　もがみ川　稲舟のみは　通はずて 下り上りなほ　騒ぐ葦がも 　　１９　きのふこそ　行きて見ぬほど　いつの間に うつろひぬらむ　野辺の秋はぎ 　　２０　りうたうも　名のみなりけり　秋の野の 千草の花の　香には劣れり 　　２１　むすびおきて　白露を見る　ものならぱ 夜光るてふ　玉もなにせむ 　　２２　ろもかぢも　舟も通はぬ　天の河 七夕わたる　ほどやいくひろ 　　２３　この葉のみ　降りしく秋は　道をなみ 渡りぞわぷる　山川のそこ 　　２４　けさ見れぱ　うつろひにけり　をみなへし 我にまかせて　秋ははや行け 　　冬　　２５　ひを寒み　氷もとけぬ　池水や 上はつれなく　深き我がこひ 　　２６　とへと言ひし　人はありやと　雪分けて 尋ね来つるぞ　三輪の山もと 　　２７　いづことも　いさや白波　立ちぬれぱ 下なる草に　かける蜘蛛のい 　　２８　ぬるごとに　衣をかへす　冬の夜の 夢にだにやは　君が見え来ぬ 　　２９　うちわたし　待つ網代木に　糸氷魚の 絶えて寄らぬは　なぞや心う 　　３０　へみゆみの　春にもあらで　散る花は 雪かと山に　入る人に問へ 　　３１　すみがまの　燃えこそまされ　冬寒み 一人おき火の　夜は寝も寝ず 　　３２　ゑこひする　君がはし鷹　霜枯れの　 野にな放ちそ　早く手に据ゑ 　　　思　　３３　ゆふされぱ　いとどわびしき　大井川 篝火なれや　消えかへり燃ゆ 　　３４　わすれずも　おもほゆるかな　朝な朝な しか黒髪の　寝くたれのたわ 　　３５　ささがにの　寝をだに安く　寝ぬころは 夢にも君に　あひ見ぬが憂さ 　　３６　るり草の　葉に置く露の　玉をさへ　 物思ふ時は　涙とぞ見る 　　３７　おもひをも　恋をもせじの　みそぎすと 人形ならで　はてはてはしお 　　３８　ふく風に　つけても人を　思ふかな 天つ空にも　ありやとぞおもふ 　　３９　せは淵に　五月雨川の　なりゆけぱ　 身をさへ海に　思ひこそませ 　　４０　よしの川　底の岩波　いはでのみ 苦しや人を　立ちゐ恋ふるよ 　　恋　　４１　えも言はで　恋ひのみまさる　我が身かな いつとや岩に　生ふる松がえ 　　４２　のこりなく　落つる涙は　つゆけきを いづら結びし　草むらのしの 　　４３　えも堰かぬ　涙の川の　はてはてや　 しひて恋しき　山は筑波え 　　４４　をぐら山　おぼつかなくも　あひ見ぬか　 鳴く鹿ぱかり　恋しきものを 　　４５　なきたむる　涙は袖に　満つ潮の ひる間にだにも　あひ見てしがな 　　４６　れふしにも　あらぬ我こそ　逢ふことを ともしの松の　燃え焦がれぬれ 　　４７　ゐても恋ひ　臥しても恋ふる　かひもなく　 かげあさましく　見ゆる山のゐ 　　４８　てる月も　漏るる板間の　あはぬ夜は　 ぬれこそまされ　かへす衣で 写真は、この時の画家Ｍ氏の油絵で、ただ同然でいただいてしまったような絵、木の板に描いてあります。上が京都の美山町の風景、下が山口の山水園です。

６月５日は世界環境デー

「自転車ツーキニスト」なる言葉があることを今日、ＴＢＳのニュース番組で初めて知りました。この言葉は「自転車ツーキニスト」という本の著者、疋田智氏の造語だそうですが、自転車通勤をする人のことを言うのだそうです。この方、ＴＢＳのディレクターで、国会の私的諮問機関「自転車活用推進研究会」の委員もしていらっしゃるとのこと、私は恥ずかしながら、こんな研究会のことさえも全く存じておりませんでした。疋田智氏、毎日往復２４ｋｍの通勤に自転車を使っていらっしゃるそうです。私も距離は同じくらいでしょうか、長年、自転車通勤をしています。雨の日も風の日も。行きは下り坂、帰りは上り坂、ともにゆるやかなのがありがたいです。帰りには一部、きつい坂道を上りますが、そこを自転車を降りずに上がれるかどうか、それが自分の健康、体調のバロメーターという感じです。そして無事上がりきったら、なんだかいいことが待っているような気がして、頑張って踏ん張ることにしています。私が自転車を選んでいるのは、会社まで時間的に一番早いから、というのが理由ですが、今、環境にやさしい、健康にもいいと、自転車通勤する人が増えているようです。「エコサイクル・マイレージ」というのもあるようです。これは、走った距離と時間を同じ距離を自動車でガソリンなどを燃やして移動した場合と比べて「どのくらいＣＯ2を削減したことになるのか」「どれだけのカロリーを消費し余分な脂肪を燃焼させたことになるのか」、環境・健康・交通・経済にやさしい自転車活用が温暖化防止や健康増進にどれだけ貢献しているかを「数値」であらわす世界初の試みだそうです。（私は参加していませんが）そういえば、今日、6月5日は国連が定める「世界環境デー」でしたね。日本でも「環境基本法」で6月5日を環境の日と定めています。今月は環境月間、個人的には、せめて「チーム・マイナス6％」で紹介してあることくらいは心掛けたいですが、ちょっとできていないところもあるかな、と反省（例えば、待機電力節約）。今日からもうちょっと頑張ります！今日の写真は、マイセンの小花散らしのケーキ皿。どこにでもあるパターンですが、このお皿の小花たち、みんなペアーになっているのが気に入っています．．．。

ちょっと気になる「聴診器ブック」

上の写真とは何の関係もありませんが、今、医療用の聴診器と解説本がセットになった「聴診器ブック」が人気だそうです。３月発売の初版７５００部は即売り切れで増刷を重ね、７月には４刷４万部に達する勢いのようです。本に付いている聴診器は、医師が実際に診察で使っている製品と同じもの、というところ、そして低価格なのが人気なんでしょうね。購読者は小さな子供のいる母親や、夫のメタボリック症候群を心配する妻、ぜんそくの子供に、妊婦が胎児の音を聴いたりと様々な使われ方をしているようです。犬や猫などペットの心臓の音を聴く人も多いそうです。 私は自分の心臓の音を聴いてみようとは思わないけれど．．．。（そんな恥ずかしいこと、とてもできません）だけど、ちょっと気になります。今日は久しぶりに磁器のお人形を載せてみます。ドイツ製と思われますが、詳しいことはわかりません。ドレスデンっぽい感じで、１２センチくらいの小さなお人形ですが、割とよくできていると思います。見詰め合う二人といいたいのですが、微妙（かなり？）に男性の視線がずれている感じがします。こんなシチュエーションだと聴診器がなくても心臓の高鳴りが伝わってしまいそうです。。。

こだわり

毎週買っている週刊誌の一冊、週刊文春６月７日号のある広告に目が留まりました。焼酎の広告なのですが、勝谷誠彦さんの考え方に共感するところがありました。というのか、私自身はこだわりはない？方で、むしろ何でも口にする正反対のタイプなのですが、そうあれればな、と憧れます。尊敬していた会社の元上司も、ひどくこだわりがある人で、それが影響しているようなのですが、亡くなった後、臓器は病院に保管されています。そして私の尊敬する人にそういうこだわりがある人がとても多いのです。勝谷誠彦さん、テレビなどで姿を見かけると注目して彼の発言に耳を傾けています。何かしている時でしたら手を止めて。なかなか辛辣なコメントが多いですが、それが心地よく耳に入ってきます。と、こういうことを書くと、また「益々あなたの好みがわからない」と知人、友人たちから言われてしまいそうです。勝谷誠彦さんは兵庫県尼崎市で生まれ育っていますが、それが発端で、ただそれだけのことですが、身近に感じている、発言が気になる理由なのかも知れません。（勝谷誠彦さん、1960年生まれということにちょっとびっくりしました。いろいろな知識、経験、発言等からもう少し上の方かと思っておりました。）そういう人が宣伝する商品、ちょっと気になるところで、一度買って飲んでみる可能性はなくはないですが、どうでしょう？今度、近所スーパーで商品の前に立ってみて、その時の気分かもしれません．．．。

野ばら　小川未明

薔薇の花がきれいな季節ですね。薔薇で好きなお話が、小川未明の「野ばら」です。今日も読んでみました。　大きな国と、それよりはすこし小さな国とが隣り合っていました。当座、その二つの国の間には、なにごとも起こらず平和でありました。　ここは都から遠い、国境であります。そこには両方の国から、ただ一人ずつの兵隊が派遣されて、国境を定めた石碑を守っていました。大きな国の兵士は老人でありました。そうして、小さな国の兵士は青年でありました。　二人は、石碑の建っている右と左に番をしていました。いたってさびしい山でありました。そして、まれにしかその辺を旅する人影は見られなかったのです。　初め、たがいに顔を知り合わない間は、二人は敵か味方かというような感じがして、ろくろくものもいいませんでしたけれど、いつしか二人は仲よしになってしまいました。二人は、ほかに話をする相手もなく退屈であったからであります。そして、春の日は長く、うららかに、頭の上に照り輝いているからでありました。　ちょうど、国境のところには、だれが植えたということもなく、一株の野ばらがしげっていました。その花には、朝早くからみつばちが飛んできて集まっていました。その快い羽音が、まだ二人の眠っているうちから、ゆめ夢ごこ心ち地に耳に聞こえました。「どれ、もう起きようか。あんなにみつばちがきている。」と、二人は申し合わせたように起きました。そして外へ出ると、はたして、太陽は木のこずえの上に元気よく輝いていました。　二人は、いわ岩ま間からわき出るし清みず水で口をすすぎ、顔を洗いにまいりますと、顔を合わせました。「やあ、おはよう。いい天気でございますな。」「ほんとうにいい天気です。天気がいいと、気持ちがせいせいします。」二人は、そこでこんな立ち話をしました。たがいに、頭を上げて、あたりの景色をながめました。毎日見ている景色でも、新しい感じを見る度に心に与えるものです。青年は最初しょうぎ将棋の歩み方を知りませんでした。けれど老人について、それを教わりましてから、このごろはのどかな昼ごろには、二人は毎日向かい合って将棋を差していました。初めのうちは、老人のほうがずっと強くて、こま駒を落として差していましたが、しまいにはあたりまえに差して、老人が負かされることもありました。この青年も、老人も、いたっていい人々でありました。二人とも正直で、しんせつでありました。二人はいっしょうけんめいで、将棋盤の上で争っても、心は打ち解けていました。「やあ、これは俺の負けかいな。こう逃げつづけでは苦しくてかなわない。ほんとうの戦争だったら、どんなだかしれん。」と、老人はいって、大きな口を開けて笑いました。青年は、また勝ちみがあるのでうれしそうな顔つきをして、いっしょうけんめいに目を輝かしながら、相手の王さまを追っていました。小鳥はこずえの上で、おもしろそうにうた唄っていました。白いばらの花からは、よい香りを送ってきました。　冬は、やはりその国にもあったのです。寒くなると老人は、南の方を恋しがりました。　その方には、せがれや、孫が住んでいました。「早く、暇をもらって帰りたいものだ。」と、老人はいいました。「あなたがお帰りになれば、知らぬ人がかわりにくるでしょう。やはりしんせつな、やさしい人ならいいが、敵、味方というような考えをもった人だと困ります。どうか、もうしばらくいてください。そのうちには、春がきます。」と、青年はいいました。　やがて冬が去って、また春となりました。ちょうどそのころ、この二つの国は、なにかの利益問題から、戦争を始めました。そうしますと、これまで毎日、仲むつまじく、暮らしていた二人は、敵、味方の間柄になったのです。それがいかにも、不思議なことに思われました。「さあ、おまえさんと私は今日からかたき敵どうしになったのだ。私はこんなに老いぼれていても少佐だから、私の首を持ってゆけば、あなたは出世ができる。だから殺してください。」と、老人はいいました。　これを聞くと、青年は、あきれた顔をして、「なにをいわれますか。どうして私とあなたとがかたき敵どうしでしょう。私のてき敵は、ほかになければなりません。戦争はずっと北の方で開かれています。私は、そこへいって戦います。」と、青年はいい残して、去ってしまいました。　国境には、ただ一人老人だけが残されました。青年のいなくなった日から、老人は、茫然として日を送りました。野ばらの花が咲いて、みつばちは、日が上がると、暮れるころまで群がっています。いま戦争は、ずっと遠くでしているので、たとえ耳を澄ましても、空をながめても、鉄砲の音も聞こえなければ、黒い煙の影すら見られなかったのであります。老人は、その日から、青年の身の上を案じていました。日はこうしてたちました。　ある日のこと、そこを旅人が通りました。老人は戦争について、どうなったかとたずねました。すると、旅人は、小さな国が負けて、その国の兵士はみなごろしになって、戦争は終わったということを告げました。　老人は、そんなら青年も死んだのではないかと思いました。そんなことを気にかけながら石碑のいしずえ礎に腰をかけて、うつむいていますと、いつか知らず、うとうとと居眠りをしました。かなたから、おおぜいの人のくるけはいがしました。見ると、一列の軍隊でありました。そして馬に乗ってそれを指揮するのは、かの青年でありました。その軍隊はきわめて静粛で声ひとつたてません。やがて老人の前を通るときに、青年は黙礼をして、ばらの花をかいだのでありました。　老人は、なにかものをいおうとすると目がさめました。それはまったくの夢であったのです。それから一月ばかりしますと、野ばらが枯れてしまいました。その年の秋、老人は南の方へ暇をもらって帰りました。

