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自閉症スペクトラムを持つ息子とその家族の育児日記『 はだしの天使』。
私はいつも利用するとことは異なる図書館で目にして連れて帰ってきました。 初版を確認すると2004年となっていましたので、『光とともに』と同じような時期に出版されていたのだということを知りました。 現在は電子書籍のみでの販売になっているみたいです。 自閉症スペクトラムは周囲からなかなか分かりづらい疾患です。 そして、他の病気もそうなのですが、分かりづらい上に症状として出てくるものがひとりひとり異なるのでこのような育児日記は幾つ読んでも同じようなものになりません。 それこそ、『光とともに』の光くんと、ここで中心となるユウタくんは異なった特性をします。 私がこれを読んで感じたのは時代は確かに進んでいるんだなということ。 わずかずつではありますが、いい意味で進化しているということ。 先にも書きましたように、こちらは2004年刊行ですが、モデルとなっているユウタくんはこの時点ですでに成人を迎えています。 ただ、1980年代時点の社会状況ではなく2000年頃に焦点を合わせて、物語を展開させているのかなとは思ったりもしてるのですが、どちらにしろ、現在とは異なっている点が幾つか見受けられました。 その1つが現在の「保育士」を指す言葉が「保母」になっているということ。 いやーーー、重箱の隅をつつくと思われそうですが、今や「保母」は一般的には死語になっており、使う人と言えばかなりご年配の方(私の親世代)の一部です。 「保育士」が定着しているということというのはとても大切で、だからこそ、現在男性の保育士も割合的には少なくとも散見するようになった訳です。 保育士と言葉を変えずにこの職業を男性にも開放したとしても、男性はこの職業に目を向けなかったと思います。 それは「看護師」も同様なのですが。 そして、療育に関すること。 本書ではユウタくんは療育を行う施設に週に2回通園します。 その過程で3歳児になった時に幼稚園への転園を考えるように母親はなります。 しかし、この時点で療育に通いながらの幼稚園への通園はご法度。 週2回の通園では子どもにとっても刺激が少なく今後のことを考えたらもっと子ども達同士を触れ合わせたいと考える保護者は療育には内緒でこっそりと幼稚園へも通わせているという描写がありました。 現在では療育に通いつつ、一般の幼稚園や保育園に通園するお子さんがほとんどです。 こっそりとということは全くなく、逆に療育での指導をどのように通常の園でも活かせるのかということを通常園での保育者は保護者からその情報を得るようにしています。 この作品の中での療育を行っている施設は、施設内での訓練とは異なることを通常園で行われると子どもが混乱するというのを理由にしていますが、今はそうではないことを保育者同士が認知しています。 もちろん、上手くいくこともそうでないことも多分にありますが、何よりも保育者という大人からではなく、子どもは子ども同士で学ぶことって多いんですよね。 訓練するということはそこの保育者にとっては子どもに「教える」という意味合いが強くなるのだと思います。 それは学校と言う場の学習と同義語となりますが、乳児さんに「教える」って言ってもそれは障害を持っていようとそうでなくても、違うと思います。 一般の家庭で子どもに生活習慣を身に付けさせる過程において、親がわざわざ「教える」という認識で接しているかと言うとそうではなく、案外気づいたら子どもがやっていたという方が多いのではないかと思います。 「学ぶ」とは「真似ぶ」をいう言葉から生まれたものと言われています。 家庭の中では親のことを見て出来るようになり(その速度は個々によって異なりますが)、外では子ども同士で刺激し合って出来るようになるということなのだと思います。 とは言え、やはり療育のプロのいる施設では個々で異なる特性を持つ子どもにとってどのようにしたらコミュニケーションが取れるかと言うことについては親がまさに教えてもらうには、そして同じような特性を持つ親同士のコミュニケーションの場には必要なところ。 今、そこまでようやく到達しつつあるのだということを本書を読んで実感したわけです。 もちろん、まだまだ世間には理解されていない部分の方が多々あります。 が、4巻以降って本書はあるのかなーーー。 って調べたら打ち切りになったようです。 しかも、かなりこの作品に関しては批判的なものが多く(汗)。 でも、私が記した上記の内容、とりわけ現在の状況に関しては事実ではありますので、素直な感想としてこのまま本日の記事としてアップしておきます。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月14日 06時41分26秒
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