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星見当番の三角テント

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2010.05.15
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夜中にひっそりと。こんばんは、ご無沙汰しております星見当番です。
ずっと書きづらくて止まったままだったムーミン谷の星うらないシリーズ、
続きまいります。今夜こそ、どうにか。

前回が牡牛座キャラクターだったので、今回は双子座です。
「ムーミン谷の星うらない」では、双子座のキャラクターに
「トフスランとビフスラン」を割り当てています。
双子座の支配星である水星キャラクターのミムラねえさんも
最初は双子座キャラクターにしようと思ったくらい双子座っぽい人です。
しかしミムラねえさんについては水星篇でたっぷり語ったので、
今夜は「トフスランとビフスラン」の話だけをお送りします。

(ミムラねえさんと水星の話についてはこちらへ→前篇中篇後篇

トフスランとビフスランは、『楽しいムーミン一家』の後半のみに登場します。
かなりサイズの小さい生きもので、挿絵でムーミントロールと並んでいるところを見ると
ムーミントロールの半分くらいの背丈か、それよりも小さめに見えます。もっとも、
彼らもムーミントロールも座っているので、正確な身長差はわかりません。
ムーミン屋敷の机の抽斗や、ムーミンママのハンドバッグの中に二人で入って
眠ることができるというので、もう少し小さいのかもしれません。

ムーミントロール族は、作者自身の言葉によれば「電話帳くらいの大きさ」です。
日本もフィンランドも電話帳の大きさはさほど変わらないようなので、
動物に置き換えたら、ちょっと小さめのネコか、普通サイズのウサギくらいでしょう。
トフスランとビフスランがその半分サイズとしたら、子猫くらいの大きさでしょうか。

容貌は、実になんとも…人間とも何の動物ともつかない顔だちをしています。
ムーミン族はコビトカバに似ている、スニフはワラビーに似ている、
しかしトフスランとビフスランは何にも似ていません。

顔の真ん中に、妙に長い角ばったものが突き出しているのですが、
それが鳥の嘴のようなものなのか、それともピノキオのように
長く突き出した鼻なのかもよくわかりません。目がギョロッとしていて、
額や眉間に皺がよっていて、髪の毛はちょっぴりしかなくて、
子供なのか老人なのか、男性なのか女性なのかもよくわかりません。
「トフスランとビフスランの夫婦が」と書いてあるので、片方が男性で、
片方が女性ではあるのは間違いないのですが。

さらに彼らは、彼らだけの使う、独特の話し言葉を使います。
外国語のようでいて、よく聞けば意味はちゃんとわかる、
子供の遊びのような言葉です。日本語版と英語版では、彼らの台詞は
「ムはよう、おーミントロール」のように単語の一部の音を入れ替えた形で
表されています(英語の同じ箇所は“Good morning, Troominmoll.”です)。
これは日本語版・英語版独自の演出で、元のスウェーデン語では、語尾に
「~スラン(~slan)」と付ける形です。

性別年齢不詳の奇妙な容貌、うそ臭い外国語風の言葉、
全体的に言って、実になんともこう…胡散臭い(ごめん)。

ここまで読んで気を悪くした双子座生まれの皆さま、申し訳ないです。
なんでそんな胡散臭いキャラクターを双子座に割り当てたかというと、
その得体の知れなさ、何にも似ていない胡散臭さが双子座の性質の一つだからです。

双子座は風の柔軟サイン。とらえどころなく、どこにでも飛んでいく、
ふるさとを持たない放浪者のサインです(ふるさと、という発想は
双子座の次に来る蟹座になってやっと登場します)。そして、双子座は
商売と詐欺と泥棒の守り神の名を貰った星、水星に支配されています。

トフスランとビフスランの夫婦は、旅人としてムーミン谷にやってきます。
謎のスーツケースひとつ提げて、どうもその中には、盗品が入っている様子。
彼らは、常人とは少しばかり「所有」に関する考え方が違うようで、
他人の所有物を他人のものと知っていながら無断で持ち出して、
特にそれを悪いと思っていないような描写が出てきます。


ムーミントロールも、そのあとから、かきねをくぐりぬけました。
すると、おどろいたことに、二人は、木いちごのやぶのいちばんこみあった下に、
ひみつのかくれ場所をこしらえていたではありませんか。

そこには、白鳥のわた毛をつめて、貝がらや、小さい白い石がかざってありました。
中はいくらか暗かったけれど、かきねのそばを通る人だって、向こうに、
こんなひみつのかくれ場所があろうとは、だれ一人思いもしなかったのです。

トフスランとビフスランのスーツケースは、きれいなわらのマットの上に
のせられていました。

「あれはスノークのおじょうさんのマットだぞ」
と、ムーミントロールは気がつきました。
「ついきのうも、あの人は、あのマットをさがしていたよ」

ムーミントロールがこういうと、ビフスランがうれしそうに、あいづちをうちました。

「そうなのよ、マのひとのあットなの。わたしたち、見つけたの。
―でも、もちろんあの人は、まだ知らないわ」

『たのしいムーミン一家』 山室静 訳


トフスランとビフスランは決して、欲ばりで物を盗むわけでもないし、
他人を困らせてやろうというつもりも(本人たちとしては)ありません。
ただ、「見つけたもの」がいいもので、自分たちの役に立つものだと
あまり後先考えずに「使ってしまう」のです。彼らは、この後の場面で
ムーミンママのハンドバッグも「見つけて」自分たちのために使おうと
持っていってしまいますが、ママがバッグをなくして悲しんでいるのを見ると
心を動かされてバッグの返却することにします。