今日は絵だけ

Tales of Lovers

In an unidentified kingdom, the worship of Venus (Aphrodite) was fading away, because the populace thought that the king's youngest daughter, Psyche, was more beautiful than the goddess of love and beauty. The populace began to worship the princess as the goddess.Though, Psyche didn't ask for this attention, the goddess was jealous over the girl usurping her position. She called upon her son, Cupid (Eros), the god of love, to make sure no one would marry the young princess, and that she would fall in love with a monster.However, he had instantly fallen in love with Psyche, the moment Cupid saw the mortal princess. Cupid wanted to marry the mortal girl, so he made arrangement that she would have him.The king, Psyche's father, became concerned that many come to worship her daughter, but no suitors would dare ask for the hand in marriage. Her father went to an oracle in Miletus, but heard that his daughter must be left in the mountain, where an evil being (demon or monster) would take his daughter as his wife.The king and Psyche's two sisters sorrowfully left Psyche on a high, rocky hill; she bravely waiting for her demonic suitor. She met no one she could see, when Zephyrus, god of the west wind, took her and spirited her off to her new husband's home.Instead of demon's lair in a dark cave, she was surprise to see that her new home was a palace, larger and more splendid than her father's palace. Her needs were served by invisible servants. Her meals were more delicious than any she had ever tasted.That first night, her came husband came to her, but she could see him in the darkness. At first, she felt fear, but his presence reassured her. Her husband (Cupid) told her that this home was hers, and that he loved her. However, he warned her that she must look upon him in the light.After the night of pleasure, her husband left in the morning, but each night, he would visit her again, each time in bed under the cover of darkness. Psyche never seen her invisible husband, nor knew his name.Psyche had fallen pregnant. Cupid informed her that if she does look upon him before their child is born, then the baby would be mortal. The child would only be immortal if she doesn't see his face until after birth.On the fourth night, her husband informed her that her sisters were looking for her on the hill where they had last seen her, thinking that she was dead. Her lover told her that she must not ever see her family again. Though, Psyche enjoyed her time with her new husband, and was happy, she began to pine for her home, and she missed her father and her two sisters. She complained bitterly night after night that she was lonely and that she missed her sisters.Finally, her invisible husband relented, allowing the two sisters to visit her in the palace. The West Wind (Zephyrus) brought Psyche's sisters to her home. When her sisters arrived in the magical palace, they were enviously astonished to see the luxury their younger sister enjoyed, and were truly jealous of Psyche's good fortune.The two sisters were astonished that heard the reasons why Psyche has neither seen her husband nor know his name. They both secretly wished ill fortune for their youngest sister; they were jealous of her sister's wealth and secretly hashed a plot to discover his identity and ending his sister's marriage. Each was motivated that this unknown god would marry her, if he divorced Psyche.On their second visit, the two sisters told Psyche that she should try to find the identity of her husband, because it was said that he was a monster or demon. Why else would her husband not want her to see him, her jealous sisters told her. If he was a demon, then Psyche should kill the creature.Psyche finally having misgiving about her marriage decided to act upon her sisters' advice. While her husband slept in their bed that night, Psyche fetched an oil lamp and a knife; she was determined to see what monstrous husband she had married and slay him in his sleep.Trembling she held oil lamp in one hand and a knife ready to plunge into her husband's heart, as she approached the bed. But what she saw in the light, was not a horrifying creature from the depth of hell, but a beautiful young man with golden wings. At the sight of her husband, she forgot that she was holding the oil lamp in her hand, and spilled a drop of hot oil on to his shoulder.Her husband woke in pain, and saw that his wife had betrayed him. The love god left Psyche. Cupid returned to his mother in Olympus. Psyche was distraught that she had lost her husband, who was none other than Cupid the god of love.Upon hearing that that Psyche's husband was a god and he had deserted their sister, the two selfish sisters returned to the crag, each hoping that he would take her as his wife. Both sisters leaped off hill, believing that Zephyrus would carry them to Cupid's palace. Instead they fell to their death.Psyche blamed herself for not trusting her husband, because she was a naive girl. She had lost Cupid because of her curiosity and disobedience. She was determined to win her husband back. She prayed to Juno and Ceres, but they didn't answer, not did Cupid returned. She was hoping that by serving Cupid's mother as a servant or slave, Cupid would love her once more.What Psyche didn't realise is that Venus hated her. The goddess had not forgotten that people from far away have abandoned her, and started worshipping Psyche. She was doubly upset that her son had slept with her mortal rival, begetting a child in Psyche. Now that the foolish girl had burned her son, Venus was determined to punish the girl.Venus set Psyche a series of seemingly impossible tasks. In one task, she had to sort a roomful of different grains by nightfall. In this, a colony of ants helped Psyche sort the various grains in neat piles. Her next task involved gaining wool from a flock of deadly sheep that could kill any man or woman. The reeds advised Psyche that she could gather the wool that clung to bushes, instead of waking the sheep from their afternoon sleep.Despite Psyche's success, Venus set increasingly her more difficult task. She had to fetch the deadly water from the river Styx that flow out from the precipice of Mount Aroanius. She thought that she would die this time. This time, an eagle of Jupiter (Zeus) came to her aid. Taking jar from Psyche, the eagle flew and filled the jar with the water from Styx.Angry at her success, Venus demanded that Psyche fetch the make-up box from Proserpina (Persephone), the goddess of the Underworld. No mortal could hope to enter the World of the Dead and return. She wanted to end her life now, since there was no hope of her returning or winning Cupid back. She would have leaped off the high tower, but the building spoke, giving her instruction of how to succeed in this quest and return safely. The tower warned her not to open the box containing Proserpina's ointment.Psyche entered the Underworld prepared. She crossed the Styx, paying Charon his toll of one obol (coin). She gave sweet honey cakes to the three-headed hound, Cerberus, so that she could pass through the gate of Hades. When she came to Hades' House, Psyche did as she was instructed to, refusing to sit on the chair and only accepting bread and no other food on the table.Proserpina then filled the box with her cosmetics. She returned the same way she had came, giving more cakes to Cerberus and another coin to Charon. By the time, she had reached the upper world, exiting the cave at Taenarum.Once again, her curiosity had brought disaster to her. She had forgotten the tower's warning about opening the box. She thought if she applied some small amount of cosmetic, she could possibly win back her husband. The moment she opened the cosmetic box, she had fallen into a deep slumber.By this time, Cupid shoulder had healed, and he forgot his anger with his wife's curiosity and disobedience, flew off from home, to find Psyche. He was still in love with her.Cupid found her, and woke her from her unnatural slumber. Psyche was happy that her husband had forgiven her. Cupid sends her off to his mother and completed her last quest, while Cupid went to Olympus and appealed to Jupiter (Zeus), to make his wife immortal. Jupiter agreed.Cupid and Psyche lived happily ever after, and became the parents of a daughter named Volupta ("Pleasure").

今年の国内オークションレコード

こんにちは。今日、新しいパソコンを初めてネットにつなげました。念願の無線になって嬉しいのですが、ビスタにはまだ慣れず戸惑いばかりです。が、これからまた長～いおつきあいだと思いますので、仲良くやっていきたいです。今日、驚いたのは、オークション（25日）でピカソの油彩「旗を持つ男(A Man Holding a Flag)」が４２０百万円（手数料込で４６４）で落札され、今年の国内オークションレコードとなったこと。ESTIMATION は１５０～２５０百万円だったのですが、どれくらいになるだろうと楽しみにしていたのです。上の写真がその絵。バブルのころですともっとすごい額になっていたかと想像すると、なんだかワクワクします。私が時々利用するこのオークションは、以前ブログにも書いておりました「ヴィーナスとキューピッド」と出合ったところなのですが、ESTIMATIONは殆どの場合とても低く設定されており（それが私のようなものにとっては好都合なのですが）、実際の落札額と幅があることが多いのです。今回は、現代アートとピカソ、ピカソは絵だけでなくセラミックス中心と面白いものになっておりました。現代アートに関しては私は興味もあまりなくて全く解らないのですが、作品とESTIMATION、そして落札額をふーん、とかへ～ぇとかいいながら見比べるのがいつもの楽しみです。だけど、なかなかその価値を適正に評価できない私は、いつもアレレ？と思っていたのと違う結果に。こういうテストをされたら落第点、間違いなしです（笑）。そしてこればかりは経験を積んでもなかなか合格点に達しそうもありません。自分の興味がない部分だとしても、ある程度わかるようになりたいと思うのですが．．．。あっ、私の場合、それよりももっと他にすることがあるだろう、と言われそうですね。ところで、下の絵、幾らで落札だったと思いますか？１．タイトル：With Winds作家 ：李　禹煥（U-fan Lee）サイズ：95.5×80cmキャンバスに岩彩２．タイトル：Decomposition作家 ：金　昌烈（Tschang-Yeul Kim ）サイズ：183×230cmキャンバスに油彩・金箔です。

lelelelele……

こんにちは。ご心配をおかけし申し訳ありません。ちょっと今、揺れています。風に揺れる小さな草のように。上の写真はこの時期に咲く近所の草むらの雑草。そうそう、新しいパソコンを購入致しました。長い間、Windows Meを使ってきていたのですが、ネットにつながり難くなったな、と思ったら、パソコン内蔵のモデムがおかしくリカバリしなくてはいけないとのことで、それなら一層のこと、と思いまして．．．。長いことお世話になったので、そろそろ休めてあげることに。このブログを始めたときもこのパソコンでしたし、すごく思い入れがあるので捨てることはしないでこのまま持っていようと思っています。新しいパソコンはビスタ、まだネットに接続していません。今週末、工事をお願いしているのでその際に、と思っています。なので、今日は一番古い９８を使って書いています。下の写真のお花、この時期、どこにでも咲いています。この花のような女性でいたい、そう思います。

よしもとばななさんの「デッドエンドの思い出」を読む

今日は５月５日、子供の日ということで、ちょっとほのぼのしたくなり、以前買って読んでいないままになっていた、よしもとばななさんの「デッドエンドの思い出」を読みました。ばななさんは、随分久しぶりです。遠い昔に、「キッチン」「ＴＵＧＵＭＩ」「白河夜船」「サンクチュアリ」など読んで、あれから一体何年経ってるかしら？この「デッドエンドの思い出」は、短編の集まりで、１．幽霊の家２．「おかあさーん！」３．あったかくなんかない４．ともちゃんの幸せ５．デッドエンドの思い出の５つのかわいくて切ないラブストーリーから成っています。私が今日読んだのが、そのうちの１と５。この本を買おうと思ったのは、勿論、たまたま書店でみかけたのがきっかけですが、ばななさんの「私はこの中の「デッドエンドの思い出」という小説が、これまで書いた自分の作品の中で、いちばん好きです。これが書けたので、小説家になってよかったと思いました。」というコメントが、これは読まなきゃ、という気持ちにさせました。「幽霊の家」に火鉢が登場しますが、どちらの小説にも彼女らしい彼女独特の表現が詰まっていて、ほのぼの、じんわりとしたそのあたたかさは、まるで火鉢のあたたかさに似ている、そんな風に思いました。何でもない日常の中にある本当に大切なもの、幸せについて問い掛ける作品でした。下の写真は、ばななさんとは何の関係もありませんが、ウィーンのインペリアルホテルのティーセッティング。 貴族の館、お城をホテルにというケースは結構沢山ありますが、宮殿をホテルにというのは、パリのクリヨンとこのインペリアルくらいでしょうか。インペリアルはヨーゼフ１世がウィーン万国博の時から迎賓館として使い、第一次世界大戦後にホテルとしてスタートしています。歴史的建造物としても見るべきところが多く、また、室内装飾においても高貴さと優雅さを備えた由緒あるホテルとして有名で、世界各国の王室やＶＩＰご愛用のこのホテルですが、ティーセッティングは意外とシンプル、上品で清楚な感じで好感は持てるのですが、私としてはインペリアルの豪華な雰囲気とちょっとイメージが違います。磁器は、アウガルテンの「リラ　アスター」というシリーズ。ウィーン窯の創立初期からあるパターンのようです。このお部屋にかかっている肖像画は絶世の美女として知られるエリザベート妃。エリザベートというと、すぐこの絵を思い出す私です。少し憂いのある表情ですね。

スロバキア製

今日の写真、私が春夏によく着ているブラウスやワンピースのストックです。ストックというのは、５年程前にセールで纏め買いし、十数枚、そのまま箪笥の中なのです。生地はイタリア（ミラノ）製、縫製は東欧のスロバキア。ショップでは何故かハンガリー製と出ていましたが、タグを見るとスロバキア製でした。写真以外に数枚あってこの時期、普段よく着ているのですが、これが結構強くて丈夫、洗濯機で普通にジャブジャブ洗えるところ（お洒落着洗いや専用の洗剤を使う必要なし、ネットに入れる必要もなし）が魅力です。勿論アイロンも要らないので大助かりです。私は「ものの値段」とその「品質」を比べてお買い得と判断すると、同じ物でも、その時必要がなくても複数買ってストックする癖があります。この服もその癖に基づくものなのですが、残念なことに私が遭遇したセールは、そのまま閉店セールになってしまい、いつの間にかショップはなくなってしまいました。ただ、丈夫さについては予想以上の強さでしたので、写真の服は箪笥の肥やしのまま抜け出せないままかも知れません．．．。今、通勤に使っているバッグも実は同じショップで買ったスロバキア製です。ショップ名は忘れてしまいましたし、日本に今あるかどうかもわかりません。同じショップでなくても、あれ以降、スロバキア製を探すのですが、なかなか出合えません。ああ、愛しのスロバキア製～～～（笑）。もし、スロバキア製に出合ったら、またまた肥やしになるかもしれない事は無視して買い込みそうです．．．。

