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テーマ:時事問題評論(3069)
カテゴリ:経済
丹羽氏は,産經新聞(平成9年1月20日付)に次のように書いた。
明治維新のときに,由利公正の献策によって,「政府紙幣」(すなわち銀行券ではない)である「太政官札」や「民部省札」が発行されて,それによって維新政府の歳出の大部分がまかなわれた故知にならって,現在も,同様に「政府紙幣」を発行紙,それを用いて既発国債の償還などをやればよいのである。 古来,政府が財政収入を得るみちとしては,(イ)租税収入,(ロ)国債発行,(ハ)通貨発行--の3つがあるということは周知のところである。現在の日本では,この(イ)と(ロ)がほぽ限界にきているのであえるから,当然(ハ)の「通貨発行」(現実的には「政府紙幣」の発行)に依拠すべきなのである。もちろん,国際とは違って,発行された「政府紙幣」に対しては,政府は利息を払う必要もないし,それを償還する必要もない。それは正真正銘,政府の財政収入となるのである。(『日本経済再興の経済学』(原書房)p. 170) 「政府紙幣」を発行したりすればハイパーインフレを起こすことが危惧されもするのであるが,現在わが国は膨大なデフレギャップが発生しているため,論理的にインフレギャップが発生することはないと丹羽氏は言う。 現在わが国の経済には大規模なデフレ・ギャップという形で,巨大な「生産能力の余裕」が存在しているのですから,たとえば,「政府紙幣」の発行を財源として…政府が全国民に一律,一人当たり30~40万円の「臨時ボーナス」を支給するといったやり方で,大々的な総需要拡大政策を実施したとしても,それに対応して,企業が稼働率を高めて生産を増やし,実質総生産が大幅に伸びますから,結局,物価は安定したままということで済むことになります。そういう政策によって,物価が安定していて,しかも,実質成長率が高くなり,国民の生活水準が大幅に向上するわけですから,それでいいじゃないですか!(同) 余りにも話がうますぎるのでにわかに信じがたいようにも思われるのであるが,逆に言えば,これまでも「政府紙幣」を発行することで国債の発行を抑えることが出来たのであるから,政治の無策が責められるべきであるとも言えるだろう。 専門的に研究したわけではないけれども,直感的に言って国力の増大とともに貨幣流通量を増やすことは自然のことであり当然のことなのではないか。 政府は一刻も早く「政府貨幣」発行を検討すべきである。(終) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.01.24 03:52:14
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