横目でチラッチラッと韓国ドラマを観ている息子の目には、どのドラマも全部同じに映るらしい。
曰く、ギャーギャーわめいて罵って、暴れてる~~。
まーそんな感じではある。
私の家は至って静かで、話はよくするけれども、会話も静かな会話だから、ああいううるさいのには辟易して、そういう輩が現われると、さっとトンズラするのが我が家族である。しかし、韓流でも、そういう頭痛がしそうなものは興味のなかった私なのに、近頃は観るに耐えないそういうドラマを観まくっている。イテランssiなんぞを好きになってしまって多少は後悔する。
昨夜、主役ではないからまったく観る気はなかったのに、ひょんなことから「女を泣かせて」を観ていて、嫁と姑、嫁と嫁の言い争いの場面で、急にマセガキのことを思い出して笑ってしまった。
今から思えばたったの八歳違いだから、マセガキとも言えないが、なにしろこちらは社会人、あちらは中坊だからその言葉使いにはいつも失笑した。
学園祭に来て欲しいだの、映画を一緒に観ようだの、なんだかんだ言っては駅前で待ち伏せた少年。一度だけ仕方なく珈琲に付き合ったが、相変わらず、僕はもう大人ですを連発し、こっちは可笑しくて噴出したら怒っっていた。そういえば、トヨタの高校卒業したての男子にも呼び止められたことがあったんだっけ。毎日ここ通ってますよね、と。毎日通らなけりゃどこにも行けないんだもの、通るに決ってる。ちょっとからかって脅かして逃げてしまったが、マセガキは仕事上趣味上のこともあったからそうも行かず、結構話だけはした。
カセガキは小説家志望で、小説をよく書いていた。どんな題材が多いのかと聞くと、嫁と姑の争いが好きなんだと言った。ついで有吉佐和子や曽野綾子が好きなんだと言った。私は女流作家では有吉さんとか山崎さんはいいほうだとは思っているが、曽野さんなんかにいたっては全然興味がわかないから、題名はほとんど知ってはいるが読んだことはない。読んだのは有吉さんの「悪女について」くらいで、だから嫁と姑の言い争いと言ったって想像も出来なかった。彼はきっと「三婆」でも読んだのだろうくらいに思ったが、それ以上は想像外の話ばかりで、あんたは女か、美しくもないそんな話が好きなんておかしな中坊だと思った。
あれやこれや、私の前では明るかったマセガキにも、相当な不幸が実はあり、私は下手くそな裾あげのズボンを見た時、その不幸を初めて知った。マセガキはその日初めて私の前で泣いた。
ずっと後になって、ああ、あの時だけでも抱きしめてあげれば良かったと後悔した。
私は家を引っ越して、あれからは一度もあったことがない。どんな大人になったのか、、、
韓国ドラマはいつも同じ脚本家なのか、同じ頭しか持っていない者たちがドラマ制作しているのか、それが人気があるからか、大抵片親だとか孤児だとかの貧乏人がいて、財閥がいて、罵りあいが凄くて、みたいなドラマばかりである。罵りあいかどうかは知らないが、罵詈雑言なら右に出るものがないくらいの映画が「ヘルモニ」なんだそうである。あまりにその悪口の類が凄すぎて18禁なんだとか。胸糞が悪くなるのか、ストレス発散されるのかは知らないが、やっぱりテランssiが出てるから、一度は観てみたいと思うのだが、残念なことに日本語字幕のDVDは出ていない。
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最終更新日
2017.11.06 20:34:56