222004 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2017年06月27日
XML
【猿のごとく読み、人のごとく考える・その113・106冊目】
・紹介する本
・サノーさん一言コメント
「日本人の尺度から考える、ヨーロッパの社会と思想。根拠を「食」に求めることにより見えてくる、異文化の侵食」
【サノーさんおすすめ度★★★★★】
・ウノーさん一言コメント
「50年前のヨーロッパ文化論ですが、ここに書かれている考察を辿ると、現在の日本を形成する要素が見えてきます」
【ウノーさんおすすめ度★★★★★】
・サノーさん、ウノーさん読書会
サノーさん(以下ウ):面白い。「肉食」という角度から、ヨーロッパと文化の違いを社会、家族、結婚、宗教、身分制度、近代化のカテゴリーから整理して論じている。
ウノーさん(以下サ):ヨーロッパの人にとって、豚の丸焼きは残酷ではなくて、小鳥の丸かじりは残酷だという感覚は、いまでも健在です。
サ:旧約聖書に書いてあるからな。神に似せられた人間と、その食料たる家畜についての定義は、そこを根拠にしているんだな。
ウ:食事のときのお祈りも、決定的にそうですよね。今日の糧を与えてくれた神に対する祈りです。
サ:それに対して、日本は「命」をいただくことに対する祈りだ。「命」のやりとりとしての「食事」と「神への感謝」とのトレードである「食事」では、解釈が全く異なる。
その解釈の違いを前提にしながら、ヨーロッパを分析したのが、この本だ。
ウ:50年前に書かれていますので、当時の日本の食糧事情、肉食率が挙げられていますが、ここからの変化を考察することにより、色々と現代が見えてきますね。
サ:日本が「肉食」を全面的に受け入れたのは、明治以降、一般化したのは、昭和になったからだと思う。
ウ:そもそも、仏教においては肉食禁止の時期も長かったですものね。福沢諭吉が『肉食之説』というパンフレットを書いていますが、これは西洋列強との体力差、国力差を埋めることを「食事」に求めた政策ですね。
サ:その頃から現代にいたるまで「肉食」はそれ以外の「食」より、高級で高価で、ご馳走だという認識が育まれてきたわけだ。
ウ:ただ、この本にある「肉食における思想的、歴史的背景」や「風土、風習的背景」がない日本にとっては、歪みの原因となってしまったかもしれません。
サ:例えば「霜降り肉」崇拝とかだな。確かに脂身が差した霜降り肉は美味しいが、あれを連続して食べるなんて、いくら肉好きでもムリだろう。
ウ:そもそも、身体の負担も凄いです。肉を常習的に食べる民族ではなかったのだから、消化器系も含め、支障がでるのは明白です。
サ:でも「後付けの肉食賛歌」だから、程度がわからないんだよな。日本の畜産技術は凄いし、霜降り肉を生み出す先進国であることは間違いないけど、ヨーロッパから見れば、それは畜産ではないんだ。
ウ:「神から与えられしもの」を変化させる技術ですものね。ひとつ気づいたのは、この本が書かれた当時より、日本の「肉食化」は進んでいますよね。それと同調して、「エセ西洋化」も進んでいると思うんです。
サ:合理的なようでいて、全然合理的でなかったりとか、信心深いようでいて、根本的に信じてなかったりとか、だな。
ウ:ちょうど「肉食」のデメリットも言われ始めていますから、ウチも同調しましょうよ。
サ:意識しなくても大丈夫だよ。年取れば、自然と野菜のほうが美味しくなるから。
【了】
http://amzn.to/2qArYXE





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年12月09日 08時18分42秒
コメント(0) | コメントを書く
[ドキュメンタリー・ノンフィクション] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.