フィンケ監督とフロント
昨日、フィンケ監督は、4万5千人の観客に向かって、きちんとした言葉で涙ながらにメッセージを語った。その言葉はとてもはっきりしていた。くらべて、クラブ側からは、サポーターに対してメッセージはなかった。(オフィシャルに実体のないメッセージが載った)その中で社長は、今回のフィンケ監督解任の理由については「一方、「強いレッズ」という観点では不十分な部分もあり、昨年から掲げている「長期的視点に立ったチームづくりを進め、レッズスタイルを構築する」というクラブ方針を継続した上で、来シーズンは新しい指導体制で臨むことにしました。」と語っている。つまり、言葉を補うならばフィンケ監督の作ったレッズは「強いレッズ」でなかったから、ら来年は「強いレッズ」を実現できる監督に変えようというのだそうだ。まあ、これでははっきり言ってよくわからないし、実際には何も本音は語っていないだろう。携帯サイト「レッズプレス」に昨日の試合終了後の、サポーターと柱谷GMのやりとりの記事が載っていた。それには驚くべきことが書いてあった。練習レポート「国立に向け、共闘を」 試合終了後、サポーターおよそ300人が集結した。柱谷幸一GMとの話し合いを求め、クラブが了承した形で、およそ1時間半にわたった話し合いが行われた。その内容は、きょうの試合でも、今季10位という成績でもない。現時点までにクラブの現状や来季へのビジョンを示さないフロントへの怒りだった。掲げられた横断幕「今、やるべき事は来期への覚悟を明確に示す事」。この言葉がサポーターの気持ちだ。当然、容赦ない厳しい声が柱谷GMに飛んだ。まずはフィンケ監督退任理由について。柱谷GMはホームでの勝率が悪く、順位が良くなかったことを挙げ、選手の獲得、補強については意見が合わなかったことを説明した。また、U-20代表などへ若手選手を出場させたかったクラブ側と、それを良しとしなかった監督との意見の食い違いなどを挙げた。成績不振については、ケガ人が多く出たことを理由の一つに挙げた。そのための補強が監督との意見の違いで不調に終わったこと。さらには復帰が待たれた山田直輝、梅崎司が復帰できなかったことなどを挙げている。新監督については「2~3週間前にアプローチしている」と説明。「来季はフィンケ監督のサッカーをベースに責任を持って勝てるチームを作る。やめる覚悟でやる」と約束した。しかしサポーターが最も憤りを感じていたのは、クラブの不誠実な対応だった。サポーターはフィンケ退任、ポンテ退団セレモニーに隠れて、橋本光夫代表が4万5000人のサポーターの前でまるで説明しなかったことにクラブへの更なる不信感を募らせている。「ケジメをつけないのはおかしい」「来年の展望も何もないのもおかしい」「すべての責任を監督に押し付けているように思える」「人間味のないクラブになっている」「ずる賢いクラブになっている」などクラブへの怒りを通り越し、「俺たちは浦和しかない。あのセレモニーはないでしょ? 俺たちは浦和が好きだし、ここしかないんだ」と悲痛な叫びが聞かれた。このサポーターの叫びを受け止め結果で表すのが天皇杯だ。「国立、絶対に行きましょう」とのサポーター有志の言葉に柱谷GMは共闘を誓い、話し合いは終わった。橋本代表はその後行われた囲み取材の中で、セレモニーに出なかった理由について、しっかりとした形でサポーターに発表したかったためと説明。監督退任の理由について「ピッチ上のサッカースタイルは二年前とは違うものが浸透してきた」と評価する一方、「魅力的なサッカー、強いレッズでなることには不十分であった」と説明している。さらに、新しい監督就任について来週中にも発表すると明言している。柱谷GMはフィンケを解任した理由に以下のことをあげている1 ホームでの勝率が悪く、順位が良くなかったこと。2 選手の獲得、補強については意見が合わなかったこと。3 U-20代表などへ若手選手を出場させたかったクラブ側と、それを良しとしなかった監督との意見の食い違い。1については、ちょっと待ってほしいと言いたい。フィンケ監督が請け負ったのは、「チームの改革という旅に出た。プレースタイルを変えなくてはいけなかった。それから世代交代を進めなければならなかった」ということである。フィンケに対して成果責任を問うならば「改革の成果」を問うべきであり、順位やホームでの勝率を問うのはおかしい(そもそも頼んでいる仕事が違うのだから)。(改革の成果の検証はまた別の機会に行いたい)ここがまず監督とフロントの意識の相違だろう。