カテゴリ:絵画関連
NHKのBSテレビ番組『中谷美紀 日本ノ宝 見ツケマシタ』(というようなタイトルだったと思いますが…)をぼんやり見ていたら、日本美術評価に大いに貢献したフェノロサやビゲローらが出てきて、“明治の日本美発見物語” を描いていた。
そんな番組の案内役である女優:中谷美紀さんが訪ねて行った先の一つが、京都の町の真ん中にある杉本家。 この杉本家は、住宅そのものが市の指定有形文化財に指定されている旧家なのです。 そしてお目当ての作品が、杉本家に代々伝わっている俵屋宗達の「秋草図屏風」というもの。 私は初めて見る絵だった。この八曲一隻という珍しい屏風形式の作品は、今まであまり美術書や画集などで紹介されたことがなかったように思います。 朝日新聞社発行の『國華』という東洋古美術の歴史ある研究雑誌があるのですが、この作品は2000年に、その『國華』に掲載されたことがあるという、その程度の露出しかない作品なのです。 俵屋宗達にこのような名品が、それもひっそりとあることをまず知りませんでした。 この『秋草図屏風』は、その名の通り秋草が乱れ咲く秋の野の様子を描いた比較的小さな屏風で、珍しい事に八曲一隻という私が初めて知る事になった形式の屏風です。 右半分には中間色を多用した菊(キク)や桔梗(キキョウ)が、左半分には右に大きく撓む萩(ハギ)や芒(ススキ)が、画面下方には秋海棠(シュウカイドウ)、山帰来(サンキライ)、藤袴(フジバカマ)、薊(アザミ)等の草花、中ほどには菊や萩、さらにその上には芒が描かれているという。 番組を見た後に調べてみると、この屏風は祇園祭のときに時々展示されるそうで、今年の祇園祭には展示されたそうです。次は再来年なのか?それとも来年も出されるのか? いつ出されるのかは分からないというのです。 もう少しこの情報を早く知っていれば、今年の7月にこの作品を観ることができたのにと、ちょっと残念がっております。 何せこの作品の写真図版も、見つけるのに苦労しましたから。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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