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実習も残すところ2日となったこの日、やはり息抜きが必要と午前中こちらの特別展に行ってきました。
バーミヤンの大仏はタリバンによって今は破壊されてしまっていますが、それ以前に京大などの調査チームがこの大仏の綿密な測量をしており、それはパソコンのない時代まで遡ります。 その時の調査ノートも展示されていたのですが、いちばんの見どころはこの調査ノートではないかと思います。 そこから消え失せつつある大仏の背後や天井に描かれている絵画まで写しとり復元。 これらの資料は現在のバーミヤンにおける調査や分析を行っている世界の各調査チームの基盤となっているようです。 ここまで、きっちりと数値化しているのかということを知ると、もはや考古学、つまり大学ではいうところの史学は「文系」の分類ではないということがここからも分かります。 つまり、「文系」「理系」の分類にもはや無理があるということですね。 歴史が好きでも、やはり数字というのは専門分野においては必須。 文系、理系の分類をやめて、大学の学部選びは自分の好きなことで選べばいいんじゃんないのかなー。 おっと、話は逸れましたが、これ以外では、ガンダーラでの弥勒菩薩が、中国を経由して日本に渡ってくるまでを横並びに展示してあったのですが、もうねーーー、びっくりです。 中国の弥勒菩薩が日本に渡って来たものについては、ほぼ中国のものと似ている姿をしています。 さすが、模倣の上手な日本と言わざるを得ません。 が、ガンダーラから中国に伝わった時ですよ、驚いたのは。 ガンダーラの弥勒菩薩はどちらかというと、というよりは8割方、ギリシャ彫刻を彷彿させるもの。 細い線の美しいビジュアルと言えばよいのでしょうか。 それがなぜ中国に伝わると、丸っこい悪く言ってしまえば野暮ったい姿になってしまうのか……。 もし、中国はガンダーラの菩薩像をそのまま継承していたら、今や日本の仏像のお姿も全く異なっているものになっていたはずです。 いや、むしろそっちを拝みたかったかも。 このガンダーラから中国への伝わり方が謎過ぎます。 ある意味オリジナリティーすぎます。 今でも日本のキャラクターが中国で真似されるとかなり微妙な、いやもはや別のものにしか見えない姿になっていますが、中国は模倣が上手くないのが今でも受け継がれているのでしょうか。 バーミヤンの大仏に関することに興味があり、この特別展を見学したはずなのですが、予定外の発見をしてしまい、気持ちはそちらに引っ張られっぱなしの特別展となりました。 こちらはベゼクリク石窟の復元展示(常設)です。 ウィキによると、 中華人民共和国新疆ウイグル自治区トルファン市高昌区の火焔山周辺にある5世紀から14世紀にまで遡る仏教石窟。 ベゼクリク千仏洞には77の石窟が存在する。その大部分はしばしば四つの部分に分けられたアーチ状の天井を持つ長方形の空間になっており、それぞれに仏陀の壁画が描かれている。その効果は天上全体を数百の仏陀の壁画で覆っている。壁画の中には、インド人、ペルシア人、ヨーロッパ人などの様々な人物が大きく描かれたブッダを囲んでいる構図のものもある。壁画の質は結構な差があり、芸術として稚拙なものもあれば、宗教絵画中の傑作といえるものもあるという。
この壁画はかつて、偶像崇拝を禁止するムスリムにより、損傷が激しく、破壊されているものもあり、かつ完全な状態のものも各国の探検家が持ち帰ったりして散乱状態なのだそうです。 そして、この持ち帰ってしまったものを統合してデジタル再現化したのがこの大学の研究者とNHKの共同チームだったとか。 なかなかに圧巻ですので、この復元展示を目的にこちらに足を向けるのも有りだと思います。 にほんブログ村 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年05月21日 06時33分59秒
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