こんなのを作っていたなんて．．．

上の写真のレース人形、どこのものかわかりますか？実は、先日のブログにも書いておりましたリヤドロ展でガラスケースの中に展示してあったリヤドロのレース磁器人形なんです。作品タイトルは「Vanity」となっておりました。1957年の製作ということでしたが、リヤドロの始まりは意外に遅く、1953年頃、スペインのバレンシア郊外でホアン、ホセ、ビセンテ３兄弟が小さな工房から始めたと言われておりますので、できて間もない頃にはこういったものを作っていたのだということをこの度、初めて知りました。他のリヤドロ人形とは随分、趣が異なります。お顔の表情はアイリッシュドレスデン的、磁器レースはアイリッシュドレスデンのそれとは異なりドイツのUnterWeissBochに似た感じ、洋服の絵付けはジッツェンドルファに似ているけれど．．．、って感じでしょうか。似ているけれど同じでなく、他のレース磁器とも若干違いますので、リヤドロという説明がなければどこのものかすごく悩んだでしょうが、まさかリヤドロとは夢にも思わなかったでしょう。もし、これが展示品でなく値札の付いた売り物だったら、私の初リヤドロとなっていたかも知れません。レースで出来たドレスの裾などに結構大きな欠けがみられますが、それでも手にしていたような気が致します。このお人形も今では貴重になっているのでしょうね。下は普段はみることのない超大型作品、製作個数は１体だけかもしれません。このような作品が４つ、会場の中央に展示されていて、これは「夢をのせて」というタイトルでした。駅のホームでの人々の様子がよく表現されていると思います。機関車の煙突から出る白い煙もよく作ってあります。あまりに大きいので（横幅１メートル以上？）、全体の写真が撮りにくく、写真では迫力に欠けるのが残念です。

大英博物館　ミイラと古代エジプト展

今日はお休みですが、ＧＷ在宅当番で自宅待機ということで、こんな時間にブログに向っております。先日、リヤドロ展の後、神戸市立博物館で開催中の「大英博物館　ミイラと古代エジプト展」へと行って参りました。神戸の前は東京上野の国立科学博物館で去年の秋からやっていたようです。このミイラ展の公式ブログはこちら。今回の見所は、約2800年前の神官「ネスペルエンネブウ」の色鮮やかな棺に入ったミイラと、そのミイラの謎に迫るという20分程度に纏めた３Ｄシアターということでした。その３Ｄシアターは上演時間が決まっていて待ち時間約50分、どうしようかと迷いましたが異色の催しなので是非にと説得されて待つことに。約５分間のイントロダクションの後、配られた３Ｄ眼鏡を装着し博物館内に設置されたシアターで映画を観る感じになっています。この映像、大英博物館の研究者John･Taylor氏の監修で、「ミイラは人類のタイムカプセル。そのままの状態で保存し後世に残すのが我々のつとめ」という思いのもと、ミイラを棺ごとＣＴにかけ、棺を開かず、包帯を解くことなくコンピューターで解析、立体化しています。私たちに一番訴えたい部分は、ミイラの頭部にある謎の物体をめぐる大英博物館の研究者の考察の部分らしく、６０年代にＸ線撮影で不鮮明な姿が見えたときには、古代エジプト人が自分の分身として大切にしたという出生時の胎盤ではないかと推測されていたものが、ＣＴスキャンが映し出した鮮明な画像は、どう見ても粗末な土製のお皿で、他の立派な装飾品などとは明らかに異なること。そのことからの推察として、「ミイラを作る際には遺体の表面に保存のための樹脂を塗った。頭の後ろにしたたった樹脂がたまってしまうため、ミイラ職人が受け皿を置いたところ、予想以上に早く固まってしまった。気づいた時には、すでに頭からはがれない。「しまった」と思っても後の祭り。職人らはこっそりと頭に皿を張り付かせたままのミイラを包帯にくるみ、棺に納めた」 というもの。その古代の秘密を暴いたというものです。私はこの映像を見終えた時、何の感情も起こりませんでした。ただ、たんたんと見たというだけです。この映像の後、このミイラや大英博物館所蔵の古代エジプトコレクション約130点の展示室へと向いました。実際のミイラを前にしても、ミイラマスク、服飾品、像などを前にしても、遥か紀元前にこれを作る技術があったのか、凄い、ということは思うものの、それ以上の感情が起こりません。古代のパワーを感じ、もっと震えるような思いが沸きあがってくることを期待していたのですが、それはありませんでした。ミイラを包んでいた布（今回のミイラのものではありません）とアンクだけちょっとじっと見入りました。エジプト十字とも呼ばれるアンクは、普段宝飾品やアクセサリーの類をあまり身に付けない私が、いつもお守りのように持っているからかもしれません。（Ankhというのは古代エジプト語で生命を意味するそうで、ツタンカーメンもTut-ankh-amenのankhの部分にこの文字が入っています）ということで、ちょっと物足りない気持ちで博物館を後にしたのでした。04年、大英博物館でこの催しがあったときは好評で一年というロングランだったといいますから、私がおかしいのかもしれません。いつも人とズレていることを感じておりますので（笑）。これから行かれる方は参考にしないで欲しいと思います。今の神戸の街では、この花が各通りにズラッと並べられています。

うさぎの型のゼリーモールドが欲しい

上の写真（ピンボケですみません）は、先日ブログに書いておりました『毎日の暮らしに使えるアンティークの器の魅力』に載っていて欲しくなったゼリーモールド。脚がついているところが魅力的。ちょっと弱そうにも思えるけれど、ゼリーくらいなら何ともないのかしら？ゼリー寄せに使ってもいいけれど、ゼリーだとうさぎの形がはっきりわかるかしら？ とちょっと思ったのが、レタスを置いたプレートに、ちょっと季節が過ぎてしまったけれど菜の花を散らして、お花畑、そしてその上にうさぎなのでポテトサラダをこの型で抜いて、本物の人参をくわえさせたい．．．。白いうさぎさんは、子どもの頃からよく遊んだので（本物のうさぎも磁器のうさぎも）、私にとってはちょっと特別な存在です。私が作ると、お子様ランチ風になってしまいそうですけれど（笑）。下は、今日、神戸大丸ミュージアムでやっていたリヤドロ展で気に入ったもの。とは言っても、ここのものは何故か、買うことはないと思っています．．．。英国スージークーパーなど可愛いと思っても、買うことはないだろうと思うのと同じ気持ち。だけど、それでいて見るのは好きなんです。いつも店頭に置いていない商品がズラリと並ぶので、こういう時は楽しみにしています。

輝く瞳　世界の子ども

今日、近所のスーパーで美味しそうな作りたての柏餅をみかけ、そう言えば、もうすぐ子どもの日だものね～と思いつつ、買って久し振りに頬張りました。今年は近所で鯉のぼりが泳いでいる家はまるで少なく、それくらい少子化になっているのかしら？と思いながら．．．。今日、図書館でみた田沼武能さんの写真集『輝く瞳　世界の子ども』。ほぼ５０年をかけて撮影したという１００ヶ国以上の世界の子どもたちのモノクロ写真集です。遊ぶ子ども／働く子ども／まなぶ子ども／生きる子ども 写真には「働く子ども」がないのに気付き、家に帰り、楽天でこの写真集を注文致しました。田沼武能さんからのメッセージ　「原始時代から人間の根底に流れるものは同じです。文明が発達しても人の心というのは変わっていない。人はだれもが生きる喜びを味わい、夢をもち、愛しあう。一方ではふりかかる悲しみに耐えて生きている。21世紀になってもそれは変わらないと思います。それと、今の子供たちは管理され過ぎてますね。もっと自分で色々考えさせて想像させて自分の意志で行動させなくちゃ。人の後を追いかけてもその人より先へはいけませんからね」下は色々思いながらちょっとお散歩した夕方の図書館。日も長くなったものです．．．。

「毎日の暮らしに使えるアンティークの器の魅力」

お久し振りです。ここずっと忙しく、またまた間が空いてしまいました。いただいておりましたコメントへの返信も遅れて申し訳ない思いで一杯です。今週は週初め月曜日から心労と過労？とで頭がガンガン、熱っぽかったので、とりあえず半日休暇をとって帰り少しゆっくり休もうと思っていたところに、また急な仕事が入りとても帰れそうにない状態に。月末が近づいているところなのに、あ～あ、またプラスかぁ～と思いつつ、仕方なく夕方から取り掛かり始めたところ、「どんな感じですか？いつくらいに出来そうですか？明日の夜にはできるでしょうか？」と督促の電話が．．．。「えっ、そんなに急いでやれってこと？マイッタナ．．．。どれだけ面倒か解っているのかしら？」と頭の中で文句をブツブツいいつつ、キーボードを打つにも力が入ります。キーボードに当たっているの、私ったら。かわいそうに（笑）。結局、ぎゅっと集中してやったものの希望納期とされていた火曜日夜を１日遅れの水曜日の夜にやっと仕上げ、さぁ、月末までのお仕事、お仕事と思ってかかった途端、木曜日、お昼前にまた電話が．．．。「また面倒なことになりそう、その上、午前中に仕上げろだなんてもうお昼よ、とてもじゃないけどそれは無理というものよ」と頭の中で思いつつ、「午後一番になってしまいそうですが」と私、「急いでくれとしかいえません」と相手。結局またお昼抜きで対応せざるを得ない状態に．．．。もう、もう、もう、もうと牛さんになってしまいそうでした（笑）。ただ、おかげでいつの間にか頭痛もおさまり、熱も下がっていました。明日はお休み、今日は帰ったら即バタンキュー（これって死語？）かな、と思いつつ、ドッと疲れを感じながら帰ってきたのですが、途中、書店に立ち寄り（最近は23時まで開いている書店が帰宅途中にできて重宝しています）、買ったのが「お気に入りの器と暮らす　毎日の暮らしに使えるアンティークの器の魅力」という本。似たような本は家にも沢山あり、この本が特別気に入ったというわけではなかったのですが、パラッと頁をめくり、すぐ目に留まったのが「ショップオーナーからの招待状」という頁、ヘレンドの「トゥッピーニの角笛」でセッティングされたテーブルの写真、この雰囲気に見覚えがあったからです。数年前に買った「楽しいうちカフェ　インテリアのある暮らし」という、雑誌「美しい部屋」の別冊本に載っていたあの人だわ、と。東京国立のご自宅一階でお料理教室と共にアンティークショップ「アントンカール　(Anton Karl) 」を開いていらっしゃる西洋料理研究家の素敵な女性、この方の好みと、私の好みが重なる（一緒ではありません、あくまで重なるを強調）ところがあるからか、すぐにピンと来たのです。それを以前感じていたものより、今回、より強く感じたのは、ロイヤルコペンハーゲンの大型フィギュリン「禁断の愛」を置いていらっしゃるのをみたから。私は飾る勇気はなく、届いたその日に中身を確認、しばらく眺めた後、またダンボールに仕舞い込み、その後、二度眺めただけなのですが．．．。このフィギュリンを「買う」というところに只ならぬ共通点、重なる部分を感じました。ただ、マイセンの好み、使い方は違う気がしますし、写真では、ヘレンドの「トゥッピーニの角笛」に合わせたワイングラスがバカラのアルクールの赤白でしたが、私でしたらアルクールはまず合わせない（私の場合、それ以前にアルクールは持ってさえおりませんが）、テーブルナプキンにリングは使わない（この場合）などなど、違う部分も感じます（違う部分があって当たり前ですね）。でも彼女のエレガントさ、センスには憧れがあり、近くなら是非お料理を習いたいところなのです。この写真がロイヤルコペンハーゲンの「禁断の愛」。高さが５０ｃｍくらいあり、磁器人形にしてはかなり大きめです。（私は一年半ほど前に購入）帰宅して久し振りにブログに向ったら、尊敬するＳＩＲ　ＪＡＰＡＮさまがこの本のことをブログに書いていらっしゃるのをつい先ほど発見し、驚きました。ＳＩＲ　ＪＡＰＡＮさまもこの本に広告を掲載されたとのことで、早速頁をペラペラめくると、ありました、ありました！５１頁に。いつもブログで拝見するオールドノリタケの商品がきれいな写真で紹介されています。なんだか、つながっている？のを感じてとても嬉しくなったのでした。今日はぐっすり眠れそうです。皆さまのところには明日、ゆっくり伺いますね。

Where there's a will , there's a way.

