カテゴリ:デザート
さて、暫く日にちが空いてしまいましたが、美味しい焼き芋の焼き方の続きです。
前の記事は 2019.12.16 気になるスイーツ 天空のチーズケーキの後半にあります。 美味しく焼くにはどのような加熱するのがいいのでしょうか? 私の好みは蒸し芋系ではなく、石焼き芋系なので、 石焼き芋の焼き上がりを目指して加熱法を考えます。 必要な要素はデンプンを糊化すること。熱により変化します。その温度は60度~70度です。 次に糊化したデンプンを麦芽糖にすること。酵素(βアミラーゼ)により変化します。 その温度は60度~85度です。ピークは75度。 アミラーゼは酵素なので65度を過ぎると失活が始まり、85度で完全に働かなくなるようです。 この要素が同時並行的に行われます。 よって、芋の中心温度65度~70度を長時間(30分以上)キープ (糊化・麦芽糖化(前半加熱))の後、 高温でさらに焼き、余分な水分をある程度抜き甘さを濃縮し、 焼き色を付ける(麦芽糖化・仕上げグリル(後半加熱))2段階での加熱方法を考えます。 これらの事がうまい具合に糊化から仕上げグリルまで出来るのが石焼きなのです。 石焼きは遠赤外線の効果で熱が外側だけでなく中まで達します。 よって、ムラなくゆっくり熱を通す事が出来るのです。 それでは、家庭ではどうすればいいのでしょうか。 遠赤外線での加熱という事で考えると珪藻土の七輪で炭火を使って焼く。 土鍋・鉄鍋の中に石を敷き焼く。などです。 私の環境ではこれらの方法は少し難しいので、もっと簡単な方法を考えてみたいと思います。 使えそうな調理器具は、炊飯器、電子レンジ、トースター、鋳鉄製タジン鍋です。 まずは炊飯器から検討します。炊飯器には温度を一定に保つ保温モードがあります。 メーカーによって若干温度の設定が違いますが72,3度くらいです。 じゃあ、これで焼けばいいのではと思いますが、 数時間程度の保温モードでの加熱では芋の中の温度が上がらずあまり糊化しないようです。 丸1日くらい保温すればしっかり糊化・麦芽糖化するのかも知れませんが、 炊飯器が占領されてしまうのでちょっと困ります。 そこで多くの方が水を芋の1/3位の水位まで入れ玄米モードで炊飯(前半加熱)しています。 普通モードで炊飯(前半加熱)している方も見受けられます。 その後、1~2時間くらい保温モード(後半加熱)にしておくようです。 普通モードより玄米モードの方がじっくり加熱となるのでいいとは思います。 普通モード、玄米モードどちらでも、ちゃんと糊化・麦芽糖化するようです。 少し温度が上がり過ぎなのではと思いますが、 簡単だし、乾燥する心配がないのでいい方法だと思います。 ただ、炊飯では芋の中の水分がタップリ残っていますので、 水分を適度に抜いて甘さを濃縮し、焼き色を付ける為の加熱が必要です。 次に電子レンジです。 電子レンジは加熱するものに含まれる水分を振動させて加熱するものなので、 W数・時間によって出来上がりが全く変わってきます。 加熱時間が短いと熱が入らずカチカチのまま、 加熱しすぎると水分が抜けてしまい干からびてバサバサなんてことに。 さらに短時間で熱が入ってしまい甘くならないことにも。 私も今まで500wのみを使って加熱していましたので、 まともなものは出来たためしはありませんでした。 ただ、さつまいもの特性をある程度理解すると使い道はありそうです。 多くの方がやっているのが500w又は600Wと 200W又は解凍モードを使い分けての2段階加熱です。 500w又は600Wで前半加熱、 200W又は解凍モードで後半加熱の使い分けといった具合です。 500w又は600Wで1分30秒~2分、200W又は解凍モードで8分から15分加熱が多かったです。 電子レンジでの加熱の場合、 加熱により水分が抜けるのを防ぐ為にキッチンペーパーや新聞紙を濡らしたものを芋に巻き、 更にラップで包んで加熱する必要があります。 そうしないと悲惨な結果となってしまいます。 前半加熱には使えそうです。 500w又は600Wで1分30秒~2分の加熱で内部温度が70度くらいになるようです。 この前半加熱で85度まで行ってしまってはお終いですから加熱のし過ぎは要注意です。 炊飯器の玄米モード炊飯と比較すればおよそ1時間は時間短縮になります。ここがメリットです。 加熱方法・時間の違いによりどのくらい味わいに差が出るか気になるところですが、 出来上がり次第では、その時々の都合での選択もありかも知れません。 炊飯器同様、別の手段で後半加熱が必要です。 次のトースターは熱源の数や熱量、距離が機種により全然違うので レシピ化は少し難しいと思いました。 炊飯器やレンジで前半加熱後に後半加熱でトースターを使っている方が多いようです。 トースターは熱源との距離によってアルミホイルを被せたり、 巻いたりなどの判断をする必要があります。 加熱時間は糊化の状況次第でしょうが10分程度の加熱が多かったです。 ここは焼き色、水分量、柔らかさなどを確認しながらということになります。 最後のタジン鍋には材質がセラミック製、陶器製、鋳鉄製とありますが、 私の所有しているものは鋳鉄製ですので鋳鉄製で検討します。 鋳鉄製タジン鍋(蓋は陶器)は蓄熱性が高くゆっくり加熱になりますから、 ホットケーキを焼いた場合、フッ素加工のフライパンよりもふっくら出来上がります。 ですので、前半加熱、後半加熱、どちにも使えると思います。 石を入手すれば石焼風にも出来そうです。 前半加熱からタジン鍋を使う場合は、乾燥を防ぐ為に濡れた新聞を一緒に入れたり、 包んだりする必要があります。 中火で10分ごとにひっくり返しながら30分から40分焼くといったレシピがありました。 後半加熱に使う場合、タジン鍋を熱してから弱火にし、芋を入れ5分に一回焼き、 色・水分などの様子を見ながらひっくり返し20分程焼くのが良さそうです。 以上の点を踏まえて、総括すると、 私の環境では時間がなく早く食べたいときは、 加熱時間が最短の組み合わせの電子レンジ500W(2分)+トースター(10分)。 この組み合わせの場合、どこまで甘さを引き出せるか分かりませんが、 それなりには出来るようです。 時間に余裕があってより美味しく食べたい時は、 最長の組み合わせの炊飯器(約1時間)+タジン鍋(20分)の組み合わせです。 焼き加減も調整しやすそうです。 この組み合わせがベストの組み合わせになりそうです。 加熱時間を比較すると前者は12分、後者は1時間20分くらい?となります。 そのうち時間のあるときに検証実験をしてみたいと思います。 ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 25, 2019 06:30:46 PM
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