2004年8月14日 東山植物園(8)
パラグアイオニバスを撮影し終わった時点で、今日
当植物園に来た、主たる目的を思いだした。 とい
うのは、数日前のA新聞に、「ナンバンギセル」の開
花が報じられていたからである。
正面入口の係員に開花場所を聞くと、人工5段滝の
傍の宿根草園で咲いているとか。 もう一度、今来た
道を戻る。 宿根草園で、それらしい所を探すが一向
見付からない。 偶然ススキの根元に目をやると、や
っと見つけた、ナンバンギセルを。 早速、撮影を開
始する。 すると、5~6人急に集まってきた。 どう
やら皆、この花を探していたらしい。 名札がついて
いないので、新聞を読んだ人しか分からない。
ナンバンギセル(南蛮煙管)
ハマウツボ科、原産地は日本で、1年性草本。草丈
は20~30cm、花色は淡紅紫色。 夏から秋にか
けて、ススキやサトウキビ、ミョウガ等の根に寄生す
る寄生植物である。 茎と花の形が、南蛮渡来の煙
管(キセル)にそっくりであることから、この名が付い
た。
万葉集の和歌にも詠まれ、薬草として古くから珍重
された。 別名「オモイグサ(思い草)」として、出てく
る。
ナンバンギセルは植物でありながら葉緑素を持たな
いため、自分で栄養分を作ることが出来ない。そこ
で、主にイネ科の植物の根に寄生し、その植物から
栄養分を貰って生きている。
さて、主目的は達したので、屋外での撮影を打ちきり、
温室に向かう。 この時期は、屋外より温室の方が涼
しい。
温室入口で、「カリアンドラ・エマルギナタ」が赤い花を
咲かせていた。
カリアンドラ・エマルギナタ
マメ科、原産地はメキシコで、常緑小低木。 花は
ネムノキ(合歓木)に似ているが、葉の形が違う。
メキシコ南部からパナマにかけて分布している。樹
高は1.2m位で、周年、パウダーパフのような紅色
の花を咲かせる。 これは多数の花が頭状に集まっ
たもので、雄しべが糸状に長く伸びる。 属名のカリ
アンドラは、ギリシャ語の美しい雄しべに由来する。
温室に入って、暫く行ったところで、「アリストロキア・
ギガンテア」が変な形の大きな花をぶら下げている。
アリストロキア・ギガンテア
ウマノスズクサ科、原産地はブラジルで、大型蔓性
植物。 花は多くは、葉の腋につき、花弁がなく、花
弁状の萼がパイプ状などの変わった形になり、微妙
な模様が好まれて、観賞用に栽培されている。
樹高は数mにもなり、古い茎は木質化する。 花は
非常に大きく、原産地では長さ50cmにもなると言
われているが、温室栽培のものは20cm程度であ
る。
ギガンテアという名は、植物が大きいという事に因
んで、「巨大な」という意味がある。
-つづく-
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