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カテゴリ:将棋(静岡)
この日は開始時間から観戦していました。自分が高校時代に他校の将棋部に在籍していたSさんやMさんの将棋なども棋譜取りしたかったのですが、進行の都合なので棋譜取りできませんでした。まあこの日いた方々の多くは他の大会でも見かけるのでまた機会はあるでしょう。
さて午前中の個人戦の予選リーグ4組の1回戦先手S君、後手O君の将棋を紹介します。 O君は決勝進出したので、O君に関しては決勝の内容の方に少し書いてあります。 S君は最近急成長でいろいろな大会の成績上位者の所に名前が出てきます。自分が将棋を見るのはたぶん初めてです。 将棋はS君の先手番で後手の一手損角換わり腰掛け銀。 1図はそろそろ駒組みも頂点という所。ここでどう指すのかな?と思ってたら△5二金と早くもここで後手は待機策です。他に△7四歩や△2二玉、同じ待機策なら△4三金直という手も見える所でした。△5二金の理由ははっきりわかりませんが、これが最善なのかもしれませんし、O君なりの研究や工夫、ひらめきかもしれません。 O君やS君くらいの実力者なら(全国大会の県予選に出てくるような有段者なら)自分が指す戦法についてレベルの高いテーマも色々あるでしょうし、質の高い研究や工夫があっても不思議ではありません。 先手は△5二金に対して▲4五歩の仕掛け。自分の第一感は▲7五歩でした。他には▲4八飛のような手もあるのかもしれません。 △6九銀の割り打ちがあるので5八の金を動かす手も見えますが、▲6八金右は将来△5九角や7筋攻めから△4九角の筋が生じますし、▲6七金右は△6九角の筋ができ、▲4七金は玉が堅くならない、と一長一短あるのでこの局面で一手かけて動かす価値があるかどうかは難しい所でしょう。 2図以下▲6七角△6三角▲2四飛△2三歩▲2九飛△9五歩▲同歩△9七歩▲3四歩(3図)。 1図から少し進んで2図は先手が歩をどんどん突き捨てた所。 ここでは▲2四同飛が有力。以下一例の手順として△2三歩▲2八飛△1六歩▲1三歩△同香▲2五桂△1四香▲3四歩(参考1図)。 参考1図はあくまでも一例で他の指し方もあると思うのでこうなるとは限りません。 参考1図は先手の攻めもギリギリで続くかどうか際どいですし、△1七歩成や△3七角があるので忙しいかもしれませんが、この順の方が良かったかもしれません。 実戦は2図で▲6七角と4五の地点を強引に狙っていきました。 対する後手も△6三角(第一感は△4六歩)と対抗。 2人は年齢が近いという事もあってか、この角の打ち合い1つ見ても意地と意地のぶつかりという風に感じました。まあこういう所は手の善悪を書くのは無粋なのかもしれません。 先手が▲2四飛と走ってから▲2九飛とした後の△9五歩が後手の反撃です。 △9七歩の垂らしに▲同香は△9六歩▲同香△8六歩▲同銀△9六角と香を取れます。これは後手の△6三角打ちと△7三歩型が生きています(ただし先手はかなり怖いけれどもあえてその言いなりの順を選ぶのもあった)。 ▲3四歩で先手は攻め合いを選択(▲1三歩も有力)。どちらの攻めが厳しいか?という中盤戦に突入です。 4図は少し進んで△9二飛の局面。 実戦は▲3三歩成でしたが、△9八歩成が入ったのが結構厳しくここから後手が少し良くなったような気がしました。 ここでは▲9六歩△同香▲9七桂という受けがありました。 以下△同香成▲同香△9六歩▲同香△同飛は▲9九香(参考2図)。 さすがに参考2図は先手よし。他にも先手が香を持つと▲3三香の打ち込みもあります。という事で▲9六歩△同香▲9七桂としておけば後手もうかつに端攻めができません。 S君としてはこの受けは見えたでしょうが、攻め合いでいけると判断したのかもしれません。 5図はだいぶ進んで△3六同銀の局面。9筋突破して後手がリードしましたが、その後のS君の1~3筋方面の攻めがうまくてここまではさほど差が開いていないと思います。 実戦は5図で▲3五香と打ちましたが、香を使ってしまったのはもったいなかったかもしれません。 ここでは▲9八香△同香成▲3五歩と打つのはあったと思います(参考3図)。 参考3図はただ取られるだけだった9九の香一歩入手して持ち駒の香を温存する事ができます。もちろんこれでも先手が苦しいのですが、香を残しておく方が後の攻めの幅の違いもありそうです。 実戦は▲3五香に対して△4三金だったので▲3四香と金を取る手が大きく▲3五香が結果的に良い手になりました。▲3五香に△同金▲2四飛に△2一歩や△4二玉でどうだったか?という所だと感じました。 5図から進んで6図。今後手が△2七歩と飛の頭に歩を打ってきたところ。先手は金を入手した上にと金の活用ができているのが大きく、先ほどと比べてだいぶ差は詰まっています。 想像の話ですが、このあたりではO君は少し追い上げられている気持ち悪さを感じていたかもしれませんし、S君も追い上げの手ごたえがあったかもしれません。 実戦はここから▲3八飛△3七歩▲3四と△3八歩成と進みましたが、後手のと金の位置が3筋なのでこのやりとりは少し後手が得したかもしれません。 ここは飛は2八で取らせた方が良かったようで、ここでの候補手は▲3四と、か▲9三歩。 ▲9三歩は一本打ちたい歩で、△同飛なら飛の横利きが消えますし、飛が横に行けば二枚飛車で攻められる心配はほとんどありません。 このあたりからはどうやら後手が少しずつ良さそうな感じでした。 結果はO君の勝ち。しかしS君も粘り強い攻めが光っていたと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013.02.08 07:04:36
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