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テーマ:最近観た映画。(40086)
カテゴリ:洋画
DCコミックス・シリーズの実写版。 スーパーマン、ワンダーウーマン、バットマン、アクアマン、フラッシュ、サイボーグ等、DCコミックスのスーパーヒーローらが登場する。 設定的には、映画「マン・オブ・スティール」「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」から数か月後の出来事、という事になっていて、スーパーマン、ワンダーウーマン、バットマンは、同じ俳優陣が演じている。 原題は「Justice League」。 粗筋 レックス・ルーサーによってドゥームズデイとして蘇ったゾッド将軍との戦いで、命を落としてしまったスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)。 正義の為に戦うという志は同じの筈なのに、スーパーマンとは敵対していたバットマン(ベン・アフレック)は、その姿を目の当たりにして、特殊能力を持った超人ら(メタヒューマン)を統括し、正義の為に戦う組織が必要だと感じる様になる。 バットマンことブルース・ウェインは、自前の財力と情報収集能力を駆使し、超人らを探し始める。 ドゥームズデイとの戦いで知り合ったワンダーウーマン(ガル・ガドット)は、既にウェインの考えに賛同していた。他に、海を支配するアトランティス人の王のアクアマン、時空を歪める程の高速で動けるフラッシュ、そして全身が機械化されたサイボーグの3名が候補に挙がった。 フラッシュは、自分と似た仲間が欲しかった、という安易な動機で協力を了承。しかし、他の二人は協力を拒否した。 一方、地球には既に新たな危機が迫っていた。 強力なパワーを秘めた3つのマザーボックスを奪う為に、異次元からステッペンウルフが襲来。ステッペンウルフは、倒した敵をパラデーモンという化け物に変え、地球各地に放ち、マザーボックスを探させた。 マザーボックスは、古代時代に人間、アマゾン族、そしてアトランティス人が共に戦ってステッペンウルフから奪ったもので、ステッペンウルフが回収出来ないよう、それぞれが一つずつ隠し持っていた。 ステッペンウルフは、圧倒的な戦闘力で、アマゾン族とアトランティス人が保管していたマザーボックスを奪った。残りは人間が隠し持っていたマザーボックスのみとなった。 マザーボックスは、隠し持っていた人間から完全に忘れられていた存在だったが、近年偶然発見され、人間らは正体不明のまま研究していた。サイボーグも、マザーボックスの力によって瀕死の怪我から回復し、サイボーグ化していたのだった。 ステッペンウルフの企みを知ったバットマン・ワンダーウーマン・フラッシュの3人は、阻止を試みるが、3人だけでは太刀打ち出来なかった。 アトランティス人が保管していたマザーボックスが奪われたアクアマンは、暫定的ながらバットマンとワンダーウーマンと協力する事に。 また、サイボーグも、自身を生まれ変わらせた物体が関わっていると知って、協力する事に。 五人でステッペンウルフで立ち向かうものの、それでも力が足りない、と悟ったバットマンは、スーパーマンを復活させよう、と考える。 ルーサーがゾッド将軍を復活させられたのだから、スーパーマンも復活させられる筈だ、と。 が、他の4人は反対。ゾッド将軍は、ドゥームズデイという化け物の形で復活した。スーパーマンも同じ様になる、と。 しかし、ステッペンウルフの襲来を許したのは、スーパーマンという絶対的な存在がいなくなったからだ、と他の4人を説得。 4人は、懐疑的ながらも、協力する事に。 ウェインは、ゾッド将軍と同じ方法で、スーパーマンを復活させる。 ゾッド将軍の時とは異なり、元の姿で復活した。 しかし、スーパーマンは4人を敵視。死ぬ事さえままにならないのか、と。 4人は、スーパーマンを相手に戦う羽目に。しかし、怒り狂うスーパーマンには、4人が力を合わせても太刀打ち出来なかった。 そんな所、ウェインが切り札として呼び寄せていたスーパーマンの恋人ロイス・レインが姿を現す。 ロイスを目の当たりにしたスーパーマンは我に返り、彼女と共にその場を去る。 スーパーマンが正気に戻って協力してくれる事を祈りながら、4人はマザーボックスを全て手に入れたステッペンウルフの下へと急ぎ、戦いを挑む。 4人は善戦するものの、ステッペンウルフを倒すまでにはいかない。 その時、ロイスによって正気に戻ったスーパーマンが参上。 これにより形勢は逆転し、ステッペンウルフは倒される。 バットマンと、4人の超人は、共に正義の為に戦う事を誓い、ジャスティス・リーグの設立を決める。 一方、監獄から脱出していたレックス・ルーサーも、超人を集め、自分らの「リーグ」を作ろう、と悪玉超人に語り掛けていた。 感想 スーパーヒーローの実写版は、DCコミックスが先駆け。 ただ、複数のスーパーヒーローが一つの映画で活躍し、そしてまた個々の映画で活躍する、というモデルを作り上げたのは、ライバルのマーベルコミックス。 