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2010/08/22
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政府の経済対策によって導入されたエコカー減税および補助金とのセットで、消費者が新車を購入したことによって発生した経済効果は、自動車メーカーを一時的に潤わせて業績を回復させることに成功したが、二度にわたる金融市場の危機でおきた円高の昂進の影響で、企業収益をたちまち大きく失わせるというまことに粗末な結果を生み出していた。

 そもそも環境対策として導入された経済政策であったはずなのだが、温室効果ガスの主要な排出源である自動車の販売台数が増える訳なのだから、環境汚染物質の増加を避けることが基本的にできないという措置となっていた。エコカーに限定された対策という触れ込みではあったが、自動車メーカーが新車に乗り換えさせて得た排気ガスの排出抑制効果より多い有害成分を、販売量が増えれば増えるほど多く吐き出すことになっていた。

 販売台数を制限なく増やすための措置は、業界を潤わせる効果を与えても、有害物質を排出する上限を設定しておかなければ、本来の目的を逸脱した結果を残す。経済波及効果は限定的であり、乗数効果はガソリンの消費量を増やしただけで終わるのだ。


 このような稚拙な経済対策では、国費を使って支援した自動車産業が、本来の目的である環境効果を自ら損う原因となるのみならず、輸出で得た収益を円高に奪われた後、収益減へと切り替えただけだった。浅慮というの他はない。

 国民の税金で国が回復させた自動車産業が得ていた利潤は、円高の影響で大量に失ってしまっていたのだが、この負の経済効果を指摘していたとする報告を見たことがない。要するに国費で温室効果を高めるために自動車産業を元気づけたものの、その収益は最終的に外資を専ら太らせるために使われていた、ということになるお粗末な結果を生むこととなったのだった。

 この顛末を当事者たちは一体、どう思っているのだろうか。環境効果は自動車の販売台数が増えるほどマイナスとなるだけなのだ。乗数効果などは到底見込めず、経済成長が確認されたこともなかった。自動車関連産業全体に大きな負担となっていた。国の財政支出を効果のない対策に、ただ費やしていながら善しとしたのだ。実に皮肉な経過が発生していたのだったが、為政者は政策判断の誤りを恥じることもなかったのである。なるほど無知は罪である。


 知識は活かして使わなければならない。愚かな指導者というものは、国民を不幸な状態へと陥れていることにさえ気づかない。バブル経済の起点となったプラザ合意が行われた後から、この突出した円高になるという傾向は既に観測されていたのだったが、誰一人経過の事実について理解していなかった。この国には、学習能力というものが25年後の今になっても、未だ一向に備わっていないようである。



 既存の政党のすべてには、国を制御するに足る基本的な認識能力そのものが欠けている。問題を問題として理解することができていなければ、有効解を引き出すことなどできるはずがない。健全な認識能力が政界の成員の一人にでも残されていたのなら、イラク戦争に加担するという愚かな選択はなされていなかった。この戦争に参加した国々の一部では、過去の事実に対する総括が国民の手によって進められるようになっていた。

 日本でそのような変化がおきたことは、ない。誰もしらないからである。無関心なのは、国民のもつ得意技のひとつなのである。権威に従っていれば間違いはない、とそう思い込んでいる。過去の戦争は権威による判断の誤りであることを、未だに理解していないようである。

 責任は与党だけでなく、野党の側にもあったのだ。スジの通らない話が、アメリカの思惑通りの形でどんどんすすめられていったという経過が記録にある。マスコミがいらざる正義感で積極的な報道姿勢を示し、国民の感情を呷っていた経緯が残されている。米軍のイラクからの撤収は、今月末までに計画通りに終わる見通しである、ということだ。

 この大義なき不毛な戦闘で命を奪われた若い兵士と、誤爆や自爆テロなどの犠牲となった多くの無辜の市民たちは、当時のブッシュ共和党政権と、軍産複合体制の利益を代表する存在であったラムズフェルドの共謀によって、落とさなくてもよい命をあたら大量に奪われたのだ。健善で正しい認識がなされていなかった、ということが引き起こしたまことに不幸なできごとであった。

 僅かとはいえ良識を残していた指導者たちは、この侵攻作戦が続けられている間に、辞任を自ら発表して政権の座を降りるという連鎖が起きていてよい。問題の本質を悟った者は、とるべき行動が何かということをその場で悟るからである。

 ソ連亡き後の軍事力の保持とその拡大を目論む軍需産業と、原油相場の基準とされるWTIを成り立たせている原油の産地であるテキサス出身の大統領とが、功名心を満たすと同時に利益の拡大を謀ったことによって、中東産原油の一大産出国の一つであるイラクを、戦後の日本が辿った経過と結果とがいまそうなっているような状態となすべく、間接的に巨大な油井とその利権を支配することを目指して始められた戦争だったのである。

 その表立った理由とされてきたのが、9.11に対する報復戦ということであったのだった。これを名目として米国民の支持を取り付けた上で、イラクに大量破壊兵器があるとする根拠のない情報に基き、国連の制止とドイツとフランスの批判を強引に押し退けて、侵攻を開始したということが、このイラク戦争にみられる特異な点である、とされている。

