たらたらとぐだります。
ONE PIECE ゾロとナミさんのキャラクターについて
ワンピースのキャラクターが、
脳内の血管を破裂させる勢いで巡っている今日この頃。
銀魂然りなのですが、
キャラクターが本当に生きてしまっている作品って・・・
考えても考えても堂々巡りを繰り返すだけになってしまうんですよ;
だからこのキャラクターはこういう人生軸を持っているから、
主役とこういったところで奇跡の相互作用が起きているわけで、
お互いにカッコよくなってぇ・・・って。
「生きている」・・・ので、
キャラクター対キャラクターのコミュニケーションから、
キャラクターが見えるというか。
更には日々変わっていくというか。
一人の神が創造せし連載漫画では、やっぱそこが一番面白いところだと思います。
こうした堂々巡りの先にたどり着くのが、
「っていうか、最初からそうなってんじゃん!!」 というところだったりします。
なんでこのキャラクターが出てきたのかなぁ・・・というところです。
説明役や、ストーリー上出てきたキャラクター、
「このキャラクターが居れば、これが出来る!」という要素から出来ているキャラクター。
取っ掛かりはいくつもあります。
このキャラクターの取っ掛かり...筋を「ライフ」だとします。
キャラクターは、生きていけばいくほど、
「ライフ」の色濃いキャラクターになると思います。
連載が続けば続くほど、
キャラクターが新しいものに出会えば出会うほど、
作者の方がキャラクターのとっかかりを永遠に反芻していくというか。
銀魂でも思います。
最近、銀魂ってなんなのかな、と考える時、 キーワードとして「迷い」というものが出てきます。
「迷い」と「あきらめ」ですね。
銀さんというキャラクターが、
元々は土方さんで、新撰組チームものやろうと思ってたのに、
うまくいかなくて、
あきらめて外に一人放り出して、
なんでもやるよな生き方をさせて・・・って、
この製作過程自体が・・・銀さんの「ライフ」そのまんまじゃないですか。
作者の方の脳内で、人格が形成される段階自体が、
もうキャラクターの筋なんだと思うんです。
「こういうキャラクターを出そう」という、最初の最初の一瞬のインスピレーション。
本当にこれに尽きると思うんです。
さてさて。
数ある取っ掛かりの中でも「主人公のために出てきたキャラクター」。
ここから入るキャラクターは、やっぱり存在が特別だと思うんです。
「ライフ」自体が「ラブ」になるというか。
そう思います。
今回この考えをぐるぐるめぐらせていたきっかけは・・・ゾロとナミさんです。
この二人のキャラクターについて
なんでなんだ、なんでこんなに魅力的なんだと考えた結果が・・・この結論なんです。
原作をエンドレスリピートする中で、
やっぱりこの二人は・・・なんか違うんです。
特に今回は「船長!船長!」というテンションでず~っと読んでいたのですが、
いや、読んでいたからこそ・・・なんっか違う!
いや、「麦わらの一味」自体が、
「船長が好きすぎてどうしような会」みたいなものだとは思うんです。
ルフィが本当に「大物感バリバリ」なので、
その言葉や導き手・・・そこを信じて、そこに魅せられて人が集まる。
他のキャラクターは、「海賊王になるルフィについていってる」というか。
そこを疑わない、強い強い信頼で一味が成り立っているのですが、
ゾロとナミさんは・・・また少し違う気がして。
とにかく行動原理の全てが「ルフィ本人のため」なんです。
また、船長にとってもこの二人は特別なのがよく分るというか。
なんでなんだろうなぁ・・・と思うと、
やっぱり「取っ掛かり」・・・「ライフ」が他のキャラクターと違うんです。
ウソップやサンジくんは・・・ルフィのためというよりは、
一味のバランスを考えて生まれたキャラクターだと思います。
ウソップはやぱり読者と作品の媒介としての役割が大きいと思いますし、
サンジくんは一味全体を見回しての補佐の役割ですよね。
だからこそ、二人ともバランスがよく、とても優しい。
欲しい所の要素を埋めてくれる存在です。
じゃあゾロとナミさんは・・・というと、存在が「船長中心」だと思うんです。
そもそもこの二人はルフィの両隣に居るキャラクターとして 設定されています。
船長・・・主役が居て、その両隣に位置するキャラクター。
両脇の「男」と「女」を体現したキャラクターでもあります。
・・・で、「カッコイイ」を「男らしい」だと定義したとき、
この二人はそれぞれのジェンダー面で、ルフィを「男らしさ」へ導く役なんです。
