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地表で生じた自然の産物である水がどんなに増えたとしても、それが気候変動に結びつくようなことはまずない。もともと水だったものが大雨を降らせるようになったところで、地球のもつ水の絶対量が増えたということにはならないからだ。文明が経済成長を目指すようになった時代を経て、大量の地下資源を世界中で一斉に燃やすようになっていき、熱エネルギーを効率的に確保する必要性を高めてきた。 地下資源を燃やして得た熱の利用の高度化がすすみだしたことにより、地下資源の消費が着実に増えていったため、メタンを中軸とする炭化水素系化合物が、燃焼炉の中で空気中の酸素と結びつき二酸化炭素と熱水蒸気とを、大気中へと高温状態で二種類の酸素化合物を同時排出することとなり、もともと自然界には存在していなかった合成された人造の水を、ガス化した状態のまま大気中へと大量に放出することが、火力発電所の慣例行事となったのだった。 この過程を通じて炭化水素を燃やして熱を取り出し、蒸気機関を発明して産業革命の成立を導き、後には電気エネルギーとして取り出すことを可能ならしめ、経済を拡大して富の生産効率を改善しながら、国の発展に利用することができるよう、その熱の活用法を熱心に工夫してきたということが、文明の進歩に大きく寄与したのはマイ切れもない事実。 交流電流の特徴は起電力を制御することが任意にできる、というその点にあったのだが電圧の制御もまた簡単にできたことから、その後短期間で世界標準の電流として認められることとなったのだった。電圧の制御を可能にしたのは変圧器の発明だったが、電圧を高めてやると電流値は自動的に小さくなる、という変化を利用することができたことから、電気抵抗を高めたことて熱損として消えていた電流の多くを、大きく減らすことができるようになったのだった。 電信柱を繋いでいる配電線を遠くまで辿っていっても、終点がどこにあるのかさえわからないほど、その延長距離は極めて長く伸びていて、どこまでいっても電源の追加関与を求めなくても、電力の安定輸送が問題なくできるようになっている。 これこそが交流電流だけにしかできない、電流を増幅して際限なく再生産している具体的なその方法。変圧装置と編成装置とでつくる意味のあるカップリングが、電力の長距離輸送を安定的に成り立たせるための世界標準となったのこの理由による。 直流電流が蓄電装置に貯めて置くことができるのとは反対に、交流電流はそのままでは貯めておくことがまったくできない。交流電流は直流電流にはない特別な要素である、周波数というものに強く縛られているからである。この制約に拘束されているのが交流電流の宿命なのである、ということが常に一定の回転数を電源に与えておかなければならなくしたのだった。 太陽電池をどんどん増やしていったとしても、交流電源である火力発電所が運転を続けている以上、化石燃料の消費量は常に一定となっていなければならず、CO2濃度を引き下げることは最初から不可能となっていたのだ。この事実を知らない世界中の知識階級に属する人々が、再生可能エネルギーを増やせばその分だけ化石燃料の消費が減る、と根拠を確かめないで勝手な解釈を施して拡散させたのだった。 大気中のCO2は世界規模で削減努力を熱心に続けていながら、結果は却って逆に増えていた、という経過の事実がその証拠として残された。こうしてパリ協定が誕生したとはいうものの、すべての国が罰則規定のない削減義務と承知の上で、参加することを例外なく見送った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021/02/12 09:13:51 AM
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