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【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

【1日1冊!】猿のごとく読み、人のごとく考える

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2018年03月03日
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カテゴリ:文学

【猿のごとく読み、人のごとく考える・その363356冊目】

 

・紹介する本 


放浪記 (ハルキ文庫) [ 林芙美子 ]

・サノーさん一言コメント

「宿命的な放浪者である著者の、生存への渇望。彷徨うなかで培われる感覚」

【サノーさんおすすめ度★★★★☆】

・ウノーさん一言コメント

「花の命を儚みながら、作家を目指した女性の告白を追ってみましょう」

【ウノーさんおすすめ度★★★★☆】

 

・サノーさん、ウノーさん読書会

 

サノーさん(以下サ):女流作家は数いれど、林芙美子ほど「破天荒」で「正直」な作家はなかなか珍しい。

ウノーさん(以下ウ):まさに「露骨」で「生々しい」日記文学です。

:第一部は幼少時代から、画家との結婚、初めての原稿料を手にするまでの「つれづれ」物語だ。

:「ふるさと」はなく、「旅がふるさと」だと言い切れる「幼少時代」は、つい引き込まれてしまう話しです。

:「行商」というスタイルは、いまでは少数となってしまったが、物流が発達していない社会では「有効な販売方法」だった。

:仕入れたものを違う場所で売る、その差額でまた仕入れを行い、違う場所へ向かう、まさに「旅から旅」のお仕事ですね。

:その環境が、この「放浪の女流作家」の土台となっている。転職につぐ転職、貧苦と屈辱、相手が固定されない恋愛の連続、虚構かと思えば、随分とリアルな描写で、告白であることに驚かされる。

:その生活のなかで培われ、育っていく「作家魂」に、多くの人が惹かれたんですね。

:自分勝手であるとの非難を覚悟の上で、というより、その非難により注目を集め、自分の文学に持ち込んでいった作家でもある。

:まるで現代の「炎上マーケティング」ですね。でも違うのは、とことん「正直」であることです。

サ:それだけではなく、「言葉で表現すること」「文体と文学」に真摯に向き合い、発表と修正を重ねた結果、得られた評価であることに「共感」と「価値」がある。

:全ての「想い」は、全ての「出発点」であることを認識させてくれる一冊です。

【了】

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最終更新日  2018年03月03日 08時32分13秒
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