まずゾロは「男と男、信頼しあってお互いの意識を高みに向かわせる」関係ですね。
「『格』へ向かう意識」というか。
またの名を「見栄の関係」。
私の実生活における主観なのですが、
男性と話をするとき、最近富みに感じるのがこの「格の意識」です。
若い方でも、年輩の方でも。
会話の中で、男性は昇進や序列に意識が向かっているのを、すごく感じるんです。
一人だとなかなか沸かない感情なんでしょうか。
やっぱりコレは、男同士のアプローチだと思うんですよ。
その「カッコよさ」を演出するためのゾロですね。
「海賊王」と「大剣豪」で、2大柱。
「ゾロ」という名前も、やっぱり「ゾロ目」のゾロだと思います。
スラムダンクの桜木と流川然り。
やっぱり「男らしさ」の演出のひとつの定石だと思います。
ただ、ルフィとゾロは・・・そこに主従関係を持ってきたところが、尾田先生の天才的なところだと思います。
二大柱を平行にさせないで、一直線にするところというか。
ゾロの「格意識」と「忠誠心」を、
登場シチュのインパクトと「武士だから」のビジュアルだけで説明しきるところも;
しかしゾロさんは本当に・・・どんだけ船長が好きなんでしょうか。
ルフィを常に厳しく「高み」の意識へと導き、
そして・・・とにかくめちゃめちゃ甘いですよね;
ルフィの取締り監査役なんですが・・・なんですが、めちゃ甘;
ゾロだけじゃないんですけどね;
ワンピースワールドのキャラクターたちは、
基本的に皆ルフィに甘過ぎだと思います;;
どのコミュニティにおいても、常に最年少であるというルフィの「弟気質」の成せる技でもあります。
えっとえっと話がそれました。
続きまして・・・
ナミさん!
ナミさんは・・・おそらくメンバーの中でも一番・・・なほど、練ってあるキャラクターだと思います。
持っている要素が多すぎ!・・・なんですが、それが全部気持ちよく入ってくるまで練ってある!
ナミさんは・・・まずは「女性キャラクター」です。
当たり前なんですが;
でも、とにかく出したかった「女性キャラクター」です。
ここから全ての要素がくっつけてあると思います。
そもそも、少年漫画における女性キャラクターの役割ってなんなのかな・・・と考えるのですが、
まずはやっぱり、テンションでしょうか。
いや、女の子の笑顔のために男性陣(複数が定石)が必死になる図式は、黄金筋ですから。
・・・と同時に、男性陣が死ねなくなります。
無茶させて、死ねなくさせて・・・女性キャラクターの役割は偉大です。
プリンス・プリンセスモデルはどちらかと言えば女性寄り、 平凡ボーイ・美女モデルは男性寄り、 ナイト・プリンセスモデルは男女兼用・万人共通・・・な気がします。
さてさて。じゃあ、その女性キャラクターをどうするのか。
戦いが強いんじゃ、女性キャラクターの意味がなくなってしまいます。
そこで、「航海士」という冒険に一番必要な要素を持たせたんだと思います。
というか、「ヒロイン航海士」はず~っと考えてあったんだろうなぁと思います。
そしてここからが・・・凄いところです!
「海に愛されている」要素を、主役から完全移行させたんです!
本来なら、「海賊王」が海というフィールドに一番愛されているべきなんです。
そこを、わざわざ主役を「海に嫌わせ」て、ヒロインに持ってきている。
「ナミ」はやっぱり「波」のことだと思います。
ナミさんは、キャラクターとして
「ヒロイン」のまま、どこまで「価値」が付加できるか勝負だったと思います。
キャラクターの成立過程が、「どれだけ大事にするか」ですから、
やっぱりナミさんは・・・一味にとってすごく「大事な娘」なんですね。
一味が「海賊」として成立する際の「お宝」そのものでしたし、
それでいて一味のお嫁さんですし。
アーロンパークの話の練り込み方が、ナミさんを体現しているなぁ・・・と思います。
長い文章になりました;
ONE PIECEという作品が、
要は「ルフィのライフ」に全部集約していく作品なんだと思うんです。
世界もキャラクターもストーリーもみんな。
ただ、それを詰める過程で生まれたものの「段階」があると思います。
「どこを詰めようとしたときに、これが生まれたのかな~?」という部分。
ゾロとナミさんは、その「ルフィのライフ」を
直接両隣で支えるための存在・・・だと思います。
軸に直接かかっていく存在。
だからこそ、ゾロとナミさんに出会えたこと自体が、
ルフィが
ONE PIECEワールドに、
時代に、
そして創造主に、
愛されている何よりの証拠だと思います。
うん。
by姉