|
カテゴリ:実介護
ママさんがお一人様入居者になって数日後から、まさかの発熱でぐったりしてしまい、デイサービスも一週間の休みをするという、私にとっては大事件が起こった。
若いころから病気らしい病気をしない人、という認識だったママさんは、発熱するということも久しくなく、そのためか8度の熱が7度に下がってもぐったりベッドに横になっており、もしかして・・・最悪の事態まで頭をよぎるような風情。 おりしも私はトドの舞台前で、何かと気忙しく、こういう時期にこういうことになるかなぁなどと思いつつも、 非常時と認識して、すっきり姑は放置、Pさんが足しげく通うかと思いきや、これまた舞台前を理由に訪れておらず かと言ってトドが積極的に訪ねるでもないため、姑は一人ぼっちでそれはそれで気の毒ではあったけれど それでもママさんに私がずっと付き添うというわけにはいかず、そこは何と言ってもお一人様なので、普段より細やかにヘルパーさんたちに相手になっていただいて、二日ほどで平常に戻ったので、一安心はしながら 舞台前日のぎりぎりまで時間のやりくりをして出向いておりました。 今回のママさんは、いわゆる風邪かと思えるのだけど 風邪っぽくなっても高齢者はすぐに熱が上がらず、とはいえ体内では熱が上がる前段階の燃焼は始まって普段より水分消費が多くなるらしく、 熱が上がった時点で脱水っぽい状態をおこしてしまうことが多いのだとか そのため、体内の水分が不足して、電解質のバランスが崩れ、体制が傾いたり、痙攣っぽい症状がみられたりするんだそうで、 ママさんも、8度の熱がお薬で7度に下がった一両日の間は、立ち居が不自由に思えるほど体が傾いたり ベッドで横になっていても、手足が震えたりした。 その様子は、7度?と思えないほどなにか重症っぽい風情で・・・ 姑が以前の世話になっていた宅老所では、何かあったらまず水分、と言う方針があって、私もそれに同調していたため、ママさんにもともかく水分をと考えたのだけど 普段なら好んで飲んでくれるカルピスも、この日は受け付けず、 うとうと眠っているママさんが目覚めるたびに、氷のかけらを口に含んでもらい、少ないながらも三時間ほどで100ccくらいにはなったのではないかと思えてた。 普段から夜間熟睡タイプのママさんは、夜の間の尿量が多く一リットル対応の紙パンツに大容量パットを併用しても、まれに寝具に影響が出ることもあると、今のホームのヘルパーさんから折にふれて聞かされているため 就寝前まで私が付き合える日は、数回のトイレ誘導も含めて夕食後にテレビなど見ながら500ccほどの飲料をすすめて摂取するのだけど、 普段の日の夜はそれほどは飲んでいない疑惑もあって、高熱の日の夜は担当のヘルパーさんに、ご迷惑でも数度にわたって水分補給をあえてお願いして帰ったのだった。 ヘルパーさんや看護婦さんのご尽力もあって、幸い大事に至らなかったママさんなのだけど ぐったりした風情を見ると、まだ私のことは娘だか妹だかわかんなくなることはあっても、家族としては認識してくれているので、安心させるためにも傍についていたく、心が痛い。 こんな日は、嫁に行かなきゃよかったって、やっぱり思う。 二日ほど重体っぽい風情があったママさんも、もともとが元気なので三日目からは本調子で、 用心のために普段よりこまめに相手をして下さるヘルパーさんや看護婦さんを相手に、あることないこと・・・ないことばっかりか?な話を展開して 父親の職業など、トドの職業とダブっていたりで、解説を求められた私が苦笑いするような展開。 職場結婚だったパパのお仕事を忘れて、なんでトドの仕事を覚えてるんだよ(苦笑) あげく、熱を出したのはパパだったってことになっていたりで まぁ元気になったからいいんだけど・・・ そんなこんなで落ち着いてくれたので、トドの舞台当日は安心して私も出かけられたのだけど、 Pさんを伴っての一日の中で、何を思ってかPさんが最近御主人を亡くされた高齢のお弟子さんのお話を始めた。 その方のご主人は、ご自宅での昼食後、「ちょっと横になってくる」とおっしゃって午睡に入られ、ほどなく訪れたご長男が「お父さんは?」と聞かれたので、自室でお昼寝であることを伝え、ご長男が様子を見に行かれたところ お昼寝の途中ですでに亡くなっておられたのだと聞いている。 その話から、おそらく今一人暮らしになっている自分の心細さもあってか、身取る人のないままに最後の時を迎える恐怖を切々と訴えてきた。 そうでしょうね、たとえばそれが苦しみを伴うものなら、一人きりでいるのは心細いでしょう でもね、あなたの息子も、あなたも、私の父の闘病中に数回にわたって「もう良く看病したから、最後の時に立ち会えなくてもお父さんはわかってくれる」だから早く帰って来い、だから姑の誕生日を祝え、と私に言った。 私は、Pさんの最後には立ち会わない。 あなたも一人で、行きなさい。 トドの舞台の日、業界関係者でやはり親の介護が始まっている方があって、私はさきがけなのかあれこれお家の事情を話してこられた。 そのお宅では、お元気なころのご両親がお嫁さんに「あんたの世話には絶対にならん」とおっしゃったとかで、 今現在、かなりヘビーな状態での同居であるにもかかわらず、お嫁様は何もしない、のだそうで どう思うと聞かれた。 仕方ないですよ。 うちも、「世話にはならん、世話をかけて平気な神経がわからない」などと実家の介護をさんざんに罵倒された過去があるけれど 最小限のことはやってる私は、おかしいんかな?(苦笑) 舞台が終わった後の火曜日、いつもの姑の泌尿器科の往診に合わせてトドと出かけた。 お医者様がいらして、姑の患部をあらわにすると、便が付着していた。 それは排便処理後にさらに出たものではなく、明らかに後ろしか処理していないらしい付着で 部屋を出ようとしたトドを制して目の前で、洗浄した。 私は、この作業が厭である。 誰がやりたくて姑の体を触りたい!前に付着した便をこそぎ取るなど、地獄だ。 厭で厭で仕方がないのにやっている私は、そのつど心のどこかが壊れる。 トドは、先日亡くなった師匠と折り合いが悪く、師匠にいじめられたかのような印象を深く抱いて、今もって恨みに思うと、さんざんに話をする。 あの時あんな反応だったのは非情だ、あの時あんなことを言われたのは悲しく悔しかったと そうだよ、言葉は怖い、あなたは私にもさんざんに言うべきではないことを言い、するべきでないことをした。 二十年を超えて暮らしていると、夫と言うよりこまった兄?のような存在になっているトドなので 普段ずっと憎いと思って暮らしているわけでもないし、トドのためを思って動くこともある。 けれど、自分がされたことをいつまでも、対象の方が亡くなられてもいい募っているのを聞いていると あんたはどうなんやって、一矢報いたくもなる。 あまりにもうるさいときは、「あなたもね、言わなくていいことを言ってるよ私に」というと 黙る。 わかってんだかどうだか、わかってないんだろうけど・・・・ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[実介護] カテゴリの最新記事
|