ネットニュースに「何のドラマが一番好きだったか」、そういうのがあった。
私は正和さんの「どこが好きなの」と人に聞かれると、髪型だと答えていた。私は本当にウェーブのかかったあの柔らかそうな髪型が一番好きだった。私は男性の髪型とか指とかがすごく気になっていた人で、おかしなことに何十年たった今も指の形なんかは結構覚えていたりする。
ま、それはともかく、正和さん好きだったのに、訃報のニュースで初めて、デビュー作が「永遠の人」だったことを知った。もっとも私の場合、元々芸能人にはさして興味はなかったからだが、その「永遠の人」・・・
あれは多分、私が人生の一番最初に観た映画だ。高峰秀子が主演で、阿蘇山が出て来る映画ならば。まー阿蘇山で自殺したかしようとしたか、草履か何か履物を揃える、みたいな所しか覚えていないのだが。ハハ、高校生の時、あれでデビューしたのね。
正和さんで印象深いドラマはなんといっても「冬の旅」。正和さんは不良の役だけど、あのドラマは内容がいいの。次いで「冬の雲」。近藤正臣や大谷直子が出ていて、あれは最初の語りと音楽、それから仲雅美の歌が良かった。良すぎて、何十年たった今も忘れ難い。
そして同じ頃に放送していた「夏の終り」。
あれはどなたかが少しだけYoutubeにアップしてくれていた。
時代劇では眠狂四郎。円月殺法がなんとも似合っていた。
原作の柴田錬三郎が田村正和にやって欲しいと、そういう話があって実現したんだとか。
そりゃそうだ。眠狂四郎はそれまではなんといっても雷蔵だったんだもの。そんなに原作者がお気に召す俳優がそこいらにいるわけはない。
正和さんは私生活を語らなかった。そこも良かった。
しかしスターというのはデビュー当時からほとんど何も変わらないものだ。
芸能界の色に染まらない。
何ものにも染まらない。
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最終更新日
2021.05.20 17:52:22