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カテゴリ:古典
【猿のごとく読み、人のごとく考える・その386・379冊目】 ・紹介する本 ・サノーさん一言コメント 「元祖、若い二人の悲愛物語。民話が希代の天才により歴史的名作へと昇華する」 【サノーさんおすすめ度★★★★☆】 ・ウノーさん一言コメント 「ほんのわずかなすれ違いが、この悲劇を生みました。恋に従う前に、歴史を学びましょう」 【ウノーさんおすすめ度★★★★★】 ・サノーさん、ウノーさん読書会 サノーさん(以下サ):たくさんのシェークスピア作品のなかで、日本での認知率は一番高いかもしれないな。 ウノーさん(以下ウ):誰でもタイトルとあらすじは知ってますよね。映画『ウエストサイド物語』の元ネタですし。 サ:だが、これがシェークスピアの創作ではないことを知っている人は、少ない。 ウ:意外でした。いかにもシェークスピアらしいストーリーなんですが、実は「イタリアの民話」がもとなんですね。 サ:民話をバンデッロがフランス語にまとめ、それをアーサー・ブルックが英語の詩本として出版した。それが『ロミウスとジューリエットの悲劇』だ。ちなみに、誰でも「ジュリエット」のほうが馴染みがあるが、岩波文庫版の発音「ジューリエット」が戯曲に近く、より正確な発音だ。 ウ:民話も、主人公の名前は一緒ですが、登場人物は異なっています。 サ:元の話しは「9か月間に起こったドラマ」だったそうだが、それを「6日間」に集約し、劇として仕上げた。そこに「大天才」の証明があるわけだ。 ウ:もともと、民話であり、ギリシャ神話的なお話しを濃縮し、さらにエピソードを追加しながら「たったの6日間」に直してしまうのは、偉大としか評しようがありません。 サ:普通は、元ネタを膨らませるか、濃縮するにしても基本ラインを遺して編集してしまうところを、シェークスピアは、観客が喜ぶ、理解する、涙することを念頭に、根本から作り変えてしまう。 ウ:そして、それは、役者の魂にも響くように「アレンジ」されています。演じる人、観る人、ともに「シェークスピアの世界」に引き込まれてしまうのです。 サ:この作品は、ストーリーの明快さ、長さ、表現において、「シェークスピアの魔法」を体験するには、もっとも適している。 ウ:「ああ、ロミオ、ロミオ、どうしてあなたはロミオなの」この台詞は、シェークスピアにしか書けません。 サ:ちなみに、ジューリエットの年齢は「13歳」だ。 ウ:再読時は、その驚きをもって、若い二人のみずみずしい感情と、結末を噛みしめるのが、よろしいかと思います。 【了】
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最終更新日
2018年03月26日 08時15分52秒
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