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ガイドブックではあります、『企画展だけじゃもったいない日本の美術館めぐり』。
タイトルの頭にもあります「企画展だけじゃもったいない」というのが肝でして、「企画展だけじゃない」ということは、つまり「常設展が凄いのよ」ということになります。 更にもっと飛躍的に言えば、「常設展」=「所蔵品」ということで、その美術館が所蔵している美術品や絵画が凄いのよということなのであります。 特別展や企画展で目にするのは所蔵品も一部ありますが、多くがあちこちの美術・博物館からテーマに沿ったものを貸してもらって展示している訳です。 まぁ、ぶっちゃけレンタルですね。 それが悪いという訳ではなく、そのテーマに沿ったものが一堂に並ぶということはそれだけでも凄いのは間違いないことです。 それらを企画した学芸員の腕の見せ所になりますし、何よりも学芸員の人脈がものを言う訳です。 だから、それはそれで凄いことなのであります。 ただ、所蔵品と言いましても、常に常設展にそれらが全て並んでいるかと言うと否でして、常設されているものはやはりその一部なわけであります。 それでも、企画展のついでに行くとここの美術館はこれを持っていたのかーーーーと驚かされることはしばし。 例えば本書でも掲載されていますひろしま美術館。 この時は、ヨシタケシンスケ展で伺ったのですが、常設された作品を目にしてびっくり。 教科書で学んだ画家さんのオンパレード。 モネ、ルノワール、ゴッホなどなど。 灯台下暗し。 実家にまだいる学生の時に行っていればよかったと思ったものでした。 それから、東京で公開されるということで上京して鑑賞した菱田春草の「黒き猫」。 こちらは熊本県立美術館のものであることを本書で知りました。 こおガイドブックで知ったのですが、この「黒き猫」は春草が目を患いながらも描いたもので、しかも亡くなる1年前の作品。 その背景を本書で知って、絶句でした。 そのようなものを背負って描かれているような作品ではありません。 大山崎山荘美術館のモネの「睡蓮」三作は巷では有名ですが、本書の最後の方に「日本各地のモネ<睡蓮>をめぐろう」ということで、全国にモネの「睡蓮」が所蔵されている美術館が一覧となっていました。 モネってどれだけ「睡蓮」を描いたんねんって突っ込みたくなります(笑)。 私の記憶が正解だったのも本書で明らかに。 私が初めて見た「睡蓮」は倉敷市にある大原美術館。 大山崎山荘で「睡蓮」を目にして、私が目にした「睡蓮」は記憶違いだったのだろうかと初めてそこに焦点がいったのですが、その後のリサーチで「睡蓮」は1作ではないことを知った訳です。 が、大原美術館と大山崎山荘以外にもあったとは!!! 本書に記されているだけで、ざっと12館。 ついでに、モネの「睡蓮」は200作位あるということを本書で知り、腰がぬけました。 そんなに描いたんかいーーーー!!!! というわけで、ガイドブックと言って侮ることなかれ。 普段特別展・企画展に美術館に通う人なら、是非一読を! にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年03月15日 06時45分57秒
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