 同時多発テロの首謀者をアフガニスタンの禿山に追い詰めておきながら、意図的に取り逃がしていたという顛末は、イラクでの戦闘を合法化するための措置であるに相違ない。人工透析を必要とする病いをもつテロ首謀者を、呆気なく取り逃がす、という失態を優秀なことで知られる米軍が犯していたのだ。ブッシュ政権にとって有益な価値をもつ人物をそこで始末してしまうより、生かしてテロの危険性を拡大させることに役立てた方が、軍産複合体制にとってその後の活動を有利な条件で進めることができるからである。

 敵の存在を常に必要としているアメリカにとって、ソ連という具体的な敵が消えた後で重宝したのは、反米感情を剥き出しにする民間のテロ組織の他、イラクの元大統領であったフセイン政権下の独裁体制と、宗教革命以来避け難い因縁のあるイラン、そして日本を脅かす姿勢を故意に示し続けていた北朝鮮の三か国だったのだ。

 中東に位置する二カ国は共に原油の産出国という共通点をもっていたことから、イラク戦争の次のターゲットがイランであることを察知していた宗教的指導体制は、核を保有する選択を為さざるを得なかった。その直前にブッシュによって悪の枢軸の一つとされていた北朝鮮が核開発を隠密裡に圧し進め、核実験を小規模なりと雖も成立させていたことが、アメリカからもののみごとに譲歩を引き出した事実があった。核を拡散させる原動力となっていたのは、力を誇示することで平和が維持されていると、勝手に誤認していた当のアメリカだったのである。

 そのアメリカが推進してきたドル経済圏は、イラク戦争の戦費を調達するための石油市場と化したことによって、ドルの過剰流動性を極限にまで拡大させただけでなく、ドル余り現象を蔓延させて金融危機まで勃発させていたのだ。自業自得というしかない粗末な結果であろう。

 世界各国は原油相場の高騰が五年間も続くようになったことから、資源インフレに世界中が苦しむ破目へと陥った。そのことが結果として、グローバル経済の下で財政収支を一層悪化させてしまっていたのだ。過剰な債務負担に陥った国が破綻に瀕するという惧れが、高い確率で生まれでていたのである。これらの経過がユーロ危機の発端となったもの。これも円高を推し進めることとなった要因、のひとつとなっていたのであった。


 要するに軍事力の差を世界に誇示していなければならない立場のアメリカが、軍備の増強を焦って存在していなかった敵を作り出す必要性に迫られたことから、フセインにクェートを攻撃するよう教唆し、戦線をイラクの固有の領土まで後退させる戦い、即ち湾岸戦争で米軍のもつ最新の力を見せつけることにみごと成功したのだった。このシナリオの段階から、ラムズフェルドは政権の中枢として関わっていた。

 この時の大統領はパパブッシュ。湾岸戦争での際立った戦功は、アメリカの側に著しいものがあった。だが、それを得るために必要となった増税を、米国民はしかし許さなかった。パパブッシュは再任することを拒まれ、大統領としての職責を一期四年で終わらせたのだった。

 ブッシュジュニアの時代がくるのは、クリントン政権を挟んだ八年後のことである。その期間に増税なしで戦費を調達する方法を編み出し、9.11を誘発させる段取りを整え、米国民のテロに対する憎悪を最大化させる戦略を練り上げていたようだ。ブッシュジュニアが大統領になってから、さまざまな変化が矢次は野に起きるようになっていた。

 テロ組織はアフガニスタンで壊滅状態になっていたのだが、多国籍軍がそこに展開していながらも、タリバンの勢力は息を吹き返して戦闘状態をより深刻化させていた。米軍が今月中にイラクから撤収しても、アフガニスタンでの戦闘は長期化し、既にベトナム戦争の期間を大きく超えるほどになっている。

 米政権が力を誇示するやり方から抜け出し、経済を発展させることによって安寧が導ける、ということを事実として示すことができたなら、世界の軍拡競争は止められていたかも知れない。しかし、インディアンの土地を奪って新大陸を我が物とした侵略者たちの末裔は、あらたなる侵略者からの攻撃に常時そなえていなければ、安心して夜も眠ることができないという病いから抜け出せなくなっていた。

 強迫神経症という宿痾の病いに、米国民の多くを罹患させていた歴史的な経緯があったからである。アメリカという国は敵の存在だけでなく、同盟関係の維持も同時に必要としている国なのだ。
 アメリカは当時単独では力で世界を抑えきれない、ということをよく承知していたようである。平和状態の実現は遠ざかるばかりとなっていて、これまで一向に近づいてこようもとしていなかった。湾岸戦争で戦闘能力の高さを映像として見せつけることができたため、当時反米国家の雄となっていたリビアを、たちまち自発的に帰順させる結果を生んだ。こうして力を世界に対して誇示することができたアメリカは、十年後にイラク戦争を始めてしまうこととなったのだった。

 





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最終更新日  2021/05/09 07:35:10 AM
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