マーベルユニバースが大ヒットとなり、個別の作品も大ヒットとなる中、スーパーヒーローの本家であった筈のDCは後塵を拝する事に 本作により、DCユニバースが漸く本格的に始動した、といえる。 子供の頃から馴染んできたスーパーヒーローら、一つの作品で活躍するのが観られるのは、嬉しいといえば嬉しい。 ただ、一連の作品を観ていると、力関係というか、それぞれの実力が分からなくなってくる。 スーパーマンは、本作の前々作に相当する「マン・オブ・スティール」でリブートされている。 「マン・オブ・スティールのスーパーマン」は、同じクリプトン人のゾッド将軍を相手に結構苦戦していて、無敵なキャラではない、と印象付けた(軍人のゾッド将軍は、スーパーマンは「百姓の倅」と嘲った)。続編に当たる「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」では、スーパーマンは死亡しているのだから、その意味でも無敵ではない。 「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」では、ワンダーウーマンが銀幕デビューを果たす。そちらでは、ワンダーウーマンはスーパーマンを驚かせる程の戦闘力を披露。 後に公開された劇場版ワンダーウーマンでは、彼女が神である事が明らかにされる。 という訳で、スーパーマンとワンダーウーマンはほぼ互角の力を持っているのでは、と思いきや……。 本作では、スーパーマンが圧倒的に強く、ワンダーウーマンはそれ程でもない、という設定になっている。 作品ごとに登場人物が劇的に強くなったり弱くなったりするので、付いていくのが難しい。 というか、作中でも登場人物がやけに強くなったり、弱くなったりする。 敵役ステッペンウルフは、ワンダーウーマンらをものともしない、ほぼ無敵な存在だったのに、スーパーマンが参上した時点でこれまでの強さは何だったのかと呆れる程弱くなり、敗北を期してしまう。 登場人物の強さをもう少し整理してほしい。 スーパーマンは、リブート以前は絶対的な善人として描かれていて、悪の手に落ちる事は無い、といった雰囲気だった。 が、リブートされたスーパーマンは、絶対的な善人ではなく、必要となれば悪人にもなれるが、育ての親や恋人を思って、善人として活動しているだけの様に映る。 今後また他の超人らと対立するのも、充分有り得る。 昔のスーパーマンのイメージしかないと、違和感がある。 ワンダーウーマンは、所々で見せ場があるが、他のキャラに食われてしまっている印象。 新キャラクターを紹介する為の作品なので、仕方ないといえば仕方ない。 既に単独の作品があるので、他のキャラに譲った、という事か。 アクアマンは、過去のDCコミックスのイメージとは全く異なるキャラになっている。 今後単独の映画が製作されるのかは、微妙な感じ。 水の中を自由に動ける、という事以外は、物凄く特徴のあるキャラではないし。 フラッシュも、過去のDCコミックスの設定とは大幅に異なっている。 やけに若く、頼り無い マーベルのスパイダーマンみたいに、「成長するヒーロー」として展開するつもりか。 サイボーグは、比較的新しいキャラで、全く馴染みが無い。 今後どう展開するのか、全く読めない。 本作は、ジャスティス・リーグのシリーズ化に持って行く為のものなので、ストーリーに意外性は無い。 予定調和、といった感じ。 流石に、ジャスティス・リーグがまだシリーズ化していないのに、破綻に持って行く事は出来なかったのだろう。 その分、安心して観ていられる。 スーパーマンの復活は何よりも歓迎出来るし。 特撮は、最近のCG満載の映画を見慣れていると、目新しいものは無い。 これが20年前だったら凄いと思っていただろうに。 スーパーマンが、ステッペンウルフとの戦いに参上した際に、1970年代に公開されたスーパーマン(クリストファー・リーブ主演)のテーマ曲を部分的に使ったのは印象深い。 リブートされた本シリーズは、クリストファー・リーブ主演作をとにかく否定しようという空気があるが(というか、そもそも無かった事にしようとしている)、流石にテーマ曲だけは上回るのが作曲出来ないらしい(クリストファー・リーブ主演作のは、スターウォーズ、インディアナ・ジョーンズ、そしてジョーズ等も手掛けたジョン・ウィリアムズが作曲)。 製作者側は、スーパーマンが復活する、というストーリー運びをなるべく伏せたかったらしく、劇場公開の段階ではポスターにスーパーマンが描かれていなかった。 が、DVD販売の時点ではスーパーマンが復活する事が誰もが(劇場で観ていなかった者も)知ってしまったので、カバーにはバットマンらと共に、スーパーマンも堂々と描かれている。 巷では、マーベルユニバースとDCユニバースのどちらが良いかの議論がなされている様だが、個人的には、互いに切磋琢磨して発展してもらいたい。
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Last updated
2018.03.31 21:51:12
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