ヘレンド　フルーツコンポジション（ＣＦＲ）と呼ばれるパターンのディナープレートです。1970年代にヘレンドで活躍したペインター、ジョゼフ・ラキ氏の創作。ハンガリーらしいフルーツとお花の組み合わせです。写真は６枚しかありませんが、ロスチャイルドバードなどと同じように１２種類のバリエーションがあります。下は、2006年のセンチュリーボックスと呼ばれるもの。毎年違ったパターンで発表されていてコレクターも多いとか。蓋の内側には、Where there's a will , there's a way.意思あるところに道は開けるのメッセージが．．．。ちょっと勇気付けられます。ひとりのティータイムにはこんな感じで。

ヘレンドとロスチャイルド

ナポレオンが自軍の思わぬ総崩れに呆然とワーテルローの野に立ち尽くしていたとき、戦塵を後に英仏海峡に向けて転がるように走る一台の馬車。翌日の1815年6月20日、朝、ロンドン、ネイサン・ロスチャイルドは戦場から息せき切って駆けつけた家令からウエリントンの勝利を聞き、そして、いつもの時刻にロンドン証券取引所に出掛けます。周りの投資家達は皆、戦の成り行きをまだ何も知らずただじりじりしています。勿論ウエリントンが勝てば買い、ナポレオンが勝てば売り。政府の伝令はまだ道中、勝負は今！一世一代の大芝居、これ見よがしにうなだれて見せたところ、ネイサンの早耳を知る周囲はナポレオンの勝利と咄嗟に判断し関連株を狼狽売り、大暴落したその株を彼はひそかに底値で買うことに成功します。数時間後、政府がファンファーレと共にウエリントンの勝利を告げたときの取引所のみんなの慌てふためく様、騒ぎをネイサンはどんな思いで見詰めたことでしょう。笑いをこらえるのに必死だったことでしょうね。やり方が汚いと罵られようと時間は元に戻りませんもの。（今の時代では罪に問われそうですが．．．。）ネイサン・ロスチャイルドが見せた「ビジネス」の世界の顔。情報とスピードで人を出し抜く。今の世界と同じですね。そのロスチャイルド家が出資していたこともあって創業間もないヘレンドの器を愛用していました。最初はウィーンのロスチャイルド家で使われていただけでしたが、パリやロンドンの兄弟たちにも勧め、お気に入りになっていきます。上の写真が、ヘレンドのロスチャイルドバード。私はヘレンドの古くからある古典的パターンに惹かれます。飛ぶ鳥落とす勢いのロスチャイルドに北ヨーロッパの野鳥の図、涼しげに歌う鳥はロスチャイルド家にお似合いですね。（布が皺くちゃでお恥ずかしい限りです。アイロンかけるの忘れました。ああ．．．。）下の写真は、ウィリアム・サドラー『ワーテルローの戦い』。ベルギーのワーテルローでの連合軍圧勝の様子です。そうそう、株関連での現在のお話。米国の検索エンジン最大手グーグルの最高経営責任者も２人の創業者も年俸は僅か１ドルであることが米証券取引委員会の報告でわかったそうです。僅か１ドルですよ、すごいですね！最高経営責任者は５０億ドル、共同創業者はそれぞれ１３５億ドルと１３８億ドル相当の株を保有しているのでわざわざ年俸なんて要らないようです。なんともアメリカ的ですね。

「ヴィーナスとキューピッド」に縁があったようです

昨日の日記は「パーンとプシュケ」だったのですが、プシュケの美に嫉妬するヴィーナスのことはちょっと考えたくなかったり致します。以前ご紹介していたオークションにサーバートラブルで参加できていなかった旨、先日お伝えしたのですが、実は縁あって、以前にも掲載しておりました上の写真の絵が、私のもとにやってきてくれることが決まりました。落札結果を確認すると「不落札」と表示されており、実はこの文字から、アレッ？　おかしい、と問い合わせをかけてみたのです。そうしましたら、入札情報が届いていなかった、とのことでしょう、縁がなかったと思おうと自分に言い聞かせたのですが、やはりちょっとショックでした。アフターセール、そんなシステムがあったなぁ～と思い出し、案内があったわけでもなく今まで利用したことも無いのですが、「不落札の表示になっていますが、アフターセールの対象ですか？」と問い合わせてみたのです。つい先日のことです。そしたら、「まだ残っています」と。信じられませんでした。何故？この絵を選んだ人がいないなんて．．．。驚きと興奮、そしてときめき。最初、お願いしていた筈の入札金額で問い合わせをかけていたのですが、今日、帰宅してＰＣに向うとオッケーの連絡が入っていました。この絵、決まった金額の何倍かであったとしても、１０倍でも２０倍でも実は欲しいと思っていました。私は磁器も好きですが、たとえ手持ちの磁器全部と引き換えにしても．．．。何故なんでしょう、自分でもわかりませんが．．．。この絵に吸い寄せられるように惹かれていた私は、なんだか、くるくる踊りたくなる感覚、今、幸せ気分に浸っています。やはり、これも「縁」ですよね。この絵をずっと生涯大切にすると思います。

パーンとプシュケ

先日、kopanda06さまがブログで書いていらっしゃった知ることがもたらす不幸　―　キューピッドの恋　―、私がプシュケで思い出すと言えば、まずこの絵です。実業家グレンヴィル・Ｌ・ウィンスロップが、米ハーバード大学付属のフォッグ美術館に寄贈した3700点にも及ぶコレクションのなかの一点。０２年秋に東京国立西洋美術館で世界で初めて公開され、東京、ロンドン、ニューヨーク、ワシントンを巡りました。イギリスの画家、エドワード・バーン＝ジョーンズ　BURNE-JONES, Edward（1833-1898）が描いた「Pan and Psyche」（1872-74年）です。バーン＝ジョーンズは親しかった詩人ウィリアム・モリスの詩「クピドとプシュケの物語」からイメージした「プシュケを見つけたクピド」「プシュケを救い出すクピド」「プシュケの結婚」などの絵を描いています。クピドとプシュケの物語は、ローマの詩人アプレイウス(Lucius Apuleius)が２世紀に記した物語で、あらすじはkopanda06さまのブログでご覧いただくか、こちらでも。プシュケの幸福を嫉妬した姉達から唆され疑心暗鬼になったプシュケが、見てはいけない夫の姿、神の美しい姿を見てしまい、それに気付いたクピドはプシュケの元を去ります。最愛の夫を失ったプシュケは自分の愚かさを激しく責め、絶望して河に身を投げるのですが、河の神は自分の冷たい水さえも灼熱の恋に沸き立たせる魔力を持つクピドを畏れて、彼の愛する人を溺死させてひどい報復を受けては大変だとばかりにプシュケの身を浮かび上がらせ岸辺に打ち上げます。そこで山羊を放牧していた牧神パーンに出会い、パーンはプシュケを慰めます。この絵はちょうどそのシーンです。But the kind river even yet did deemThat she should live,and,with all gentle care,Cast her ashore within a meadow fairUpon the other side,where Shepherd PanSat looking down upon the water wan.ウィリアム・モリスの詩の場面です。私は、不思議だと思うのが、こういう神話（恋多き神さまが多いですよね）の中にあって、ここでこのパーンとプシュケが結ばれなかったこと。パーンは葦笛シュリンクスを吹いて羊飼いやニンフたちと踊ったり、ニンフを追いかけたりとなかなかのプレイボーイです。やはりプシュケが神でなく人だったからでしょうか？だけど、ゼウスも人と恋したりしていますよね。プシュケは愛するクピドを求めて、神さまたちに助けを求めますが、みんな手を貸してくれません。そして課せられた様々な難題を果たします。クピドもまたプシュケをさがし求めていました。開けてはいけない箱を開けて眠ってしまったプシュケを見つけ、クピドは「眠り」を箱の中に戻し、愛するプシュケを目覚めさせます。そしてゼウスに頼み正式にプシュケと結婚、プシュケは神々の仲間入りをしハッピーエンドとなるのですが．．．。私は山羊座生まれだからかも知れませんが、パーンとプシュケが結ばれて欲しかったと思う気持ちもちょっとあったりします。だけど、やはりパーンには二人の間に割って入れないことが初めからわかっていたのでしょうか？下の絵は、フランソワ・ジェラール　Francois Gerard （1770-1837）の「アモル（クピド）とプシュケ（1798）」。プシュケに姿を見られてしまったクピドが、プシュケの元を去るシーン。

Montmartre　と　la Coupole

こんにちは。また間が空いてしまいました。３月のＨ１８年度末のバタバタがようやく落ち着いてきました。４月１日の日曜日だけ、早い時間に帰宅できた（といっても徹夜の延長線上の夕方）のですが、その帰り道、専門店が集まる商店街を自転車で通り抜けながら、いつもはシャッターが閉まったところしかみないので、それなりの人通りの多さにちょっと驚き、また嬉しく思いました。自転車で走っていると、いつもと違った匂いにアレッ？とスピードを落とすと絵がたくさん。仕舞い始めていたのですが、油絵が沢山ならんでいました。そこが心地よい空間のように思え、引き寄せられるように立ち止まり、絵を眺めました。額に入った絵もあれば、ただ無造作に置いてある絵、描きかけの絵もあります。ショップでもなく個展という感じでもなくアトリエでもなく．．．、一体これは何？と思いながら眺めているとおじさん（絵描きのＹ．Ｍさん）が話し掛けてきて、絵の説明をしてくれました。そして「気に入ったのがあったら持っていって、絵との出合いも縁だから」と。絵には、それぞれに値段がついているわけでもなく、恐る恐る「この絵は？」と訊ねると、「デパートでもないしグラム売りだから」と、ちょっと照れ笑いしながら答えてくれました。ちょっと耳を疑うお値段でしたので隣の絵についても訊いてみましたら、やはりそれほど変わらない金額を口にされます。描いた絵の値段は入っておらず、材料費のみという感じでしょうか、額代と絵の具代くらい？美術名典などの評価額では、パッと即決で購入できない額になりますし、勿論、当日、そんな現金は持ち合わせていません。なぜそんな値段で、と驚いていると、「気に入ってくれたらその人のところに行くのが絵の幸せだから」と。弟子？なのか隣にいた男性も彼が口に出した金額に驚いていましたが、「女性には弱いし．．．」と口にした彼に、困るなぁ～という顔をしながらも承諾している感が見受けられ、「どれも欲しくなりますが」と言いながら、２枚の絵をいただきたいですと伝えました。本当はもっと欲しいと思いましたが、それではあまりにも申し訳ないような気がしたのです。それに自転車ですので、後ろの荷台にくくりつけるにしても、限られます。上の写真はその１枚で、タイトルは「モンマルトル」。彼は昭和１４年生まれの洋画家ですが、今は仕事としてではなく、ただ趣味として描いていてそれを広げていたようです。私が生まれる前から絵を描いていて、きっとモンマルトルも思い出の地なのでしょう。彼の青春だったに違いありません。この絵について語る表情は、お孫さんや神戸の港に飾られている絵を語るときとは違って、やはり画家そのものでした。こんなものにも描いていて、この５点を殆どタダ同然でいただいてしまいました。下の写真の絵のタイトルは、パリの「ラ・クポール」。どちらの絵も、打ち込んで描くというのとは違い、ただ描きたいものを楽しみながら描いているのが伝わってきて、その「軽さ」が心地よく感じます。１日の日、帰宅後一眠りしてからこの日記に書こうと思っていましたら、そのまま朝まで眠ってしまい実働１日を迎えてしまいました。そしてやっと今日、絵をじっくり眺めてみたのですが、この「ラ・クポール」がなかなか気に入りました。そして最後握手をして別れたときの、彼の照れた笑顔と絵描きである彼の手が、また蘇ってきました。いつまでも忘れられない光景になってしまったようです。先日、カタログが届きましたと書き込んだ日記のオークションが終了したのですが、入札確認のメールも結果のメールも請求書も届かないなぁ～と思ってオークション会社に確認してみましたら、今回、オークション会社のサーバーの不調で私の入札情報が届いていなかったようです。落札結果発表をみていると、落札できていたはずのものが幾つもあって（日記に載せた絵だけでなく、セーブル、マイセンの磁器なども）ちょっと悲しく残念ですが、縁が無かったと言うことでしょう。

ドレスデン　ブーケの透かし絵皿

今日、会社帰りに立ち寄ったコンビニでふと目に留まり手にした雑誌「プレジデント2007.4.16号」。「時間ない病」の研究 特集です。コンビニでパラパラッとしただけで、おぉ～、これは読まなくては、そして面白そうと買ってきました。何より、表紙の文字にグサッです（笑）。私、このグサッが好きなんです（笑）。そして、ウンウン頷いてしまいました。★キヤノン　 内田恒二社長 　 探しものに費やすムダは1年間で6週間 　　結構（サーバーやパソコンの中の）書類やファイル、昔のメールなど探していること多いなぁ～　　と反省。　　この時のようなさがしものは大目に見てね、と言いたいけれど．．．。結局一週間後くらいに　　新しく買いました。この時のさがしものは、実は電池の充電器と髪の毛を束ねるゴム。　　どうでもいいようなことですが、だけど、だけどですよ、忽然と消えたんです．．．（笑）。　　ありえなーいんだもの。★ソニー　 ストリンガー会長 　 仕事が中断すると元に戻るまで25分かかる 　　確かに。会社では集中タイム（外部にもお願いして電話も面会もできるだけしない時間）を　　導入するセクションがありますが効果をあげているようです。★ファミリーマート　 上田準二社長 　 「そのうちやる」が処理時間を60倍にする 　　すぐしなくちゃ、ってわかっているけれど．．．。言い訳ばかりと怒られそうです。　　　優先順位がどんどん落ちていくものをどうするかが悩みの種です。★JT　 木村 宏社長 　 会議が62％の人の足を引っ張っている ★日本マクドナルドHD　 原田泳幸社長 　 50％の人が不要な打ち合わせの犠牲に 　　この２つ、そうそう。要らない会議、打合せや要らない人までいることがなんて多いでしょう。　　また、理由があって遅れてくる人を、少し（数分）なら待ってあげようとする人が多いのが　　困ります。何とかならないかしら．．．。　　明日の会議も思いやられます．．．。　さぁ～て、この雑誌、いつ読めるかしら？読み終わったら会社で回覧しなくちゃ。今日の写真はドレスデンの透かし飾り皿。どちらもドレスデンらしいあたたかな感じのブーケです。昨日、kopanda06さまのところで、横浜にあるマイセンの孔雀（パイプオルガン）をみて、フラウエン教会（聖母教会）のカリヨンを思い出し、涙ぐんでしまいました。それでドレスデンを。

