テーマ:天文(606)
カテゴリ:10文
旧暦の八月十五日は十五夜。この日の月は「中秋の名月」として知られており、お月見をする習慣がある。
今年の中秋の名月の日は10月1日だ。日付上は満月の前日だが、満月の瞬間は2日の朝6時ごろなので、1日の夜の名月は肉眼ではほぼ丸く見えるだろう。天体望遠鏡で大きく拡大してみると、左(東)がわずかに欠けているのがわかるかもしれない。 さて、十五夜が満月の前日になっているのだが、このように十五夜がに満月になるとは限らない。 「十五夜」というのは「新月の日を1日目としたときの15日目の夜」ということである。ある日付が「満月の日」というのは、その日のうちに「月が望、つまり地球から見てちょうど太陽の反対方向を通る瞬間を迎える」ことを意味する。「新月の日」も「月がちょうど太陽と同じ方向を通る瞬間(朔)」を含む日と定義される。 新月から新月まで(月の朔望周期)は約29.5日なので、新月から満月までは平均すると約14.8日。たとえば「1日の23時に朔」だとすると、十五夜は(14日後の)15日となりますが、望は平均的には14.8日後の「16日18時ごろ」なので満月の日は16日になり、1日ずれることになる。 さらに、月の軌道が楕円であることなど様々な理由で、朔から望までの期間が14.8日からずれることもある。こうした複合的な理由から、十五夜と満月の日は一致しないことが多くなる。 とはいえ「秋の真ん中」は八月十五日なので、たとえ満月とずれていても十五夜こそが中秋の名月。もちろん他の日の月も美しいが、とくにこの日には名月を眺めたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年10月01日 19時30分04秒
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