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カテゴリ

2010.07.24
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テーマ:お勧めの本(7220)
カテゴリ:★★★★★な本
童話「シンデレラ」について調べていたライターが紹介された女性、倉島泉。長野県諏訪温泉郷の小さな旅館の子として生まれた彼女は、母親に冷遇され、妹の陰で育ったが、町には信州屈指の名家、片桐様の別荘があり、ふとした縁で、松本城下の本宅に下宿することになる。そこで当主の一人息子との縁談がもちあがり…。多くの証言から浮かび上がってきた彼女の人生とは?不況日本に暮らす現代人にこそ知ってほしい、新たなるドキュメント・フィクション。


<感想> ★★★★★

良くも悪くも、姫野カオルコさんの作風は個性が強いように思います。 本

書を含めて4作品が直木賞候補になっていますが、それ以前に芥川賞

きではないかとの選評もありました。 一方で読者は、お前ホントの姫野

ファンなら、電車の中でブックカバーをしないで堂々と読めよな!
的な

気合根性を求められるような気がします。 炎 炎 炎


さて、本書は語り手の「筆者」が、一人の女性の生涯を取材するという体

裁をとっています。 その女性の名は倉島泉。 彼女の周囲にいた人た

ちの証言を元に、その人物像を立体的に浮かび上げる手法ですが、ス

トーリー自体は特に大きな事件が用意されているわけでもなく平板といえ

ば平板です。 ただ、姫野さん独特のテンポのある文章は頁を捲る手を

容易に止めさせてはくれません。


 『ツ・イ・ラ・ク』でも感じましたが、独特の恋愛感も説得力があります。 

常に貧乏籤を引きながら飄々としている泉の心理をなかなか理解するこ

とができませんが、その背景には何があるのか?も読者を引っ張っていく

要素のひとつです。  個人的には、そんな泉が刹那に走ろうとする瞬間

を描くさまが巧みだと感じました。


この感想を書く前にたくさんの方々のレビューを拝見しました。 泉の生き

方をまったく理解できないという意見と、なんとなく理解できるという意見は

半々でした。 その点に関して、大いなる確信犯である姫野さんはほくそ笑

んでいるかもしれません。 


姫野ファンはもちろんのこと、高度成長期からバブル直前までの雰囲気を

味わいたい方におススメします。 ちなみに表紙の絵はポール・デルヴォー

(Paul Delvaux)
という画家の作品だそうです。

『リアル・シンデレラ』が出来るまで 姫野カオルコ

『リアル・シンデレラ』あとがき 姫野カオルコ





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最終更新日  2010.07.25 08:32:01
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