SELENE 「月に願いを！」キャンペーンの集計結果

　　　　　　　　　　　　　　　昨年１２月に　このブログにも書いておりました月探査機「セレーネ」（セレーネは、ギリシア神話の月の女神「SELENE」と「SELenological and ENgineering Explore（月科学・工学探査機）」をあわせてあります）で運ぶメッセージ、「月に願いを！」キャンペーンの応募総数が先日発表され、2006年12月1日から2007年2月28日までの応募期間中、はがきやインターネットにより届けられた名前とメッセージは国内234,498名、海外178,129名で、トータル412,627名の名前とメッセージが搭載されることになりました。募集は当初１月末までの２カ月間の予定だったのが、応募が低調なため１カ月延長、それでも目標としていた１００万人の半分にも満たなかったようで、ちょっと残念な気もします。私も願いを込めたメッセージを運んでいただきます。叶うといいけど欲張りすぎてるかも？著名人からのメッセージバズ＝オルドリン氏（アポロ11号で人類初の月面着陸を行った宇宙飛行士）　「Back to the Moon and on to Mars」（月への帰還、そして火星へ） レイ＝ブラッドベリ氏（SF作家）　「Beyond the Moon, Mars beckons」（月の向こうで、火星が手招きしている） 岡田武史氏（元サッカー日本代表監督）　「地球が子供達の住み易い星になりますように」 有森裕子氏（マラソン選手）　「世界を照らす月の魅力を伝えてください！」 毛利衛宇宙飛行士　「地球まほろば」 土井隆雄宇宙飛行士　　「宇宙をめざせ！」 野口聡一宇宙飛行士　「子供たちが夢を持てる未来を創ろう」 有名人のメッセージがこちらでも公開されています。今日、３月２５日の月齢は６。月齢６の日の出来事はと言うと、1931年 9月18日 満州事変 1948年 5月14日 イスラエル、建国を宣言 1948年 9月 9日 朝鮮民主主義人民共和国成立 1961年 6月19日 クウェート独立 1963年11月22日 ケネディ米大統領暗殺 1964年10月12日 ソ連・史上初の3人乗り有人宇宙船ウォスホート1号打ち上げ 1968年 4月 4日 キング牧師暗殺、米国各地で黒人暴動 1969年 7月20日 アポロ11号　人類初の月面着陸に成功1979年12月24日 欧・アリアンロケット1号機打ち上げ 1988年11月15日 旧ソ連のスペースシャトル・ブラン初飛行 1999年11月15日 国産ロケットＨ－２ロケット8号機の打ち上げ失敗 などなど。セレーネは、多くの人の願いや夢をのせて飛ぶのですから、失敗で散ることのないよう願いたいです。

カタログが届きました

こんにちは。ここずっと忙しくブログを更新できずにおりました。疲れていますが今日はお休み、少し気分的に明るいです。皆さまからいただいておりますコメントへの返信もまだ、本当に申し訳なく思っております。返信書かないと、って思っているのですが、数日前（一週間ほど前かもしれません）時々利用しているオークション会社から届いていた分厚いオークションカタログの誘惑に負けてしまい（色々な誘惑に弱い私です）、先ほど開いてパラパラめくって見てしまいました。まだじっくり見ていないのですが、パッと目に留まったものを幾つかご紹介します。先ず上の写真：Attrib.Benjamin WEST （1738～1820)　「ヴィーナスとキューピッド」もともとこういう雰囲気の絵には惹かれるのですが、今、癒されたい気分のせいか、じっと見入ってしまいました。会社でのイヤなことなど忘れて、優しい気持ちにさせてくれます。カタログにまで頬擦りしたくなります。こちらは、Jan Frederik Pieter Portielje (1829～1908)　の「The Letter」。２０年ほど前に、あのＮＹサザビーズで扱った品です。この絵の中の女性の優雅さ、上品さ、美しさ。全て憧れです。ないものねだりなのかも？手紙を読む女性の表情がやわらかで、大切な人からの手紙を読んでいるのが伺えます。こちらは油彩でなく、ＫＰＭの陶板。このシーン、わかりますか？そう、子どもは、モーゼなのです。すごいでしょう？『出エジプト記』に登場する、葦舟に乗せてナイル川に流されるあのモーゼです。女性はその母親。当時、エジプトファラオの命令でイスラエル人の男児は殺される運命、隠して育てられていたのがやがて隠し切れなくなり、やむなく子を葦舟に乗せた母親の胸のうちが女性の表情から伝わって参ります。こちらは、がらっと印象が変って、油彩でもなく陶板でもないパステル画です。Charlotte Petersen　の｢少年像｣。優しい表情でしょう？女の子みたい？これらの他、マイセン、セーブルなどの磁器、ＫＰＭ陶板に興味深い作品が多く載っています。今回は取り扱うジャンルが広く、面白い内容になっていて下見会に是非行きたいところなのですが、３月末ですのでとても行ける状況でないのが残念。幾つか、入札を依頼する形になると思いますが、結局しないままで終わるような気もします。うーん、どうなることやら。

憧れの童話世界

お久し振りです。ここは中国　四川省。成都の北およそ400キロ、岷山山脈に位置した美しい自然景観の九寨溝。原始の生態環境と言われ、清らかなイメージそのもの。憧れの場所です。上の写真は五彩池。五彩とは、緑、青、白、黄、黒。九寨溝で最も美しい湖と言われています。森の奥深く、この水の宝石が見つかったのは1970年代初めのことで、森林伐採のために入った人々が偶然に発見しました。九寨溝という名は九つの村がある渓谷という意味で、渓谷にはチベット族の村がありました。村人にとっては九寨溝の景観は昔から慣れ親しんだ当たり前のものでしかありませんでしたが、外からこの渓谷に足を踏み入れた人にとっては、まるでこの世と思えない夢のような美しさで、森にはパンダも暮らしており、やがて「童話世界」という形容されるようになりました。ここを訪れる人は年々多くなり、1978年には一帯が自然保護区に指定され森林伐採は禁止されます。1992年には、ユネスコの世界自然遺産に登録され、中国屈指の景勝地として、その名は世界中に知られるようになりました。九寨溝の湖沼は、チベット族の伝説が残っています。その昔、鏡岩と呼ばれる絶壁の界隈には美しい山の妖精が住んでいて、妖精は1000年もの間、悪霊にしつこくつきまとわれながら耐え忍んでいました。これを見かねた山の主の精霊は、魔法の鏡を使って悪霊を鏡岩の中に永久に封じ込めてしまいます。ところが、その戦いの最中に精霊が持っていた魔法の鏡は粉々に割れ、108の破片になって飛び散りました。この破片が、九寨溝にある湖沼になったというのです。神秘的と言われるほど青く透き通った九寨溝の湖水。それは湖底に倒れた樹木が湖上から見渡せるほど。これほどまでに美しいその秘密は、石灰質を多く含んだ地質にあると言われています。地底から湧き出す水が石灰質を多く含む地層によって浄化され、澄んだ水になるといいます。上の写真が伝説の魔物が住むと言われる標高3150メートルの長海。九寨溝で最深、最長の湖で、渓谷の最深部に位置しています。九寨溝と同じ1992年にユネスコの世界自然遺産に登録された、成都の北約350キロにある黄龍もまた美しい自然で有名です。ここには大小1000を越す池が、山の斜面 を段々畑の様に埋めつくしています。石灰岩でできた光沢のある黄色の棚田の連なりが、谷を駆け昇る黄色い龍のように見えることからその名が付けられました。その峡谷は、エメラルドグリーンの水をたたえる大小の池が段々畑のように折り重なる風景が36kmにわたって続いています。1983年に国の風景区に指定されるまでは地図にも記されていなかったそうです。上の写真が、黄龍で最も美しいと言われる五彩池。九寨溝の五彩池とは趣が異なります。黄龍は高地にあり冬には多くの池が凍ってしまいますが、五彩池だけは真冬でも凍らないそうです。五彩池のほとりにある黄龍寺には黄龍の神様、黄龍真人様がまつられ人々の信仰を集めています。寺の真下にある黄龍洞の水は、どんな病にも効く「天が授けた神の水」と言われています。高山植物もきれい。金県とブン川県の境に位置している四姑娘山の麓の風景です。四姑娘山は現地のチベット族の伝説では、４人の美しい女性が山になったと伝えられています。青空、滝、泉、草原、渓流、まるで美しい南ヨーロッパの風景で、“中国のアルプス”と言われています。こういう自然、本当に貴重に思いますが、大勢の人に知られず、ひっそりと佇んでいた頃にちょっと戻してあげたいような気も。

星の素～真珠の首飾り～恒星の最期

天文台野辺山宇宙電波観測所の４５メートル電波望遠鏡を使い、４０個の銀河の中で星の素となる分子ガスの姿を描いた「銀河写真集」が２５日、ネットで公開されました。ここ最近、宇宙の素敵なニュースが相次いでいますね。こういうニュースに触れると、宇宙の活動は果てしなくて、私たちの毎日なんて、ほんとちっぽけ。大きく伸びをして空に向って深呼吸したら、悩みも飛んでいきそうです。（実際はすぐ現実に引き戻されるのですが．．．。）以下、朝日新聞から電波の目がキャッチ、「星の素」宇宙のガス分布を観測約５２００万光年離れた銀河Ｍ８８。電波写真（右）ではＣＯの分布がわかる＝国立天文台提供 　星は、宇宙空間にあるガスの塊が収縮してできると考えられている。ガスの分布がわかれば、星の形成を知るのに役立つが、目に見える光（可視光）では観測できないので、電波望遠鏡による観測が行われている。 　国立天文台の研究グループは、ガスの分布を示す一酸化炭素（ＣＯ）分子の濃度を観測する直径４５メートルの電波望遠鏡（長野県南牧村）の受信装置を改良。これまでの２５倍の効率で観測できるようにした。０１年から観測を始め、約８０００万光年以内にある４０の渦巻き銀河のデータを集めた。 　研究に携わった中井直正・筑波大教授は「今後も観測を続けて、１００カ所ほどに増やしたい」としている。 --------------------------------------------------------------------------宇宙に輝く「真珠の首飾り」　ＮＡＳＡ公開　大マゼラン雲の中で輝く「宇宙の真珠」を、米ハッブル宇宙望遠鏡がとらえた。数十の光の粒がリング状に連なって、まるで真珠の首飾りのように見える。米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）などが２２日に公開した。超新星爆発の跡に輝く「宇宙の真珠」（中央）。爆発で発生した衝撃波が周囲のガスにぶつかり、リング状に光らせている＝ＮＡＳＡ提供　今から２０年前の１９８７年２月２３日、地球から約１６万３０００光年離れたこのリングの中心で、星の最期の大爆発（超新星爆発）が観測された。超新星爆発がこれほど地球に近い場所で起こったのは１６０４年以来で、３８３年ぶりだった。この爆発で放出された素粒子ニュートリノを世界で初めて観測した小柴昌俊東京大名誉教授は、０２年にノーベル物理学賞を受けた。 　爆発に伴って発生した衝撃波が２０年後の今、もともと超新星の周囲にあったガスを光らせ、「宇宙の真珠」を浮かび上がらせているのだという。この爆発では、地球の重さの２万倍もの放射性の鉄が周囲に放出された、と推計されている。 　リングの直径は約１光年もある。リングの中でぼんやり光っているのは、放射性のチタンが集まった超新星の残骸だ。 関係ありませんが、こちらがヘレンドの「真珠の首飾り」です（笑）。--------------------------------------------------------------------------恒星の最期の姿「宇宙の蝶ネクタイ」撮影　ＮＡＳＡ 蝶ネクタイのように広がる惑星状星雲ＮＧＣ２４４０＝ＮＡＳＡ提供 　恒星が周りにガスをまき散らし、蝶ネクタイのような形になって輝いている天体「ＮＧＣ２４４０」を、米航空宇宙局（ＮＡＳＡ）のハッブル宇宙望遠鏡が撮影した。太陽ほどの大きさの恒星がたどる最期の姿だという。 　ＮＡＳＡによると、ＮＧＣ２４４０はとも座の方向にあり、地球から約３６００光年離れている。年老いてふくらんだ星が外層部のガスを周囲に放出してできた、惑星状星雲と呼ばれるものの一つだ。 　中心には、表面が約２０万度という高温の白色矮星があり、ヘリウムや水素、酸素などが星の紫外線を受けて輝いている。ＮＡＳＡは「この形から、ガスを不規則に放出したことがうかがえる」としている。

