あいも変わらずダントツに強いジャマイカのウサイン・ボルト選手。
陸上競技の短距離種目では、しばらくはこの人の持つ記録を抜く人は出てこないのではないかと思わせるほど強い。
走っているフォームやそのピッチなどをみていると、なにも速い感じは受けないのですが、ゴールしてみると圧倒的に他を引き離して勝っている。なんだか彼だけは本気では走っていないかのようである。
そのボルト選手が、あと残している種目が『400メートルリレー』です。
その予選でわが日本チームは、そのジャマイカチームと同じ組で走った。
結果は、ボルト選手が入っていなかったにせよ日本チームがジャマイカチームに先着、37秒68のアジア新記録を出して1着で入線(全体でも2着)した。4人のメンバー誰一人として10秒を切っていないのにである。
そのレースを見ていたボルト選手が、日本チームのバトンリレーを絶賛していたという。
それほど日本チームのバトンリレーは優れているのである。もちろんそれは練習の賜物であることは間違いないが、なんといってもお家芸ともいうべき “アンダーパス” に磨きをかけているからに他ならない。
リレー競技は常にバトンパス時に多少失速するものですが、その失速度合いを限りなく小さくするために日本が編み出した技なんです。
この技を日本チームが使っているのは他国チームも、何年も前から知っている。
でも他国チームはこれを導入しようとはしていないのは、そんな一夜漬けでできるようなものではないからだし、同じチームでも個人競技である陸上短距離選手が、チーム練習に大きな時間を割くとは思えないのだ。
日本チームは外国選手たちと比べてフィジカル面で劣っている分を何とか技術で補おう、あるいはそれで追い越そうと研究してそれを練習をかさねて、実戦に使うまでに漕ぎつけているのです。
あと数時間後の決勝レースで炸裂するだろうか『アンダーバトンパス!』。