黒猫「体でぶつかれ反骨精神」

○東北楽天３－０埼玉西武（コボスタ宮城　１５，０３２人）

（埼玉西武１６勝７敗）

（勝）則本（８勝１１敗）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（Ｓ）松井裕（３勝２敗２９Ｓ）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（敗）岸（５勝６敗）

本　ウィーラー１０号（２　岸）

埼玉西武　岸－炭谷、岡田　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東北楽天　則本、青山、松井裕－嶋

　東北楽天は投打がかみ合い、連敗を２で止めた。先発則本は七回まで毎回の１１奪三振で無失点と好投し、８勝目を挙げた。３番手松井裕が２９セーブ目。打線は四回、ウィーラーが左越えに先制の１０号２ランを放った。八回は聖沢の中犠飛で１点を加えた。
　西武はクライマックスシリーズ（ＣＳ）への自力進出がなくなった。先発岸は８回３失点で６敗目。

　２－０の七回２死二塁、東北楽天の則本はフォークボールで、栗山を空振り三振に仕留めると、右の拳でグラブを２度強くたたいた。「制球が定まらず球数が増えた。最後の力を振り絞って投げた」。肌寒さを感じ始めるコボスタ宮城で、ファンを熱くする１３５球を投じ８勝目を挙げた。
　西武・岸とのエース対決は今季３度目。８月１８日の前回は自らの暴投で決勝点を献上し、０－１で敗れた。「何とかやり返したい」。その思いをボールに込めた。最速１５０キロの直球と落差のあるフォークボールを駆使し、立ち上がりは４者連続空振り三振を奪った。四回無死二塁も、３者連続三振で切り抜けた。
　無失点でマウンドを降りたのは６月１４日、中日を完封して以来２度目。昨季７完封の右腕も今季は一球に泣く登板が多かった。「もう少し早くこういう投球をしたかった。けど、良かった」。強力打線に三塁を踏ませず、試合後はほっとした表情を見せた。
　奪三振数を１８３まで伸ばし、２位の日本ハム大谷（岩手・花巻東高出）に１０の差をつけた。「彼、いっぱい三振取るんで、また頑張ります」。お立ち台で、奪三振王の座を守り抜く決意を示した。

＜聖沢諒外野手（３試合ぶりに先発出場。八回にダメ押しの中犠飛）＞
　「（岸は）球の切れがいい投手なので、ファウルで追い込まれないよう気を付けた。早いカウントで仕留められた」

＜高村祐投手コーチ（則本の投球に）＞
　「三振も取れて、踏ん張れて、しっかり投げ切れた。危なかったのも（左飛になった）メヒアへの１球ぐらいだった」（河北新報）