鈍感力に賛成！

３月１日号　週刊新潮　あとの祭り　から　　　鈍さは才能　渡辺淳一　今度、『鈍感力』という本を出したが、何人かの人から、「変わった題名ですね」と言われる。　たしかに鈍いことが力とは、馴染みがなく、不思議な気がするのかもしれない。　でも、鈍感であることは、これはこれで立派な力になるのである。すぐ寝てすぐ起きる　鈍感なのがいい、とわたしが思ったのは、二十代から三十代の初め、まだ大学病院で医師をしていた頃である。　外科だったので、深夜、交通事故や喧嘩で怪我をした人が運ばれてくる。　こういうとき、医師はナースセンターからの電話ですぐに目覚め、運ばれてきた患者さんを診て、至急、適切な処置をする必要がある。　だがなかに寝起きの悪い奴がいて、何度、電話をしても起きず、ようやく起きて患者さんを診ても、即座にてきぱきと処置ができない。　とくに出血が激しいようなときには、こののろのろが致命的なミスにつながることもある。　そこで外科医に必要なのは、寝起きのいいこと。といっても、一晩中起きているわけにはいかないから、まず寝つきがよくて、かつ寝起きがいいこと。　これは、外科医、とくに救命救急センターなどに勤める医師には、絶対必要不可欠の条件である。　だから、寝つきや寝起きの悪い男は、看護婦さんたちから批判され、当然のことながら排除される。　ここで生き残るために必要になるのが鈍感力である。　多少、まわりが騒がしかろうが、気になることがあっても、すぐに眠れる。そして一旦、緊急事態が生じたら、直ちにはね起き、すぐ動き出せる。こんなとき、青白きインテリぶって、睡眠薬などを飲んでいるようでは、つかいものにならない。　また手術のときなど、上司によく叱られる。いまはずいぶん穏やかになったが、昔は徒弟制度的な厳しさが残っていて、いろいろ嫌味をいわれた。　こんなとき、いちいち気にして落ち込むようでは、つかいものにならない。　そのときはたぷり叱られても、翌日になったらケロリと忘れて、また明るく前向きに仕事ができる。そういう男でなければ、優れた外科医にはなれなかった。没頭する力　　この種の鈍感力は、一般の企業でも同じである。　上司に小言をいわれても、ときに厳しく叱られても、とにかく謝り、翌日はまた元気に出社する。こうした復元力がなくては勤まらないし、生き延びていけない。　また管理職にでもなったとき、部下の些細な癖や言動が気になり、苛々しているようでは、さらにひとまわり大きくなれない。　その意味で、それなりの地位についた人は、みな大なり小なり鈍感である。むやみに他人の目を気にせず、いい意味で自己中である。　同様に、さまざまなジャンルで、それなりの仕事をした人は、みな、鈍感力を秘めている。　たとえば前回触れた歌手。この人たちはまわりの目や思惑など無視して、どっぷりと歌の世界にはまり込むが、これこそ鈍感力以外のなにものでもない。　同様に役者。たとえばラブシーンを演じるとき、照れたり恥ずかしがっていてはなにもできない。　まわりに人がいようが、そこが煌々と明かりに照らされていようが、平気で演じられる。これもまた鈍感力のたまものである。　さらにさまざまな楽器の演奏でも、そして絵画、彫刻のような創作でも、一旦熱中しだしたらまわりを忘れる鈍感力がなければ、みなが感動するものは生み出せない。　いや、これだけではない。企業の新しいアイデアや計画、種々のプレゼンテーションも、一度やり始めたらそれ一筋に突き進む。この鈍感力がなければ、全うすることは不可能である。　敏感の隣は過敏　いま、日本人はあまりに敏感すぎるような気がする。　わずかな人間関係に苛々し、傷つき、うまく適応できない。そのまま一人で籠って鬱になり、人間嫌いになって、医師やカウンセラーを頼ることになる。　実際、企業に専属でいる医師は、かつては内科医が圧倒的に多かったのに、いまは心療内科の医師がほとんどである。　どうして、日本人はこんなにひ弱で、敏感になってしまったのか。　その最大の原因は、小さいときからさまざまな人間と接せず、一人一人過保護に育てられて自室に閉じこもり、勉強かゲームしかしてこなかったからである。　人生でもっとも大切なのは、人と人が接して体得する人間学であるのに、つまらぬ知的な学問だけを修得する。要するに、屁理屈だけ知って、人間を知らない。　そういう男女が社会に出たら、超過敏な、ひ弱な人間になることは避けられない。　敏感のすぐ先には、過敏という病的状態が待っている。　こんな時代、鈍感力はまさしく才能である。敏感でいることは簡単だが、本当に鈍感であることは、それより数倍の体力と精神力が必要である。　いまや敏感より鈍感が光る時代である。もし、「俺は鈍いかも」と思ったら、これこそ才能だと思って、自信をもって前に向って欲しいものである。

カカオ

2月14日、バレンタインデーですね。最近はチョコレートの原料カカオの産地や品種をこだわる人が増えているそうです。そして今、チョコの世界でも「テイスティング」が人気で、「垂直テイスティング」や「水平テイスティング」なるものがあるそうです。「垂直テイスティング」はカカオ豆が加工されていくプロセスの何段階かで食べ比べ、「水平テイスティング」は色々な国別（産地）で味わいを比べるのだとか。サロン・ド・ショコラ／ジャン・ポール・エヴィァンPARISの今年のテーマは「原産国への敬意」。このテーマ、素晴らしいと思いませんか？心震えるものがあります。最近は美味しさにプラスして、テイスティングという楽しさ奥深さ、そしてカカオポリフェノールの効能などが注目されチョコレートの消費は拡大傾向、またカカオの産地などへの関心も高まってきています。これらの人々の眼が増え、多くの眼がカカオ栽培の現実に向けられ、そのことがよりよい方向へ作用して欲しいと願うばかりです。

冬の終わりから春の訪れへ

また一週間ほど空いてしまいました。この一週間は忙しいとか勿論調子が悪いということでもなく、ただ何となくここには何も書く気がしなかったのです。一週間前の「ふぅ～」も写真だけで何も書いていないに等しいのですが．．．。今日もまだ書く気がしないまま。どうしてしまったのでしょう？写真は、私の、冬の終わりから春の訪れのイメージです。今日はまだ病人の回復食といった感じ？？？ボーッとしています。

ふぅ～

原作と映画のあいだ

日記に書こうかどうかちょっと迷いましたが．．．、話題の映画「愛の流刑地」を観てきました。迷う理由は勿論、恥ずかしいから。私ってなかなか正直でしょう？（笑）。本来、ちょっと苦手なタイプの映画で、原作も読んでおらず最初は観る気がなかったのですが、観ようと心変わりしたのは、関西ローカルのやしきたかじん司会のＴＶ番組「そこまで言って委員会」（たけしのＴＶタックルに似た感じ。因みに全国放送にしないのは、たかじんさんのこだわりによります）に渡辺淳一先生がゲストでご出演、そこで１時間近くも熱い恋愛論で盛り上がっていたのを見たこと。番組では前日に映画を見てきたというパネラー田嶋陽子さんの一方的な（珍？）発言に先生はただ苦笑するばかり、なかなか発言させてもらえません。その様子をあの勝谷誠彦さんがいつもと違っておとなしく小さくなって「先生、こんな発言を許してすみません」と何度も深々と頭を下げる場面も。あの勝谷さんには正直驚きました。彼のあんな姿は今までとても想像できなかったのです．．．。意外な一面を知り私の中の好感度は赤丸急上昇です。そしてもうひとつ、私が毎週買っている週刊誌の一つ「週刊新潮」で連載中の先生のエッセイ「あとの祭り」で、1月25日号「原作と映画のあいだ」を読んだから。「自分の原作が映画化されたものについて、あまり書いたことはなかったが、今回だけは少し触れてみることにする」として書いていらっしゃいます。先生によると「これまで原作が映画化されたものは数多いが正直言って納得したものはあまりなかった。所詮、映像は映像の世界で、活字の世界とは違うと思いながら、もう少しテーマに踏み込んで的確に表現して欲しいと、不満に思ったこともある。それだけに、映像化することは、自分の産んだ子供を映像の世界に養子に出すことと割り切り、その子がどのようになるかは、向こうの育て方次第、と考えるようにしてきた。」んだとか。この育て方次第という表現に妙に納得、さすがです。ところが、ところが、今回の「愛の流刑地」だけは違ったのだそうです。原作と実際はかなり変わっているところが多いとしながらも、原作のテーマをよく表現してくれて完成度も高いと讃えていらっしゃいます。脚本と演出を兼ねた鶴橋監督の功績が何といっても大きいのでしょう。肝心の映画の私の感想は．．．、無言です。私には遠い世界過ぎて、経験もなく、とても語れません。また、先生がそうも賞賛されるものを残念ながら感じ取れないのです。冬香は縛ろうとするのですよ、彼を。「本当に愛しているなら、私を殺して」、首を絞めて自分を殺させることで彼にとって最後の女性になろうとする、その心って一体．．．。ただひとつ、母親（富司純子）（本物の母娘の共演になっています）が、やはり母である娘の冬香（寺島しのぶ）を菊治（豊川悦司）のもとへ送り出すシーンがとても印象的でした。自分の姿を娘に重ね、自分の夢を娘に託した、そんな感じでしょうか。母親である強さと只ならぬ様子に心配しながらも恋する娘を応援したい気持ちが交錯して伝わり、見事でした。先生もこのシーンで思わず涙したそうです。その泣けたことが嬉しかったし、それこそが表現したかったところなのだと。先ほど、私には遠い世界過ぎて、と書きましたが、先生が涙したそのシーンを矢張り涙こそしなかったものの感じ入って観た私は、やはりこの映画にはまった、ということなのかも知れません。結びの言葉でもないけれど、先生は「情と知に悩みながらも、ほとんどの人間は、冬香や菊治のようなことはしない。事実、二人とも、しようとしてやったわけではない。だが多くの人は心の中に、もしかして冬香に、そして菊治になるかもしれない、熱くて妖しくて不気味な思いを秘めている。その秘めた一点に、わたしの小説が、そして映画が放つ矢が当たって欲しいと願っている。」と．．．。うーん、自分の知らない自分が現れるとき、ですよね。そんな時は来て欲しくもあり、来ないで欲しくもあり．．．。それより、先生が会社のオジサンＳさんにそっくりで（年齢はだいぶ違いますが）最近益々似てきて困っています．．．。今日はやたらとテンテンテンが多い日記になってしまいました（笑）。

パンク

今日の会社帰り、降っていたみぞれ混じりの雨も上がってラッキーと思っていたら、プスッ。何かイヤ～な音がしたなぁ～と思ったら自転車がパンクです。疲労ではなく何か尖ったものを踏んだのでしょう。自転車は普段通勤に使っていて年に２～３回必ず経験しますが、年度末が近づいてくるこの時期は道路工事などが多く確率が高くなります。会社を出てまだ少し走ったばかりで川も越えていないというのに．．．。行き帰りは通り道を変えているのですが、行きは下りで３０分、帰りは上りで４０分くらいの距離、その３０分くらいを残したところです。いつパンクするかは全く予想できないので、いつやってきても諦めるしかなく、潔く、でも仕方なく降りて自転車を押しながら歩いて帰って来ました。実は今日は金曜日だし会社を出たのは２０時くらいと早かったので、久し振りに回り道をして、とある木に会いに行こうと思っていたのですが、そちらへ向っている途中でなくてよかったです。とある木とは、雰囲気のある老木で今の季節は葉はみんな落ちてしまい、ただただ枝を伸ばしているだけなのですが、時々そばを通りたいと思うような、できれば話し掛けたり幹や枝に触れたりしたくなる友達のような木なのです。その木に会えなかったことは残念ですが．．．。今日は道中の障害物は一つだけ、障害物というのは「人」のことで、話し掛けたりしてくる厄介な存在の人のことです。相手は車だったり自転車だったり徒歩だったり様々ですが、年齢とともにこれは減ってきたようで本来喜ばしいことなのですがちょっと寂しいような気も（笑）。最近ジョギングをサボっている私、歩く羽目になりちょうどよかったのかも？（写真は私の自転車ではありません）

ロイヤルコペンハーゲン　ハッピーピッグ

最近、やたらあちこちで「品格」という言葉を見聞きし、ちょっとうんざりしています。藤原正彦著『国家の品格』も読む気になれないまま。うんざりしているのは「美しい」という形容詞に対してもですが．．．。この本、「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。とこの部分が有名ですが、確かに、と思うものの、下のほうがわかりやすいと思います。前にも登場しましたが、『モタさんのいい人生をつくる一日一話』の1月27日、28日に人の品性について書いてあります。1月27日　人の品性１その人の品性（品格）がより明らかにあらわれるのは、つぎのようなときです。　社内ではなく車内。　借りるときより返すとき。　酒場で美女が横に座ったとき。　所有する車の種類より走り方。　背広より靴。　店選びより食べ方。　高級レストランでではなくラーメン屋で。　間違い電話への対応。1月28日　人の品性２さらに、人の品性があらわれる情景を見てみますと。（←ここで「。」？と思われるかもしれませんが原文のままです）　 　準備よりあと片づけ。　着るときより脱ぐとき。　同意するときより反論するとき。　水掛け論のとき。　人を褒めるときより叱るとき。　注文を受けるときより出すとき。　そして、なによりも、その人がたった一人でいるとき。ねっ？といいながら、私の場合、好きな人には恥ずかしくて見せたくない部分ばかりのような気がします。備わっていない証拠ですね（苦笑）。今日の写真は、先日、ブタさんが好きと書きましたが、ロイヤルコペンハーゲンの2005年イヤーフィギュリンでハッピーピッグ、愛嬌のあるお顔でしょう？中国では、えとが「豚年」となる春節を2月18日に控えて、豚のキャラクターをテレビＣＭで使わないよう通達が出ているとか。イスラム教徒の感情を逆なでしないよう配慮した措置だそうで、企業側はてんやわんや、対応に追われているそう。わからなくもないけれど、ちょっとさみしい気がします。

UKB EARTH CLOCK

神戸空港開港からもうすぐ１年、すぐそばに伊丹（大阪）空港、関西空港があるのに（半径で25kmの範囲、管制は3空港共同になっています）、と開港まで何年間もすったもんだがあり、私も？？？と思っていた方でした。開港日は去年2月16日なのですが、これは世界中の航空関係者に航空路を知らせる航空路誌(AIP)の発行日に合わせています。会社での国内出張においては、北海道、青森、鹿児島へは提携している飛行機利用が原則義務づけられているのですが（他へは新幹線などを利用）、神戸空港が開港してからは、やはり近いこともあり時間が合えば利用する人が多くなっています。この神戸空港（愛称はマリンエア）の出発ロビーにEARTH CLOCKなるものが設置されていて、この空港のシンボルになっています。神戸空港のデザインコンセプトは「Lifestyle of Health and Sustainability」。この頭文字をとった「LOHAS（ロハス）」という言葉が流行っていた時に開港したことが伺われるのですが、この地球時計は環境共生の時代を象徴しているそうです。こちらでちょっとその時計の様子がみれるのですが、この時計、時間を計るというよりも時間を感じるという表現がふさわしいように思います。その日、その時、宇宙から見た地球が表現されている時計です。60秒に1回、10秒間だけ時間を示す普通の時計が表示されるんですが、その時計のパターンは60種類、時間へのこだわりが感じられます。一方、10日ほど前、米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」（原子力科学者会報）が、地球滅亡までの時間を概念的に示す「終末時計」の分針を、終末を示す午前０時までの残り時間「７分前」から「５分前」とする旨発表したというニュースが流れていました。この時計は1947年に核兵器の危険性を警告するために始まり、18人のノーベル賞受賞者を含むＢＡＳ誌の関係者や専門家が協議の上、時間を決定してきています。91年に米ソ戦略兵器削減条約の締結で17分前まで針が戻されたこともあったようですが、最近は進む一方。この時計、時間が戻ることはこの先あるのでしょうか。写真は何の関係もありませんがドイツ　ジッツェンドルファのお人形でスケートをしているところです。かばんの中にいる動物が可愛いでしょう？この子もとても優しいお顔をしています。この窯はドイツ北東部に位置し創業は1850年。1884年にアルフレッドとカールの兄弟により初めてレースドールが作られ、その磁器レースの美しさに定評がありますが、普通のこういうお人形も作っています。私はここのお人形の表情に惹かれることが多く、日本へはあまり入っていないのですが見かけると連れ帰ることが多くなっています。

