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【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

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2018年01月21日
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カテゴリ:文学

【猿のごとく読み、人のごとく考える・その322315冊目】

 

・紹介する本

 


◆◆伸子 / 宮本百合子/著 / 新日本出版社

 

・サノーさん一言コメント

「結婚とは、奇跡か。人が人と暮らし、親が子と暮らすとき生まれる矛盾をどう受け入れるのか」

【サノーさんおすすめ度★★★★★】

・ウノーさん一言コメント

「子供と親、夫と妻、それらは社会が築き上げた虚像に過ぎません。制度に惑わされない幸福を学びます」

【ウノーさんおすすめ度★★★★★】

 

・サノーさん、ウノーさん読書会

 

サノーさん(以下サ):作家になりたい、物書きで「世に出たい」という人は存外多い。

ウノーさん(以下ウ):多いですね。元手もかかりませんし、文学賞でも獲れば「文化人」として自慢できますし、なにより「書きたいことがある」という「動機」をもっている人は、珍しくありません。

:以前、出版社に勤めている人に「賞」に応募する際に「エントリー料」を取ったら、と話したことがあった。

:応募がなくなる、という理由で却下でしたね。主催者側も応募者側もメリットがあるアイデアなんですけどね。ヘボな文芸教室に月謝を払うより、身銭でエントリー料を払った方が、よっぱど「やる気」になると思うのですが。

:この作品の主人公である「信子」も、そんな「小説家志望」の一人だ。

:作者の姿を投影していて、リアルな心情が描かれています。

:ニューヨークでの留学生活、比較言語学を専攻している佃との恋、この辺りは溌溂とした「女性の夢」が描かれている。

:それが一転、帰国後は「家族」、主に「母親」との戦闘に突入です。

:精力的で活動的な「一族」と、異分子である「彼氏・佃」との軋轢と葛藤は、親戚とパートナーとの間で板挟みになった覚えのある人は、共感できるだろう。

:女性側が「もしかしたら遺伝的に、相性があわないかも」と認識した瞬間から「別離の時」がカウントをスタートさせます。

:その秒針は「結婚」という制度では、止めることが出来ないわけだ。

:鳥かごが放たれた気分で、伸び伸びと羽ばたいていく「信子」と、捨てられ、陰鬱になり、みじめにすがる「佃」の対比は、見事なコントラストです。

:恋愛の妙、男と女の「性質」について、見事に描いている。

こういう小説からの「学び」は、軽んじられない。貴重なケーススタディであり、「現実界」でも、十分に役立つ知識だ。

:けっきょくは「ご縁」だと思うのですが、パートナーとの「違和感」を覚えた時には、こういった「事例」知っておくのは、楽しいし有効だと思います。

【了】

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最終更新日  2018年01月21日 07時30分04秒
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