テーマ:旅の写真(3459)
カテゴリ:千葉
ディスカバリー千葉シリーズ。今回は「大仏を見に行く」。
最近、地元の歴史をひも解くことに面白さを感じている。 地元とはいえ、知らないことも多い。いや、ほとんど知らないんじゃないかなぁ。 神谷バーの元祖、神谷伝兵衛の別荘、ラストエンペラーの弟、溥傑の寓居などをたずねていくうちに、千葉にも大仏があることを知った。それも案外、近く。いつも通りすぎる道だった。 曇り空、時折、小雨がパラつく中、ロードバイクを走らせた。 目指すは御成街道に面する駒形観音堂にある長沼大仏。 このやぐらの下に露座の大仏がある。 大きさは2m36。かなり立派な仏様だ。正面からの位置からは逆光。撮影のコンディションとしては最悪。フラッシュを炊けば、もう少しマシだったかもしれない。写真的にはリベンジが必要。 撮影していると、男性の姿が見えた。 年は70歳くらいだろうか。 「おはようございます」と声をかけた。 すると、男性が近づいてきて、「遠くから来たの?」。 「いえ、近くなんですが、初めて来ました」と僕。 「そうなんだよね、近くの人でも通りすぎてしまうんだよ」 男性はこの長沼の集落の方で、ここの管理をしているという。 「大仏が好きなの?」 「好きというほどではないのですが、歴史に興味を持って」 確かにみうらじゅんの「見仏記」をきっかけにか、最近は大仏マニアと呼ばれる人も増えている。 男性は「じゃあ、ちょっと待ってね」と笑顔を浮かべると、冊子のコピーらしい紙を持ってきてくれた。 「長沼の駒形観音」と題されていた紙と男性の話によると、大仏は1703年の鋳造された。開眼導師は然誉上人沢春。作は浅草の鋳物師橋本伊左衛門。 この観音堂が面する御成街道は船橋~東金間を結ぶもの。慶長18年(1613)12月から翌年の1月にかけ、徳川家康が鷹狩りをするために作らせた。いわば、究極の道楽のための道路である。昔の為政者って、やることのスケールが違いますねぇ。 この大仏はこの街道周辺の人々が人馬の安全と疫病を祈願するために作られたようだ。 そんな話に関心していると、男性は「後ろを回ってみなさいよ。ここまで見る人は少ないんだ」という。 僕は大仏の背中に行ってみた。そういえば、大仏の背中なんて見るのは生まれて初めてかもしれない。 ここには「下総国千葉郡長浪村駒形大仏」とある。これが1703年の人間が書いた文字だ。そう思うと、感慨深いものがある。「長沼」が「長浪」となっているのは誤刻ではないかと言われているそうだ。 さらによく見ると、大仏にはそこら中にさまざまな名前が刻まれている。寄進した人々の名前だ。これが当時の人々が平安を願う現れなんだろう。 名前のほかにも地名がある。「松戸町」は現在の松戸市。ここから松戸までは約30km近くある。電車、車、自転車もない時代、この大仏を拝みに人々はやってきた。なんだか、すごいね。 僕も、この大仏の存在は知らなかったけども、もっともっと大切にされてもいい存在なんじゃないだろうか? 書ききれなかったので、ちょっとだけ続くのだった。 写真はCaplio GX100で撮影。 《新品》RICOH Caplio GX100 VFキット Map価格 59,810円 (税込 62,800 円) 去年の日記は? 2006/07/07 石窯作り~レンガ使用個数は90個 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ご自宅の近くに、こんな立派な大仏があるんですね。
地元の歴史には僕も関心があって、歴史写真集や古地図なんかをよく見たり読んだりしています。 以前、住んでいた大阪の富田林には、寺を中心に街が形成された「寺内町(じないまち)」というエリアがあって、そこだけスポッとタイムスリップした感じが味わえます。 それぞれの土地にはそれぞれの歴史が埋もれているんですよね。 (2007/07/07 01:29:27 PM)
私も、寺社仏閣にはとても興味を持っていますが、
同じ趣味の人間がそばにほとんどいないので、 なかなか足を運ぶということがありません。 地元の歴史、日本の歴史というものを、 もっとわれわれは認識し、理解したいものですよね。 昔の人達が、どのような信仰心で仏と接してきたのか、 どのような祈りで神を崇めてきたのか。現代に生きる 我々は、そういったことを生活の中で意識することは 少なくなってきたのですが、我々が生を受けた地は この日本ですし、その日本の文化が将来、ないがしろに されていってしまうのは、日本人であることを捨てるような ものだとも思っています。。。 (2007/07/07 01:45:52 PM)
まさやん0386さん
>ご自宅の近くに、こんな立派な大仏があるんですね。 僕もつい最近まで知りませんでした。お恥ずかしい。 >地元の歴史には僕も関心があって、歴史写真集や古地図なんかをよく見たり読んだりしています。 僕はネットで古地図を見つけました。 面白いですね。 >以前、住んでいた大阪の富田林には、寺を中心に街が形成された「寺内町(じないまち)」というエリアがあって、そこだけスポッとタイムスリップした感じが味わえます。 写真とかないのですか? >それぞれの土地にはそれぞれの歴史が埋もれているんですよね。 そういうことが現在に伝わらないのはもったいないですよね。 (2007/07/07 02:59:41 PM)
音楽と薔薇☆うっちいさん
>私も、寺社仏閣にはとても興味を持っていますが、 >同じ趣味の人間がそばにほとんどいないので、 >なかなか足を運ぶということがありません。 こういうのは一人で行くのがいいかもしれません。その分、じっくり見ることが出来ますし、一人だと、事情通の方が声をかけてくれたりして、また楽しいです。 >地元の歴史、日本の歴史というものを、 >もっとわれわれは認識し、理解したいものですよね。 その通りです。 海外では、もっと歴史が密接ですし、その土地で暮らすことに誇りを感じているように思えます。 年に何度かは海外で仕事することもありますが、そういう時に日本人であることを感じますが、普段の生活ではなかなか体感できませんね。 >昔の人達が、どのような信仰心で仏と接してきたのか、 >どのような祈りで神を崇めてきたのか。現代に生きる >我々は、そういったことを生活の中で意識することは >少なくなってきたのですが、我々が生を受けた地は >この日本ですし、その日本の文化が将来、ないがしろに >されていってしまうのは、日本人であることを捨てるような >ものだとも思っています。。。 残念ながら、おっしゃる通りの現状ですが、日本人はたいていの人は無宗教と言いながらも、初詣、七夕など古来からの伝統、習慣は引き継いでいるわけで、いにしえのゆかり、本来持つ意味を再認識するのは無駄なことではないと思います。 (2007/07/07 03:07:30 PM) |
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