2 意見が合わなかったために補強できなかったこれは監督の責任もあるが、GMにこそ責任があるのではないか。特に能力の面で・・・。3 U-20に参加させたかったが、フィンケ監督は反対したこれについてはおそらく賛否両論あると思う。また、メンバーが足らないというチーム事情も考えないといけない。。ただ、これが解任理由となることなのだろうか。社長については、さらにひどい。「魅力的なサッカー、強いレッズになることには不十分であった」と説明している。ちょっと待ってほしいと思う。「魅力的なサッカー」って何だろう??この件についてもオフィシャルのインタビューで柱谷GMは述べている。レッズが目指すスタイルとして「強くて魅力あるサッカー。人もボールも動く夢のあるフットボール」を掲げています。抽象的な表現ですが、「これが浦和レッズのサッカーだ」といえる揺るぎないものを長期的につくりあげることが大切です。ゲームの中で「イニシアチブ(主導権)を持って勝つ」ことを重視し、クラブが主体となってこの道のりを踏み外さずに、しっかり前進し続けることが重要だと思っています。今の浦和レッズはまさにその方向に進化してきてないだろうか?「強いレッズ」とは、順位の話だろう。これは柱谷GMの1番のと同じで、オーダーしてない内容のことをあとから言うのはずるいと思う。さすがに観客数減少のことは言わなくなった。この部分は監督ではなく、GMや社長の責任分野であり、自分も辞任しなければならないからだ。ここまで見てきてわかるとおり、なぜフィンケ監督を解任するのか理由がさっぱり見えてこない。ことごとく、フィンケ監督に対するいちゃもんなのだ。本当に社長やGMが「改革」を強く進めようと考えており、フィンケ監督では物足りないのならば、当然来季のビジョンを言えるはずだ。そのビジョンと比較してフィンケ監督が不適格だと判断したはずだからだ。でもビジョンは決まっていないが、フィンケ監督ではビジョンに合わないと言っているようなものなのだ。マスコミでは、選手との気持ちの乖離とか、一体感がないとか、サポーターがフィンケのことを支持していないとか、言われてきたらしいが、昨日のスタジアムに来た人なら、それがいかに出鱈目かわかっただろうと思う。フィンケ監督はインタビューで、裏の経緯を語っている。はっきりと言っている。「フロントの方針が変わった」「共有できるものはない」「来年無理やり一緒にやることはよくないこと」フィンケ監督退任のメッセージ(オフィシャルには載っていない)浦和レッズを取り巻くステークホルダーの中にはさまざまな考え方の人がいる。就任当初から、フィンケ監督のサッカーが気に入らない人もいる。おそらく、そういう考え方の人(誰かは知らないが決して少人数ではない)から、フィンケを辞めさせてほしい(嫌いだから)という圧力がかかり、観客数減や順位が悪いことで脅されて、社長やGMは屈してしまったのだろう。(完全な推測ですが、外れていないと思います。だって、どこの企業も同じでしょう?ただ、こういう悪弊を改革できなければ普通の企業は落ちていきますが・・・)だから、「チーム改革」、常勝のチームのための「土台作り」というビジョンは、もう終わってしまったのだ。来年は結果を求めていく。まさに、オフト監督を2年で切って、ブッフバルト監督を招聘したのと同じ。(きっとフィンケ監督を辞めさせたかった人たちは、そのことを念頭においているはず)ただ文句だけを言う。責任は誰もとらない。とんでもない闇がフロントにはあるような気がする。藤口社長は、フィンケ監督を誕生させたが、自分の進退と引き換えにしなければならなかった。信藤TDは、抵抗にあい身体を壊してしまった。橋本社長と柱谷GMは、ついに取り込まれてしまった。がっかりして、フィンケ監督は浦和レッズを去っていくのだ。ただし、選手にとって、この2年間の経験はかけがえのないものだし、来年もフィンケ監督が築いた土台は、どんな監督になっても生きてくるだろう。われわれサポーターは、チームやフロントがどんなにひどくても、マスコミの一部がとんでもない煽り記事を書いたとしても、選手が辞め、監督が変わっても、浦和レッズから移籍することはできない。すべて含めて、浦和レッズなのだと思う。次回は、サッカーのことを書きたい(笑)。→にほんブログ村 サッカーブログ 浦和レッズへ →人気blogランキングへ↑↑↑↑↑↑↑↑↑↑よろしければクリックをお願い致します。あらいぐま珈琲3号店 -浦和レッズあらいぐま珈琲3号店 -リンク集