|
カテゴリ:和食全般
東村山に住む前、つまり独身の頃は中野に住んでいて、それこそ連日食べ歩いていた。よく行く店もあったが、店の人と仲良くするほどの、いわゆる「馴染み」とか「行きつけ」の店はなかった。東村山でカミさんと食べ歩いている時も最初はそうだったんだけど、「小料理みき」に行ってから変わった気がする。
この店は府中街道沿いの八坂小学校の隣にあるのだが、西武新宿線の久米川駅から8分、西武多摩湖線の八坂駅からでも5分と中途半端な位置にある。加えて「小料理みき」という名前。すでに「小料理」と付いた時点でかなり怪しげな感じがするし、「みき」というナンパな名前が「酔っ払い客を相手にしたスナック」みたいなイメージを醸し出していて、この名前だけなら絶対に入らなかったハズだ。でもカミさんと2人して「気になるねぇ」といつも通るたびに話していた。というのも看板に「神津島直送」「魚にこだわる店」と書いてあったからだ。 「気になるねぇ」と言いながら通り過ぎて半年。忘れもしない2001年の9月に思い切ってカミさんと一緒に入ってみた。「嫌な雰囲気だったら1杯だけ飲んで帰ろうね」と打ち合わせしたことなんてコロッと忘れて、2人で3時間も居座って飲み食いしまくった。想像以上に料理がうまかったのだ。 「魚にこだわる」と言うだけあって鮮度は抜群。それでいてマスターの仕事もいいから、うまい魚がさらにうまくなって出てくる。その典型例が煮タコだ。ボイルしたモノとも活きたモノとも違う、旨みがシッカリ入った煮タコは何度もお代わりするほどハマッた。しかもマスターはこの煮タコを「塩でもおいしいんですよ」といろんな食べ方を提案。これがまた見事にツボにハマッた。 この時、出された「能代」という秋田の酒がまたうまくて、2人で一升瓶を飲み干してしまった。ヘベレケになり、その勢いでマスターといろいろと話して仲良くなったのだが、何でこんなことになったのかというと、この店が超ヒマだったからなのだ。何せ私ら2人が入った時は誰もお客はなく、私らがずうーっと飲み食いしている間も、ただの1人も店に入って来なかったのだから。これも初めての経験だ。 「料理がこんなにおいしいのに、どうしてお客が入らないの?」という質問に「逆に私が教えて欲しいですよ」とマスター。いい人なんだ、このマスター。2人ともいっぺんに好きになって、以来、毎週のように通っては飲み食いするようになったってワケ。 最近では料理はお任せで、予算だけ「1人5000円くらい」と言えば、好みの料理を出してくれる。 店自体は狭くてそれほどキレイではないから、カップル向きではないが、最近は日本酒にもこだわるようになり、普通の居酒屋ではちょっと飲めないお酒もある。おいしい料理とお酒が飲みたいって人には超オススメです。(ちなみに今は「能代」を置いてません。マスターいわく「2年ぐらい前から味が変わった」とか) ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 「小料理みき」は残念ながら2005年1月18日に閉店しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[和食全般] カテゴリの最新記事
ふふさん、コメントありがとうございます。
「気になっていた」ってことは地元の人ですね。うれしいなぁ。これからもよろしくお願いします。 今の時季なら、白子とあん肝が美味しいですよ。でも日によって仕入れるモノが違うみたいなので、店の外にかけてある黒板を参考にするといいかも。肴に関しては、まずハズレはないと思います。 (2005年01月19日 06時55分37秒) |