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ブックアドバイザー木村綾子の日々の徒然

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2024年05月12日
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『​神になった日本人 ​』はタイトル通り、神として祀られるようになった人たちを取り上げています。



いちばん分かりやすいのが、菅原道真。
本書によると、神に祀られた人には菅原道真のように「祟り神」を鎮める思想、それから天寿を全うして亡くなった権力者や偉人「顕彰神」の2パターンに分かれるそうです。
顕彰神には空海だったり、豊臣秀吉だったりと書けばイメージしやすいでしょうか。

その豊臣秀吉は何と生前に「死んだら自ら神になる」と宣言して、家臣や一族に祀らさせた第1号だとか。
そして、その後に続く徳川家康もまさにそれ。
その過程がどのようなものであったか、本書では記されています。

空海に至っては、「続日本後記」において「荼毘に付された」と記されているにも関わらず、その100年後辺りから、入定されたと当時の書物が書き換えられていき、200年後にはついにそちらの方向に完全にシフトされているということが書かれていました。
そのようにした立役者が「高野聖」。
本書を読み終わった後、たまたま見ていたら、空海が全国を廻ってあれこれ足跡を残したものが伝説となって現在も語りつがれているのは、「高野聖」の触れ込みであるという説明をしているテレビ番組がありました。
まぁ、それだけ空海のことを知ってほしかったということなのでしょうね。
「高野聖」の力は凄すぎます。

空海のように後に皆の記憶にとどめたいと思って神に祀り上げられた中には、もちろん私の推し役行者もいます。
本書では取り上げられていませんが、役行者は修験者が修験道の始祖として祀り上げられ、修験者が高野聖のように全国あちこちに役行者の足跡を語り継いであるいたものが各所で伝説化したのではないかと安易に推測されるわけですが、それならば、なぜ高野聖は役行者の行く先々を追いかけるようにして、同じ場所に伝説を創ったのかというのが私としては最大の謎。
あれこれ本を漁っていっていたら、そのうち、漠然としてでも答えがでてくるのかもしれません。

あとがきにはこのような顕彰系の神たちの延長線上に先の大戦で亡くなった人を祀るという「靖国神社」が生まれたのだとありました。
どれだけ、人を祀りたいねんと突っ込みたくもなる日本人の思想。
少なからずその思想は古代日本からあるので、まぁ文化と言えば文化。
なかなか、複雑な文化だなぁとあとがきを読んで思いました。


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最終更新日  2024年05月12日 07時00分15秒
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