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カテゴリ:時事問題
防衛省が「存在しない」としてきた陸上自衛隊イラク派遣時の日報が出てきた。これに対し読売新聞社説が「陸自イラク日報 過酷な環境下の活動が分かる」などと呑気な見出しを掲げているのに私は驚いてしまった。
《自衛隊が過酷な環境下で復興支援活動にあたっていたことを示す貴重な資料である。これまでのずさんな管理体制を改めて、将来の海外派遣に役立てねばならない》(4月18日付読売新聞社説)
だから駄目なのである。本質に踏み込もうとせず、ただこのような小賢しいやり方でお茶を濁そうとしていて済まされる状況に日本はない。今や日本は「森友、加計、日報」問題で蔽(おお)われ、外の世界が見えなくなってしまっている。北朝鮮問題然り、南シナ海問題然り、である。 これらの問題に対処するために環境を整えておかなければならないのに、政局で身動きがとれなくなってしまっている。大きな問題が起こっていないから平然としておれるのであろうが、 《水を入れた鍋の中にカエルをそっと坐らせておき、今こそ跳び出す時だと悟られぬように、極めてゆっくりかつスムーズに温度を上げていくと、カエルは結局跳び出さずにゆで上がってしまう》
何かあれば米国が守ってくれるということを当てにした「専守防衛」では済まされない状況が日本を覆いつつある。日本だけが平和であればよいという「一国平和主義」では許されない環境に日本は立たされている。そういう認識を国民が共通して持たなければならない。だからこそ国会において「熟議」が必要なのである。 「熟議」なしに、いきなり憲法改正に歩を進めようとしても反発を喰うだけである。まして現行の9条と矛盾するような項目を加えて自衛隊の存在を合法にしようなどというのは猫騙しに過ぎるし、一旦緩急あれば命を賭して活動しなければならない自衛隊員に対しても失礼である。 《イラク復興支援特別措置法で、自衛隊の活動は非戦闘地域に限られていた。野党は日報の「戦闘」の表記に、「政府の説明は虚構だった」などと批判している。
十数年前の資料を巡って政府を責めるのは非生産的である》(同、読売新聞社説)
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Last updated
2018.04.18 22:00:11
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