庭へでると、ビフスランがいいました。

「どんたは、あう思う」

「あんなにみマがしょげてちゃ、マてられないな」
と、トフスランは答えました。

「どうやら、いえしてあげなくちゃ、かけないと思うわ。なあ、あさけない。
あのポいさいちケットの中でねるの、ほんとにいい気持ちなのに」

『たのしいムーミン一家』 山室静 訳


トフスランとビフスラン、あっけらかんとしてますね。
このあっけらかんとした感じ、他人のものを勝手に持ち出すことを
あまり悪いと思っていない感じはちょっと前に当番が読んだ
『床下の小人たち』シリーズの「借り暮らしの人たち」に似ています。

「借り暮らしの人たち」は身長20センチ弱の小人たちで、人間の家の床下などに
隠れ住んでいて、食料から生活用品まで人間たちの持ち物を「借りて」生きています。
彼らはあくまで「借りる」といい、人間側ではそれを「盗む」といい(実際のところ、
借りても返すわけじゃないので確かに「盗む」に近い)、人間と借り暮らし屋とは
この点では決して意見が合いません。トフスランとビフスランも、物に関しては
借り暮らし屋と似たような感覚を持っているようです。

「借りて」きたものを「隠れ家」に持ち込むところも似ています。
トフスランとビフスランの隠れ家は、借り暮らし屋さんたちのとは違って、
小学生が作った「ひみつきち」みたいなささやかなものでしたけれど。

また、借り暮らし屋と人間の会話がかみ合うようでかみ合わない感じも、
トフスラン・ビフスランとムーミン谷の住人の会話が妙にかみ合わない感じに
よく似ています。感覚が違うがゆえに会話が微妙にズレる、といえば、
当番はもうひとつ、江戸時代妖怪ファンタジー『しゃばけ』シリーズの
若だんなと妖たちの会話を連想します。借り暮らし屋も、トフスラン・ビフスランも
『しゃばけ』シリーズの「鳴家(やなり)」に雰囲気が似ているんですよね。

借り暮らし屋も、トフスラン・ビフスラン夫婦も、「その物を取られたら
元の所有者がどう感じるか」よりも「自分たちなら、それをどれだけ上手く使えるか」を
優先する傾向があります。物に対して、情的にではなく知的に関わる、とも言えます。
…言って言えなくもない、程度ではありますけれど。

双子座にも、ちょっと借り暮らし屋さんたちやトフスラン・ビフスラン夫婦と
似たようなところがあります。またしても、読んでムッとなさった双子座の皆さま、
ごめんなさい。念のため申し上げますが、双子座の皆さんが他人の迷惑考えず
他人のものを使ってしまう、という意味ではありません。

どのサインも、ひとつ前のサインのテーマを否定することで前に進んでいきます。
牡牛座は牡羊座の開拓精神を否定し、手に掴めるだけの幸福を満喫することを覚えました。
双子座はその次に来るわけですから、牡牛座の「手に掴めるだけの幸福」を
後生大事に抱え込もうとする姿勢を否定します。

双子座は牡牛座の「物のよしあしを見きわる目」を引き継いでいますから、
「いいもの」には牡牛座に負けないくらい敏感だし、「いいもの」が大好きです。
しかし双子座は、牡牛座がよくするように物を「お宝」として抱え込むのではなく、
物の使い道を探して、物の良さを生かすことを「まず」考えます。
あくまで「まず」ですよ。それしか考えないということではありません。

トフスランとビフスランも、「いいもの」を見つけて、
その「いい使い道」を考えついたら悪気なく持ち出してしまいます。
ムーミンママのハンドバッグを寝袋にしたように、その「いい使い道」が
思いがけないものであることもあります。彼らはあくまで真面目に
「物の活用」を考えているのですが、傍目からは「いたずら」や
「悪ふざけ」に見えてしまうかもしれませんね。

双子座はよく「いたずらや悪ふざけ好きの小妖精みたいな雰囲気」と
描写されています。『夏の夜の夢』のパックだとか、『西遊記』の孫悟空だとか、
ピーター・パン、鼠小僧、アニメのルパン三世あたりを思い浮かべていただくと、
だいたい双子座の一般的イメージが掴めると思います。頭の回転がよくて、
弁が立って、逃げ足の速い(笑)いたずらっ子キャラ。よく「トリックスター」と
言われるキャラクターです。

トフスランとビフスランは、双子座のこういう面がよく出ているキャラクターだと
当番は思っています。頭の回転が速く(たとえその思考回路が他人にはわかりにくくても、
速いことは早い)、行動力がある。思い立ったら即・行動。

双子座の面白いところは、思考優先の風のサインであるにもかかわらず、
考えたことを「考えただけ」では終わらせないところです。必ず、実行が伴います。
「思いついたけど、思いなおしてやめとく」ということはありません。
思いついたら、行動してみて確かめる。うまくいけば、そのままゴー。
行動してみて、どうもマズいなと思ったら、サッと引き返すか、逃げます。
実行というより実験といった方が近いかもしれません。

字数制限を喰らいましたので、ここで一旦送信します。






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最終更新日  2010.05.16 07:24:46



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