映画『銀魂 THE FINAL』感想
コロナ禍の中、躊躇もありましたが、せめて1回だけは…!と思い、行ってきました。映画『銀魂 THE FINAL』(2021年、ワーナーブラザース、宮脇千鶴監督)最終決戦。激突、ターミナル!!!予告編→ こちら。2019年夏に、原作がアプリ配信で完結を迎え、そのラストを、ほぼ忠実に、且つ、触りに行けると感じるほど、立体的でダイナミックに映像化した、群像大活劇・アクションムービーでした。凄かったです。予告編の映像を見たときから、この勢いで映像化なんかしたら、とんでもないことになるだろう、と覚悟していましたが、なんかどえらいとんでもなかったです。素人目にも、明らかに背景美術の緻密さ、キャラクター個々の立体感(影等)が、TVアニメよりギアを切り替えたレベルのものであることが分かるようなクオリティで、本編中、ずーーーっとずっとずっと、ぬるぬるわらわらと、モブを含め、多人数のキャラクターたちがどったんばったんのアクションを繰り広げており、ただただボーゼンとそれを見つめていました。アニメーションというものに詳しくはないのですが、まぁ、「絵は、普通は動かないものだ」ということくらいは、分かります。「あのアクションシーン、作画凄かったね!!」…とかいうレベルじゃないんです。ずーーーっと、派手なアクションシーンだから。銀魂、原作はコミックス全77巻。TVアニメシリーズは360話超。TVシリーズと、今回の映画の間のシーンについては、「セミファイナル」として、配信サイトで全2話を配信するとのことで…本当に、原作の頭から最後の最後の完結まで、どこを切り取っても、のけぞるくらいの立体感・ハイクオリティで映像化された…ということになります。原作銀魂に関しても、編集部がアプリ配信という形式を用意してまで空知先生の納得のいくかたちで、心行くまでしっかりと描き切ることができましたし、また、アニメ銀魂に関しても、1年…1年半近く?…実際にはもちろんその前からもっと…だと思いますが、空知先生の原作筋に全幅の信頼を置いて、製作チームが持てる力のすべてを費やし、それを映像化しきれた…ということで、とにかくもう、「なんて幸せな作品なんだ」、「なんて幸せなキャラクターたちなんだ」と思います。パンフレットをざっと見ても、スタッフ様、キャスト様、アーティスト様たちがこぞって、「幸せだ」「感謝だ」とおっしゃってて、それはちゃんと、鑑賞した映画本編から…また、ここに至るまでの編集部やアニメ製作陣営、各関係会社の動きのすべてから、ひしひしと感じることができるところでした。関わった方たちが、作品を愛して愛して、みんな幸せになれた…いち読者・いち視聴者・いちファンとして、私も、心に1点の曇りなく、「愛される幸せな、この作品のファンで本当に良かったなぁ!!幸せだなぁ!!!」と思えています。今はただただ、これしか言葉が出て来ません。本編については、また心に感情が収まったらぽつぽつと書いていけたらいいな…と思っていますが、そうだな。1つだけ。初期の頃の当ブログに、何度も書いていましたが、銀魂の、数多の超魅力的なキャラクター達…皆それぞれに大好きなのですが、とにかく私は、取り立てて、お妙さんというキャラクターが大好きです。私が、この作品を読み始めた頃(TVアニメ化前でした…)、近い年齢のキャラクターだったことが大きいと思います。もし今、銀魂を読み始めたら、また違ったキャラクターの視点から入っていたかもしれませんが、当時はまだ学生でしたので、社会というものに対する漠然とした不安もある中で、お妙さんの目線から、銀さんと出逢って、また、万事屋がどんどん家族のようになっていくのをずっと見ていた、…そんな感覚かなぁ、と思います。この視点からですと、銀さんも含め攘夷組は、言ってしまうと時代の大変革期に、大きく影響を受けて、大きくつまづいた、年上の世代…です。彼らのような失敗や挫折・崩壊は、もし自身の身の上に起こったらと考えるととても怖いんですけど、でも、着崩した着物をだらだらさせながら、木刀を腰にさげ、スクーターに乗る…「時代錯誤」と「変化への適応」の両方を体現し、「自分は自分だ」と突っ張りながらも、時代と出会いを愛しながら生きる銀さんは、本当に魅力的だと思いますし、大げさではなく、「時代と付き合いながら生きていくための指標」というか、社会・時代というものに対する、不安や否定的な感情への答えのような存在でした。あとはやっぱり、「万事屋」が…社会の変革期に親に死なれ、頼れる人が居ない中、時代に取り残されてしまっていた新八くん(&お妙さんの志村姉弟)と、居場所がなく、宇宙をさ迷って来た天人・神楽ちゃんと、どこか人と深く関わることを避けていた銀さん…という、(+定春!)時代・社会の変化があったからこそ、出会えたこの関係性が、「家族」というか、唯一無二の「万事屋」として、「帰るべき場所」としてあるのが、尊いなぁ、と思います。劇場版前作・「完結篇」のテーマともガッツリ被る部分なんですが、今回、2年間さ迷っていた銀さんが「万事屋に戻って来た」シーン。そこを、ちゃんとお妙さんが見てくれていて、本当に嬉しかったです。真選組について、本劇場版でメインとして描かれていた攘夷組について…まだまだ言い足りませんが、とりあえずこの辺で。『銀魂 THE FINAL』…とにかく、「『幸せ』でした!!!!」コロナ拡大の中、なかなか「本当に本当に、愛しかない渾身作だから!!絶対に劇場に観に行って!!」と言えない、もどかしい状況ですが、急がず…行けそうなタイミングがある方から、予防対策をしっかりした上で、是非。by姉