カテゴリ:星・天体
ネタとしては前回の続きになります。
SXP赤道儀に広角レンズと望遠レンズの2台のカメラを同架させていたのですが、まず(以後少し専門的に書きます)、極軸を結構シビアに合わせた後に望遠レンズの300mm相当でベガ→アルクトゥルス→アンタレスと3点で自動導入アライメントを取り、後は写したい星雲・星団に自動で望遠レンズを向けたのちに位置や画角を調整して、その後に広角レンズの画角を決めて2台同時に撮影を始めるという写し方をしていました(管理人はいつもコレです)。 望遠レンズの画角を先に決める理由は、SXPでは手動補正で記録してあるPEC(微妙にズレる追尾を補正する機能)を働かせているのですが、それだと自動導入直後にすぐ撮影を始めると動作が不安定で星像がゆがむことがあるのですが(バックラッシュ(ギア同士の隙間)の為と思われる)、広角レンズで画角を決めている間にギア同士がくっ付いてそれも解消されるという意味合いも持っています。 今回もカメラのファインダーでは小さい&暗くて見えない星雲・星団に向けた後にISO12800で10秒くらい試写をして、その写りから微妙なずれを調整してISO3200~6400で全て1分露出×4枚で写してみました(各写真は原則として画像補正+トリミングをしています)。 ↑真っ先にレンズを向けたのはさそり座のアンタレス付近と呼ばれている領域(トリミングはしていません)。 本来であればここには赤や黄色やピンクや青や…、カラフルな星雲が写る(ハズ)んです。なので撮影の準備が終わっていの一番(死語?)にレンズを向けたのですが、時期的に今ころではそれでも既に高度が低く、淡い星雲が大気の影響で写り辛かったのかもしれません。 …とするとこの領域の再撮影は来年以降になっちゃうかな。まぁいつかちゃんと写せればいいか。 ↑アンタレス付近の写真は高度が低いことが見てわかったので良く写らないカモ…ってことは想定内だったので、次はこれから高度が低くなるこの星雲にレンズを向けました(ノートリミング)。 いて座の天の川の真っ只中に2つの星雲があり、大きな方がM8干潟星雲と呼ばれているもので、その右上がM20三裂星雲と呼ばれているもの。 ↑上の写真をトリミングしました。 ピンボケになっていますが、何度再調整してもビシっとしたピントを結びませんでした。 ただし撮影を続けていくうちにいいピントが出るようになりましたので、ひょっとしてレンズが外気温に馴染んでいなかったのかもしれません(温度によりレンズが膨張します)。 ↑M8・M20を写した後は、300mmで写り栄えのする天体で思いついた順に自動導入でレンズを向けておりました。 これはNGC7000北アメリカ星雲(ノートリミング)。ファインダーの中では全く見えない星雲なので、自動導入後にISO12800で何枚も試写をしてこの画角を出しています。 ↑秋の天体では大定番のアンドロメダ星雲。 望遠レンズでも広角レンズでもよく写ってくれる天体なのでありがたい存在なのですが、これが写し易くなる時季は秋口となり、=冬が近づいてくるということになるので雪国民としては一概に喜んでもいられない天体でもあります。 ↑越後駒ケ岳と木星の位置関係が面白くなっていましたので、自動導入で木星に向けて70mm(105mm相当)で画角を調整して写してみました(ノートリミング)。 これは赤道儀でガイドをしたまま写すと地上物である駒ケ岳はブレて写ってしまいますので、追尾を停めてその分今度は星が延びて写らない様にISO3200で5秒で写しています。 ↑再びレンズを空に向けて網状星雲というものを写してみました。 この星雲も青や赤などカラフルな星雲なので、いつかはちゃんとした望遠鏡で写してみたい対象です。 ↑秋の星雲のNGC7293らせん状星雲と呼ばれているもの。結構大きくトリミングしていますが、300mmでもそれなりに面白く写ってくれます。 ちなみに管理人としてはこの星雲は手動で入れたことは無く、SXPの自動導入があっての撮影対象になっています。 ↑今頃ならアンドロメダ星雲の下付近にあるM33という銀河です。アンドロメダ星雲ほど大きくはありませんが300mmでも立派に写ってくれます。 ↑管理人の好きな天体の一つであるペルセウス二重星団と呼ばれているところ(ノートリミング)。 街明かりや月明かりの無い真っ暗な所で大き目の双眼鏡や望遠鏡の低倍率で見ると、その視野いっぱいに星が散らばって見れてずーっと見ていても飽きることがありません。 ↑カリフォルニア星雲と呼ばれているもの。世界地図のカリフォルニアに似ているのでこの名前が付いていますが、管理人はどう見てもカリフォルニア半島には見えません。 ↑今回の写真の中では唯一冬の天体であるM45すばる星団。今頃の常識的な時間^^;(22時くらい)ではまだその高度が低いので、他の天体を写しながらすばるの位置が高くなるのを待っていました。 ↑赤道儀を設置していたところからは木が邪魔になり写せなかったところが、撤収(0時頃)するころになると木の陰から出てきていましたのでレンズを向けたNGC253という銀河です。 今回の写真の中では一番大きくトリミングしていますが、それでも面白く写せることができます。これもいつかは望遠鏡でもっと大きく写してみたい対象です。 ↑撤収する頃、まだきれいな星空が出ておりこのまま帰るのも勿体無かったので、70-200mmの70mm(105mm相当)で小さい星座を写してみることにしました。 まずはおり姫さまのいること座。 ↑星座線を入れてみました。 ↑続いて天体観測会でその名前を言うと、そんな星座があるのかと結構ウケの良いいるか座を写してみました。 ↑これにも星座線を入れてみました。 SXPのコントローラーであるスターブックTENには星座を導入するモードもあり、こんな時は重宝します。 もっと星空を写していたかったのですが、翌日は普通に仕事だったので無理をしないよう自重してこれで帰ってきました。 帰りの道中の気温は14度。まだ寒くも無いとは言え夜露で服も湿っていたので遠慮なく暖房を使いながら車を走らせました。 家に着いて車から撮影道具を下ろしている時に空を見上げるとここでもきれいな星空が。さすがに周りが明るいので星を写そうとは思いませんが、こんな貴重な星空こそ願わくばお日様が昇るまで写していたいところではあります。 雪が降るまでにこんな日はあと何回あるのかな?、夏に星のお仕事(観測会とか)をがんばった分、これからは管理人の時間で星空が眺められたらいいところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024/06/16 04:37:08 PM
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