フランスのコイン　星の王子さま

サンテクジュベリの童話「星の王子さま」がフランスで昨年出版６０年を迎えたことを記念し、コインが発売になったということで、コインなど今まで全く興味が無かったのですが「星の王子さま」につられ、注文してみました。「星の王子さま」は去年、アトムおじさんのブログで刺激を受け、大人になって初めて読み返しました。この時の日記にも「星の王子さま」のことをちょっと書きましたが、それ以来、非常に強く頭の中に残っているのです。この本、日本では05年に岩波の版権が失効し、新訳本の発売が相次いで１年で約100万部も売れたそうです。コインは、おなじみの絵がデザインされた三種セット、金貨と銀貨が販売されていますが、私が注文したのは銀貨の方です。私が注文した時点ではこの銀貨のセットが売れ筋ランキング一位、次いで金貨のセットが二位と、この22日に発売になったばかりだというのに売れ行き好調のようです。フランス　星の王子さまフランス版発刊６０周年記念コイン　銀貨三種セット　2007年　プルーフ 国名 フランス 発行年 2007年 額面 １-1/2ユーロ 状態 プルーフ 発行枚数 各3000枚 直径(mm) 37 銀 重量(g) 22.2 品位 .900 コインを注文するに当たり、ＨＰをみているとコインに関する色々な情報（収集するために必要な豆知識、用語集、収集の魅力、コインの最新情報等）が載っており、ついつい見入ってしまいました。特にコイン収集家の方が収集の魅力を語っているコーナーは、それぞれの熱い思いが伝わってきてこちらまでじーんとくるものが．．．。それで、ついつい星の王子さまのコインと一緒に注文したのが以下のの3点です。ラオス　干支猪図　15000キープ銀貨　2007年　プルーフ （これは予約です）国名 ラオス 発行年 2007年 額面 15000 状態 プルーフ 発行枚数 8888枚 直径(mm) 38.70 銀 重量(g) 20.00 品位 .999 豚さんが可愛いでしょう？豚は好きなモチーフで、一昨年のロイヤルコペンハーゲンのラッキーフィギュリン（磁器製）も豚さんで迷わず購入しています。豚がいるということは、繁栄、富、裕福、多産、すべてにおいて相応の成功を意味すると信じられているそうです。ベラルーシ　2006年　20ルーブル銀貨　プルーフ 国名 ベラルーシ 発行年 2006年 額面 20ルーブル 状態 プルーフ 発行枚数 20000枚 直径(mm) 38.61 銀 重量(g) 33.63 品位 .925 これはとってもハートフルな感じのコインでしょう？バヌアツ　＜カクレクマノミ形＞　50バツクリスタルカラー銀貨　2006年　プルーフ国名 バヌアツ 発行年 2006年 状態 プルーフ 発行枚数 2000枚 銀 重量(g) 31.10 品位 .999 こんな形でも、コインなんですね。あまりに可愛らしくこれもつい．．．。

映画　マリー・アントワネット

今日、映画「マリー・アントワネット」を観てきました。本当は「硫黄島からの手紙」を観ようと思っていたのですが、時間のすれ違いでこちらになってしまいました。この映画は、キュートでポップ、豪華で綺麗、そんな感じでした。ストーリーに重み、深みは感じられず、あくまで軽いタッチでまるで青春ドラマのように描かれています。何も知らない人がこの映画だけで彼女を理解しようとしたなら、見誤りそうです。14歳で異国フランス王室に嫁ぎ、18歳で王妃となったマリー。贅沢三昧の享楽生活で憂さ晴らししながら内外のプレッシャーや、やっかみ、孤独と立ち向かう姿が描かれていますが、この映画の見所は、フランス政府全面協力のもとベルサイユ宮殿で撮影されているのですが、マリーとルイ16世の結婚の儀が執り行われた聖堂、不満を募らせ詰め寄る民衆にマリーが頭を下げたバルコニーなど、歴史に残るシーンの数々が実際に彼女らがそれを行った場所で撮影されていることでしょうか。マリーの寝室から、｢鏡の間」、｢平和の間｣、｢ヘラクレスの間｣、｢オランジュリー｣、｢プチ・トリアノン｣など、通常立ち入り禁止になっている部屋もこの映画で観ることができます。豪華なドレスに靴にアクセサリー、カラフルなケーキやお菓子、美しい室内装飾、女性なら見ているだけで幸せな気分になってしまう、うっとりするような光景の連続、音楽が私には？？？でちょっと耳障りに感じてしまったのですが、それでもhappy気分に浸った数時間でした。「硫黄島からの手紙」はできるなら映画館で観たいと思っているのですが、どうなることやら？

エリザベート

　　　　　　　　　　　　　　こんにちは。今日何日か振りにブログの管理画面を開いて、一瞬？？？。あれっ？これってどうなっちゃったの？って、あまりの変更に戸惑いました。何だか前の方のがいいなぁ～と思うのですが．．．。いただいたコメントなどの新着情報が表示されなくなってしまったんですね。今まで、随分前（例えば一年前とか一ヶ月前）に書いた日記へのコメントなど時々いただくこともあったのですが、これからは気付かずにそのままになってしまいそうです。これまでも中に気付かずそのままになっているものがあるのかもしれませんが．．．。今日は、ルキノ・ヴィスコンティ監督の「ルートヴィヒ～神々の黄昏」のＤＶＤを注文してみました（楽天では売り切れでしたので他で注文）。この映画にエリザベートが登場します。世界に絶世の美女といわれる人は数多くいますが、私が一番好感を持つのはエリザベートです。映画はルートヴィヒの半生を描いたものですが、彼はオーストリア皇帝フランツ・ヨゼフの妃である従姉のエリザベートを慕って、エリザベートと共に野山を馬で走り、音楽や詩について語り合ったそうです。（後にルートヴィヒとは、自分に恋していることを知ったエリザベートは自分の妹と婚約させようと試みますが彼にその気は無く婚約は破棄され、怒った彼女と段々疎遠になります）ウィーンでの宮廷生活よりもハンガリーの自然を愛し、自由奔放でおてんば、愛らしいイメージのシシーですが、孤独な人生でもありました。美しい美貌と皇妃という立場、華やかで何不自由のない生活、これ以上無い幸福を勝手に想像してしまいがちですが、1854年16歳で結婚した彼女は、第一子、まだ2歳のゾフィーを1857年、最初のハンガリー旅行の途中、赤痢で亡くし、1858年に一人息子が誕生していますが、1889年に自殺（暗殺説もあるようです）してしまいます。彼女は1898年9月、旅行中のジュネーヴ・レマン湖のほとりで暗殺され死を迎えますが、息子の死以来ずっと自分を責め続け喪服を脱ぐことも無かったそうです。エリザベートは詩人ハインリッヒ・ハイネを尊敬し、1880年代から詩作に耽るようになりますが、その詩には彼女の孤独が深まっていく様子が表れているそうです。写真は以前の日記に一度登場していると思いますが、エリザベートの肖像画、油絵です。美しいながらどこか悲しみの表情をしていると思いませんか？

ヘレンド　マリアテレジアの大皿

一週間ぶりぐらいの更新です。皆さまに対して非礼なままで申し訳ありません。また順次伺いたいと思いますので宜しくお願いいたします。ちょっと忙しかったのと疲れ（←何に対してだろう？）とＰＣのインターネット接続がここ数日おかしかったりとで、日記未記入率は現在３４％と記録更新中です（苦笑）。これでは、数字が逆転する日も近いかも！？そうならないように、とは思っているのですが．．．。今日の写真のお皿は、ヘレンドの「マリアテレジアの大皿」と呼ばれるもの。直径88.5cm、重量13Kgある大作で、オリジナルは1862年のロンドン万国博覧会出品に合わせて制作されました。その後、損傷を受けたようですが、現在ブダペストの工芸美術館内に飾られています。このレプリカが５個だけ限定制作され、販売されています。以前、大阪高島屋の大ヘレンド展でそのうちのひとつが置かれていて、マジマジ見詰めた記憶があります。おそらくこの作品がヘレンドの製品の中で最も高額な商品だと思います。今、手もとにあるカタログは何年も前のものですが、そこには３６百万円（税抜）の文字が．．．。（現在の価格はわかりません）このお皿に描かれた細密画は、マスターペインターが半年間かかりっきりで描いたとされています。また焼成にしても、これだけ大型作品となると非常に慎重に慎重に事を運ばなければならなかったと思います。そのことを考えると、この価格、考えられなくもないのですが、実物を見て相応の感動があったかというと考え込んでしまいます。制作された５個のうち、いくつ売れたのでしょうか？ちょっと気になります．．．。

ロイヤルコペンハーゲン　フローラダニカのレースボウル

今日は1月7日、人日の節句です。朝、七種粥を食べることから七草の節句とも言ったりしますね。新年になって初めて爪を切る日でもあります。七種とは、春の七草で、芹（せり）、薺（なずな）、御形（ごぎょう）、繁縷（はこべら）、仏の座（ほとけのざ）、菘（すずな）、蘿蔔（すずしろ）。邪気を祓い一年の無病息災を願っていただく古く中国から伝わった風習です。当初は米、粟、きび、ひえ、みの、胡麻、小豆で七種だったようです。「医食同源」の知恵が生かされていて薬膳効果もあり、中国らしいな、と思います。春の七草、自分で全部用意できたらいいのですが、なかなか難しい．．．。草は幾つか近所の道端でも調達可能ですが全部一度には揃いません。蕪や大根も葉っぱ付きで買おうと思うと昔ながらの八百屋さんへ行かないと難しそうです。スーパーマーケットでは７草を刻んでセットにしたものが売られていますが、数年前に一度使ってみたきり使おうとは思いません。ということで、今年も七種粥はおあずけです（もともと朝食抜きの私です）。やはり前日6日の晩から用意するその過程を、出来たら楽しみたいですよね。「君がため春の野に出て若菜摘む わが衣手にゆきはふりつつ」光孝天皇が詠んだ百人一首に出てくる若菜とは春の七草のことです。この摘むという行為こそ大切に思います。　 今日の写真は、七草とは関係ありませんが、ロイヤルコペンハーゲン　フローラダニカのレースボウル。楕円の形をしています。数cmのヘアクラックが入ってしまっているものを承知で購入致しました。日本人は特に完璧を求める方が多いように思いますが、磁器に多少の欠けやヘアクラックはつきもの、それよりも描かれた絵や造形を愛でる気持ちのほうが私には強いです。ヘアクラックがあるということは、難もの扱いです。だけどそれがあったおかげで見送った人が多くいたに違いありません。そう思うとあってよかったとさえ思えます。植物図譜集『フローラダニカ』のことについては、昨日の日記にも書いたのですが、1761年に刊行が開始され、1883年まで120余年をかけて正編５１巻、補編３巻の計５４巻に全3240図を収録して完成しています。当時、出版物の通例として、各巻は未製本のままで刊行されたのですが王室に納める数セットのみは全巻が揃いとなるよう出版時ごとに各巻共通の装丁で製本され、それぞれの皮表紙には王家のしるしが金箔で刻印されました。現在、ロイヤルコペンハーゲン美術館が所蔵する初版の図譜集のセットは、この王室用に納められた特別な装丁のもので、出版当時にロイヤルコペンハーゲン磁器製作所に寄贈されたもののようです。ロシア エカテリーナ二世へ贈るため1790年から制作が始まったオリジナルのディナーセットは、1802年、エカテリーナ二世の死により製作は中止されますが、その原画となったのは制作が中止されるまでに刊行されていた『フローラダニカ』第一巻から第二十一巻所収の中から選ばれています。図譜集自体はこのオリジナルのディナーセットの制作中止以降も刊行され続けました。19世紀から今日にかけて制作されたフローラダニカの中には、第二十二巻以降の所収図譜を原画としている例も多くみられます。この写真の磁器に描かれた植物は、may-rose。今度、何巻の何番目に描かれているか調べてみたいと思います。

