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間で1つ登拝系を挟みます、『古代日本の宮都を歩く 』。
古代から平安京に至るまでの日本の都についての背景や考察を記したものが本書です。 冒頭では古代日本における「峠」について、著者自身が興味を持った経緯などを記し、そして第1章よりいきなり飛鳥時代の天皇家の婚姻関係について述べています。 しかも、本文が始まって3行目で「近親結婚」という語彙が出てきて、続いて「オンパレード」とあります。 この語彙を見て、私は「そう言う解釈でいいのか」と逆に納得。 私の場合はこの時代の系図を見てもかなり複雑すぎて、脳みそは常にカオス状態だったので、そのような観点で見ていくともう少し脳みそが整理できるのかもと思ったわけです。 この時代対極にあるのが、中国で「同姓不婚」だったそうです。 この日本の婚姻関係の在り方は「血縁者間の婚姻が純血を守り伝える最上の策」と考えられていたからと考察しています。 この在り方については、斉明天皇の時代に始まったそうで、著者が述べるには、蘇我氏との血のつながりが彼女はなかったことより、蘇我氏との関りを意図的に絶ち、皇親勢力の強化を図ったことへの反映とありました。 その後は斉明天皇がゴッドマザーであったということが語られ、その時の都についても考察されています。 斉明天皇と言えば、私の中では「牽牛子塚古墳」というのが第一頭に上がってきますが、確かに我が子と一緒に古墳内で眠っていたりと、そのマザーぶりが本書のように説明があるとなるほどと思ってしまい、古墳の見え方もちょっと変わって来たと思いました。 そして、宮滝遺跡の造営も彼女がスタート。 これまで点でしかなかった知識が、本書を読むことで何となく線でつながってきました。 更には壬申の乱のことなども、天皇家の内輪事情について深く書かれていますが、それを書き始めると半端ない量になるので、割愛。 (持統天皇周辺のことにつながっていきます) いきなり、長岡京まで、いや桓武天皇まで話はとびますが、先日お参りした早尾神社において、桓武天皇はこの近辺を狩りでよく来ていたということが説明されていたとありましたが、そのことについて、本書でがっつり触れられていました。 まぁ、このタイミングは素晴らしい(笑)。 桓武天皇は西山だけでなく、とりあえずあちこちに動き回る人だったようです。 本書ではどこに狩り(や行幸)に行ったかということが一覧で表されています。 私の中での桓武天皇の印象は、怨霊におびえながら引きこもり生活をする人だったので、全くそれを覆す内容で脳内イメージを完全にアップデートしました。 また、桓武天皇は今で言うところの「終活」をちっきりとされた方でもあったようです。 と平安京に至るまでの天皇と都に関する考察が連綿と述べられている訳ですが、私としては完全に脳みそにある知識のアップデートになりました。 ページ数がかなりあり、読み応えがあるのもなかなかです。 実際には1300年前のことなどは分からないのですが、それでもそう思わせてくれる説得力を感じました。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月12日 06時33分27秒
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