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ふとしたことで昔を思い出したので、なんだか今日はエッセイ風♪
僕の実家は京都の大原ってところ。 大原といえば三千院や寂光院なんかがあって、毎年、紅葉の時期になると観光客が、それこそ 「どっ!!」と、訪れる京都きっての観光スポットである。 いつもはガラガラの大原行きバスも、観光シーズンになると平日でも増便するほど満員になる。 高校生の時はバスで通学していた僕たちは帰りのバスの観光客の多さに毎年辟易していた。 まさにスシ詰め状態。 しかもほとんどが観光客。 高校生:観光客=1:9 で、ある。 しかも、京都の大原なんぞに、わざわざバスに乗ってまでやってくる観光客って言うのはほとんどオバサンであり、しかも観光にやって来たぐらいだから異様にテンションが高い。 「そうよねあそこの和菓子がべちゃらくっちゃらでギャハハハ!!!」 などと、さっき茶店で食べた和菓子のことなんかを大声で話している。 しかも、先ほども言ったとおり観光客≒オバサンであるため 高校生:オバサン=1:9 と言う式が成り立つのだ。 これはもうかなりつらい。 何しろ自分が立っている周りは皆オバサン。 超満員のバスの中で、ほぼ全員が超ハイテンションのマシンガントークを繰り広げるのである。 特にテンションが高まるのは車道にサルが出現したときである。 大原って言うのはご存知の方はご存知だと思うが(そらそうだ)、結構な山間にある田舎なもんで、比叡山から降りてくるサルが日常的に出没する。 だから僕ら地元民は珍しくもなんともないんだが、バスにすし詰め観光客≒オバサンの騒ぎようは想像に難くないであろう。 「きゃーサルよ!サル!歩いてる歩いてる!あそこ歩いてる!可愛い~!!!!」 などと騒ぎまくる。また自分の位置からうまく外が見えない人は 「どこどこどこどこどこどこどこ? あんたそんなところにいちゃ見えないわよ!」 なんて、まさに一触即発。 どっちがサル山だか分からないほどの騒ぎである。 このサル、車に乗って車内から見ている分には、まあ愛嬌もあって良いのだが、生身(徒歩もしくは自転車)で出会うとかなり怖い。 意外とデカイのである。 迫力的には猪木級。 僕も帰宅途中に何度かサルにガン付けられたことがあるが、その辺のヤンキーなどとは比べ物にならないほどの迫力である。 しかも人間をあまり恐れないので厄介。 オヤジは屋根の上で自分が大事に育てていたナスビを貪り食っているサルを見たときには、人生50年で初めて殺意を覚えたらしい。 (翌日、彼はライフル型のエアガンを2万円も出して購入した。) ま、サルについてはいろいろあるのだが、当時最も強烈なエピソードは同級生の吉田(仮名)の家で起こった出来事である。 吉田には当時小学3年生になる、ヒロシ(仮名)という名弟がいる。 他人の家の柿を平気で食うような、田舎のやんちゃ坊主である。 ある日、吉田家のおばあちゃんが居間を覗いてみると、ヒロシがちょこんとテレビの前に座ってお菓子を食っていた。 普通にお菓子を食ってテレビを見ている分には問題ないのだが、ヒロシはそこらじゅうにお菓子のカスを撒き散らしながら貪り食ってるのだ。 おばあちゃんは見かねて、ヒロシに注意した。 「ヒロシ!お菓子を食い散らかしたらアカン。もっとキレイに食べなさい!」 おばあちゃんがゲンコツの一つでもくれてやろうかとヒロシに近づいたら、ヒロシだと思っていたその人物(?)はサルだったのだ! ヒロシ=サルは振り返るや否や 「ウキーーーッ!!」 とか何とか言って、おばあちゃんの腕を引っ掻き、玄関から出て行ったのだ。 おばあちゃんは4針も縫う大怪我をし、それ以来、サルの幻影に惑わされる日々が続いているらしい。 案外怖いよ。サルも。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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