ロイヤルコペンハーゲンのうさぎとフローラダニカのブローチたち

なんだか久し振りの磁器です。私は、まだほんの小さな子どもの頃、陶磁器製（陶器か磁器かは不明、覚えておりません）の２羽の白いうさぎの置物でよく遊んだものでした。保育園に行く前の記憶などは殆どないのですが、そのうさぎさんたちで遊んでいたことは何故か鮮明に覚えています。何よりもお気に入りで放さなかったようです。いつも一緒でした。写真のロイヤルコペンハーゲンのうさぎたちは仲睦まじく寄り添いくっついていて離れませんが、昔遊んだうさぎは２体で、小さいながら何かしらストーリー（幼稚なものです）を作って一人二役で動かしながら遊んだものです。今、そのうさぎたちは残念ながら手元に無く、写真の中に残るのみです。大切に大切にしていたのですが、多分壊してしまったのでしょう。私が壊したのでなく家族の誰かが誤って壊してしまったのかも知れません。このロイヤルコペンハーゲンのうさぎを初めて見たとき、あの頃の記憶が甦りとても愛おしい気持ちで一杯になりました。３つのブローチは実際に使うことはありませんが、小さいながらやはりフローラダニカで、植物図鑑を忠実に写し取ってあります。（手前のゴールドのペンダントもやはりフローラダニカという名で、本物のパセリを処理してゴールドを被せてあります）ロイヤルコペンハーゲンと言えば、ブルーフルーティッドと並んでパッとフローラダニカ（デンマークの花（植物）の意）を思い浮かべる人も少なくないでしょう。フローラダニカは1761年から刊行され始めた植物図譜集の書名でもあります。この『フローラダニカ』の編纂に最初に携わったのは、ドイツの医学者ゲオルグ・クリスティアン・エーデルという人です。彼はデンマーク国王フレドリック５世からの招聘を受けて、1752年に王立コペンハーゲン大学の教授に就任し医学を講じていました。王室の当初の意向は、彼に植物学の専任教授として新たに開設される講座を担当してもらうことにあったようですが（当時、植物学は薬草の研究など医学の一部でした）、大学内で強い反対があり実現しなかったようです。フレドリック５世は大学からは独立した王立植物学研究所を創設しエーデルを招いています。1753年、エーデルはフレドリック５世に、薬用植物や有毒植物のみならず当時のデンマークに生育するあらゆる野生植物の写生図譜『フローラダニカ』を編纂、刊行するという壮大な計画を進言します。1761年、第一巻が出版され、以後、1771年刊行の第十巻まで、エーデルが責任者をつとめています。この間の1766年に王位はフレドリック７世に継承されていましたが、各巻に６０葉の図譜を収め、ほぼ一年に一巻のペースで刊行はそのまま継続されました。そうして正編５１巻、補編３巻の計５４巻に全3240図を収録して完成しています。植物というと、草花のイメージが強いかもしれませんが、種子植物、羊歯類、コケ類に加え、菌類や藻類までが収録されています。この『フローラダニカ』は、各巻に収録された植物の選定基準が不分明で編集方針が読み取れないようですが、1950年、『植物図譜の歴史』を著した植物学者のウイルフリッド・ブラントは、その著書の中で「かつて編纂された一国の植物誌ではもっとも見事なもののひとつ」と評しています。この植物図譜原画作者のひとり、J.C.バイエルは、後にロイヤルコペンハーゲンの絵付師となっていますが、王室の命により図譜に収録された全ての植物を器に描く仕事が与えられました。ロシア エカテリーナ二世へ贈るディナーセットの絵付けです。エカテリーナ二世は熱心な芸術の擁護者でしたし植物学をはじめ自然科学にも深い関心を寄せていましたので、とってもお似合いですね。また当時のデンマークとロシアは共通の敵国であったスウェーデンに対抗するため不可侵条約を結んでいますので、両国の関係をより一層強める役割を担う筈だったのかもしれません。限定１セットの稀少で美しいディナーセットは、1802年、ディナーセットとしての完成を目前にエカテリーナ二世の死により製作は中止され、1802点の完成品が残されました。この最初のフローラダニカは火事や盗難、損壊などをくぐりぬけ、200年を経た現在1530点が残り18世紀の磁器コレクションとして世界的に貴重なものとなっています。下は、私の持ちものではなく図録を写真に撮ったものですが、こういう菌類も描かれたりしていました。現在ショップの店頭には並ばない貴重な器です。この原画は、図譜『フローラダニカ』の第十一巻第５７図です。『フローラダニカ』には有毒植物も描かれていますが、食器には、きのこの場合は基本的には食用のものばかりを描き、毒きのこは描かれていないようです。

作者不詳の油彩「母子像」63×47ｃｍ

昨日は昔からの友だちとその子どもと一緒に神戸空港近くの神戸花鳥園なるところへ出かけてきました。この前会った時には、まだほんの赤ちゃんでハイハイさえできなかったのに、既によちよち歩きを始め片言の言葉も発するようになっています。半年ほどの間の成長を思うと、なんだかこちらが恥ずかしくなってしまいました。幸運を招くとされるふくろうも多く飼育されていて、その子、のんちゃんは初めて見る鳥たちに興奮の様子、特にあまり動きの無いふくろうに強く反応し、奇声を発しては皆の注目を浴びていました。小さいながら、また多くを吸収したのだろうと思うとちょっと羨ましくもありました。私も肖りたいです。このお正月は本を読んだり随分ゆったりと過ごしましたが、今日でそれも終わり、明日５日から又会社です。仕事は年末の続きの四半期決算処理から、明日は実働一日でバタバタですが、草木一新、新たな気持ちでスタートしたいです。今日の写真は、日記のタイトルどおり、作者不詳の「母子像」です。のんちゃんの写真を載せようかとも一瞬思ったのですが、やめておくことに。その代わりの母子ということで、この絵を載せてみました。去年の秋にとあるオークションで落札、やってきたものなのですが、実はまだその荷さえ解いておらず放っている状態です。いつほどこうかと思っているのですが、それさえなかなかです。これは単に私がぐうたらなんでしょうか？改心しないといけませんね．．．。

梅の花

会社のオジサンから、おめでとうのメールと一緒に梅の花の写真が届きました。おそらく去年の春、出掛けた際の写真だと思いますが、梅の花が大好きな私はとっても嬉しくなりました。まだ開花には一ヵ月半ほど早いですが、とても待ち遠しいです。Ｊ．Ｋさん、綺麗なお写真、有難うございます。初春、春の兆しといえば梅の花、春の足音が聞こえてきますよね。場所は上が京都北野天満宮、こちらは言わずと知れた誰もが知る名所ですね。飛梅伝説も有名です。下は兵庫県の田舎、とってもローカルです。兵庫県の西部、瀬戸内海を臨む綾部山、ここには24haにも及ぶ丘陵に「ひとめ２万本」と称される梅林が広がっています。綾部山梅林は年間約90トンの梅の生産量を誇り、果樹と観光を兼ねた知る人ぞ知る梅の名所です。その綾部山梅林と隣接する形で位置するのが世界梅公園、そこの写真です。ここには日本、中国、台湾、韓国の梅が約350種類（内、外国種が60種類程）、1500本程が植わっています。本数はともかく、これだけの種類が見られるのは、おそらく日本国内でも珍しいはず．．．。瀬戸内海を行き交う交通の要となってきた「室の泊」は、鎖国時代にも朝鮮通信使やシーボルトが訪れた国際都市でした。室町時代には朝鮮の外交使節がお寺の庭の梅を讃える漢詩をつくるなど、この辺り、古くからの梅どころとして有名なのです。ちょっと話がそれますが、帆船時代には瀬戸内海の重要な港として栄え、我国の遊女発祥地として遊女に関する色々な伝説や悲話が残っている港町でもあります。江戸時代には参勤交代の両国諸大名の乗船、下船地として賑わい箱根に次ぐ大きな宿場として「室津千軒」と呼ばれたそうです。梅のお話に戻って．．．、弥生時代中期にはすでに大陸から日本に渡来していたらしい梅、この園内の建物は、江南の杭州市園林文物管理局の技術団によって設計・施工されたもので、梅資料館・楼閣・亭軒・山門など、一つ一つがどれも本格的な中国建築物、ちょっと異国情緒の漂うところです。梅資料館は尋梅館（じんばいかん）だし、展望台（楼閣）は唐梅閣、山門は雪海香濤（せっかいこうとう）、休憩施設は来鶴軒など、建物の名前も中国風。梅のシーズンに合わせて、ふもとの休耕田では数年前から菜の花栽培も行っています。梅の花咲く丘陵から見下ろす黄色い絨毯、イメージするだけでもう春色、夢世界です。今年の春は是非私も、と思っています。

新年おめでとうございます

皆さま、よいお年をお迎えのこととお慶び申し上げます。こちらでは暖かでおだやかなお正月となりました。毎年、年越しは、ゆく年くる年が始まる時間くらいから瞑想を行うことを恒例にしておりましたが、今回は大晦日の夜、早い時間だったのですが、ほんの少し横になるつもりがそのまま熟睡してしまい起きる事ができず、初めの初めからくじけてしまったような、そんなスタートになってしまいました。情けないやら、まぁ、こんなものかと思ったり．．．。でも既に過ぎ去ってしまいましたので、今度は、終わりよければ全てよし、を目指すしかありませんね。「草木一新」の気持ちで頑張ろうと思っています。今日は、はつ夢を楽しみに休みたいと思います。本年も変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。大切な皆さま方のご健康とご多幸を心よりお祈りいたします。

やっと復帰です

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　みなさま、ご無沙汰しております。予定より２日ほど遅れてしまいましたがなんとか通常に戻れました。またよろしくお願いいたします。いただいておりましたコメントへの返信も本当に遅くなってしまい申し訳ありませんでした。もう今日が大晦日。気分的に全然お正月ではありません。大掃除もまだなんです。今日も忙しい一日になりそうですが、とりあえず眠ってから．．．。みなさまのところへは後ほどゆっくり伺いますね。新年のご挨拶になってしまうかしら？それでは、どうぞよいお年をお迎えくださいませ．．．。今年は本当に色々と有難うございました。深く感謝いたします。

Joyeux Noël

天使のカード、上のＮＯＥＬからＮをとって、下のＶを追加、入れ替えても素敵な文字になりますね♪

ご心配をおかけし申し訳ありません。もう少し．．．。

お久し振りです。ちょっと自宅でＰＣに向えない状態が続いております。いただいております皆さまからのコメント等への返信さえできておらず、大変申し訳なく心苦しく思っております。元気は元気にしております。年が明けるまでには戻れると思います？ので、もうしばらくお時間をください。早く皆さまのところへもお伺いしたいと思っております。それでは、どうぞ皆さま、素敵なクリスマスをお迎えくださいませ。メリークリスマス☆ドイツ　ローゼンタール　ビョルンヴィンブラドさんデザインのグラスとクリスマスベル。ベルは幸せの音色です♪　

Person of the Year: You

米タイム誌は、1927年から毎年末に、世界に多大な影響を与えた人物をパーソン・オブ・ザ・イヤー（2000年まではマン・オブ・ザ・イヤー）として選んでいます。 色々と候補は挙がっていたようですが、今年の「パーソン・オブ・ザ・イヤー」に「あなた」を選びました。「インターネットが普及し社会での影響力を増すなか、新たな時代を形作っているのはその使い手ひとりひとりだ」としています。 ブログや動画投稿サイトのYouTube、それにソーシャル・ネットワーキング・サイトのMySpaceといったインターネットのユーザー自身が作り出すコンテンツの爆発的な広がりとその影響力を評価したものだそうです。私自身、みなさまのブログにお邪魔させていただき、そこで多大な影響を受けています。色々なことを教えていただき、感謝の気持ちで一杯です。こんな世界に混ぜていただけるなんて何てありがたいことでしょう。ブログに関しては、つい先日、米Gartnerが2007年以降のITトレンドについて10の予想を発表していましたが、その中のひとつにブログのことが入っていて、「2007年前半にブログやコミュニティーの投稿者がピークに達する」としていました。2007年前半のブロガー数のピークは1億人前後になる、というものです。あと、私は参加していないのでよく解らないのですが、日本ではmixiが流行語大賞TOP10にも選ばれていましたよね。こういう世界、まだまだ広がりをみせるのでしょうね。12月25日号のタイム誌の表紙はパソコンのディスプレイ部分が鏡仕立てになっていて、雑誌を手に取った読者一人一人の顔が映るしかけになっているのですが、なかなか考えましたね。だけど、私は、この鏡、見る自信がありません。ぐにゃっと歪んだ顔が写りそうです（笑）。ちゃんと真っ直ぐ覗き込めるよう心掛けたいものです．．．。

ノーマンロックウェルの世界　Norman Rockwell"Is He Coming"

ノーマンロックウェル（1894－1978）のX'masフィギュアで「サンタは来るの？」です。クリスマスイヴの夜、煙突からサンタが来るのをこっそり見に来た姉弟。弟は暖炉から煙突を覗き込んでいます。お姉さんは見張り役でしょうか？暖炉前では猫が様子を見守っています。ああ、そんなに顔を近づけて覗き込むと、お顔がすすだらけ真っ黒になって見つかってしまいますよ．．．。今日は12月16日、中途半端な日にクリスマス？とちょっと不思議に思われるかも知れませんが、下の写真（２枚目）、このお人形の底をご覧下さい。Life Magazine-December 16,1920 となっていますでしょう？この文字があったので今日にしてみました。ノーマンロックウェルは、1913年 19歳でボーイズ・ライフ誌のアートディレクターになっています。 ノーマンロックウェルはアメリカ、ニューヨーク生まれの画家、イラストレーターです。どなたでもどこかで彼の描く絵をご覧になったことがあるのではないでしょうか。アメリカの人々が夢見た幸せなアメリカを描いてあまりにも有名ですね。彼はサンタクロースモチーフの作品を数多く残しています。子供の頃誰もが信じて来てくれるのを待っていたサンタクロース、世界中の子どもたちだけでなく大人も大好きなのは、プレゼントを持ってきてくれるからではなく「夢」そして「愛」を配ってくれるからなのでしょう。下の写真は2004年ネビス発行の切手ですが、この絵がこのお人形のモデルになっています。「わたしが持っているものといったら絵を描く能力くらいで、　それが自分の全てである以上、それを自分の生涯にしようとした。　私は描いて描いて、描きまくった。」ノーマンロックウェルの言葉ですが、彼の絵は本当に多くの人を幸せな気持ちへと導きました。生涯に2000を超える作品を描いていますが、1943年に彼のスタジオで起きた火事で多くの作品が焼失し、残った作品も殆どが美術館の所蔵品となっています。また彼に作品を依頼して表紙などに使った雑誌で完全な状態で残っているものは極めて少ないため、発見されると数千ドルの値が付く人気となっています。私は、こういうお人形や葉書、絵がプリントされたタオルなどで彼の描く世界を楽しんでいます。心温まる彼の絵が大好きです。みなさまも、よかったらインターネット美術館で彼の世界を楽しんで下さいね。自画像