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現在介護施設を運営している看護師の著者がどのような過程でここに至ったかを記録した『起業家ナース』。
![]() 高校卒業後はデザイン系の学校に進学したかったのにそれを打ち砕かれ、プー太郎になる著者。 そこから准看護師を経て現在の位置まで上るのですが、案外これが一気にではなく、一つ一つのステップ期間が長いこと。 というのが読了後の最初の感想でした。 それでも、このように起業してそれなりの地位を確立する人の共通点としては「タフ」ということにつきます。 それは邁進していくメンタル的なタフさもありますが、何よりも体力があるということ。 これは正直羨ましい。 恐らく、風や体調不良はそこそこにあったとは思うのですが、寝込んで何か月も動けなくなるとか、こじらせて何週間も通院することに時間を要することがないのはいちばんの財産だなと改めて感じたことです。 それでも、もちろんそれだけではその地位を築けるわけではなく、メンタル的なタフさも同様に必要。 行き詰っても、時間がかかっても、そして迂回したとしてもそれを成し遂げようとするメンタルが著者は半端ない。 体力と諦めないことが結局いつしか成功につながるのだろうなと思いました。 それはさておき、本書では今の日本における福祉の在り方について鋭い指摘があります。 これを読んでいると、政府は福祉に携わる人たちに対して全く力を注いでいないなということが明らかになります。 それは今問題となっている賃金だけの話ではありません。 資格制度、研修制度も含めて、対人という仕事にも関わらず、人さえ集めれば何とかなるという浅はかな考えが浮き彫りとなってます。 それを具体的にどのように軽視しているのかということが本書では記されています。 今のお偉いさんたちもそこそこいいお年の方が多いので、そのうち福祉のお世話になるとは思うのですが、その場合、私腹を肥やしたところから大金を払って自分だけはオリジナルの手厚いサービスを受けるのでしょうね。 そんな人ばかりだから、庶民の福祉は潤っていかないのだなとつくづく感じた1冊でした。 ![]() にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月13日 06時34分47秒
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