ほぼ3カ月間、本気で抜け出せないMAJOR・・・。
各ステージについての感想を一通り吐き出したので、
今度は各キャラクターについて、
気のすむまで、くどくどと語りたいと思います。
『MAJOR』キャラクター感想・その1
茂野吾郎について
なんかもう・・・悔しいんです。
悔しいくらい・・・メロッメロですよ。夢中ですよ。
このキャラクターに。
なんなんだコイツは、本当にもう;
どの野球コミュニティに置いても、
天才の称号を欲しいがままにしてしまう、超人主人公。
指導者やスカウトにはエリート扱いでは飽き足らない
というより、「ここ」に収まりきらない鬼才だという評価を受け、
経営者には、金を稼げる器だと眼をつけられ、
チームメイトたちには、「コイツは別物」と評される・・・。
実父の影響と、
弱小チームに好んで在籍する傾向があったため
ピッチャーポジションが定着していきましたが、
基本的にはバッターや野手ポジションをやっても
その天才っぷりを発揮します。
ビジュアルは以前から知っていたので、
大御所少年漫画の・・・スタンダードヒーローだと思っていたんです。
それが、いざしっかり読み始めたら、
お前っっ・・・!!という突っ込みどころ満載のキャラクターで;
5歳の段階で、
「勉強なんかやらなくても、僕はプロ野球選手になるから大丈夫だよ」
とか言ってて、
・・・おい、その本気の曇りなき眼はやめろ、って感じでしたが、
特に、9歳になった時が驚きました。
「クラス内のいじめ?俺には関係ねー」とか、しらっと言っちゃうとか。
正義?知るか。それより野球だ、という;
本当にコイツは少年漫画のヒーローなのか?
いや、確かにストイックを突き詰めるとこうなるのは分かるけど;;
「生きる」を「野球やる」と読む、
どこまでも偏った価値観の持ち主・・・
自他共に認める、病的なまでの「スーパー野球バカ」です。
読み手として、最初はびっくりして、
「大丈夫なのかコイツは」とか、
あんまりひどい発言の数々に、
「痛い目に逢えばいいのにコイツ」とか思うんですが;
・・・「偏っていること」は、
本人も自覚済みってところが重要なところですね。
発言を拾っていくと、厄介なことに
「野球馬鹿」ではありますが、
決して「頭の悪い馬鹿」ではないんです。
どちらかというと、
幼少期より考え方がしっかりしていて、
変化する生活に対して、自身の位置づけをどんどん適応させていける、
・・・そして、直に干渉されると反射的に反発しますが、
周囲の人々をちゃんと観て、受け入れることはできるという・・・
分かりづらいですが、賢い部類の人間なんですね。
・・・この、
価値観が周囲とズレているので、一見極端で不安定な存在のようでいて、
実はセルフコントロール力が非常に優れていて、
どんな状態でも自身の生活を「野球をするため」に安定させられるという、
意外性がもう。
天才だから出来ることなんですが、
周囲の人間に、「自分はこういう存在だ」と押し切れる。
家族をはじめ、周囲の人への甘え方も頼り方も知っている天才。
大事にしたいモノの順番がはっきりしていて、ぶれない天才。
「バランス力のいい天才」。これに尽きます。
そこそこの数の少年漫画ヒーローを観て来て、こんなに思ったことはない。
・・・羨ましい!!!と。
メジャーという作品は、個人的に・・・
「スポーツ漫画」というより、
「野球で大成する人間を主役に据えた大河ドラマ」です。
他のスポーツ作品と、とにかく一線を画すのが家族描写。
前作・「健太やります!」では、それほど感じませんでしたので、
メジャーでは、やっぱり出だしの「おとさん」というインパクトが、
作品を引っ張ってるんだなぁ・・・と思います。
家族描写がなければ、私はここまでこの作品にハマりこむこともなく、
「おもしろいスポーツ漫画」の認識であっさり読んだと思います。
吾郎くんは、父子家庭・母子家庭(養母)を体験した後、
10歳の時に母が再婚。
「茂野一家」において、両親のどちらとも血の繋がりはありません。
(当然、数年後に生まれてくる年の離れた弟・妹とも)
そして新しい家はかなりのお金持ち;
思いのほか複雑な家庭環境で、最初は「えぇ!!?」って思いました。
少年漫画において、作品の途中で主人公の名字が変わるという
まさかの展開です。
・・・が、この家族が素敵なんですよ><
実父・「おとさん」の吾郎くんへの思いに
婚約者だった桃子先生と、親友の茂野のおじさんがのっかる形で、
新しい家族が形成されていく過程が見事でもう・・・。
お話筋がどう・・・というより、
キャラクターたちが、自身と、
何より吾郎くんの幸せを考えて動いた結果なのが分かるんですよ。
養父母の感情が生きてて、本当に強烈なんです。
その思いを、吾郎くんがちゃんと受けとって感謝してて、
「家族大事だぞ~~」って出来ちゃうのが・・・凄い。
吾郎くんというキャラクターの人生の命題は、
プロ野球で大成することというより、「幸せになること」なんですね。
「幸せ」への躊躇が全くない。
それが、両親・養父母の思いへの何よりの恩返しだって、
分かってるのが・・・凄い。
吾郎くんは、
傍から観たら、捨て身ともとれる挑戦を幾度も繰り返しますが、
「やりたいことやらないままなのは、不幸せだから」出来ちゃうんだろうなぁ、
・・・ってとこまで分かる。
こんな意識描写、初めて観た。
字数制限に引っ掛かりました;
2に続きます・・・。
by姉