先日ご近所の奥様から「実家からたくさん送ってきましたので、お裾分け」と言って立派な『カキ(柿)』を紙袋に入れていただいた。そんなことがあって思いついたネタです。
”『柿』食へば鐘が鳴るなり・・・” と ”薬師寺東塔の改修工事の『杮』落とし・・・” の『柿(かき)』と『杮(こけら)』という字のこと、パソコンワードで出すと同じ字が出てくると思いませんか。ところがこの二つの漢字にはまったく何の関係もない別の文字です。
まず『柿(かき)』の方はともかく、『杮(こけら)』というのは『こけら落とし』と用いられることが常で何のことか説明すると、<<新たに建てられた劇場などで初めて行われる催しのこと、その演目はそれぞれの劇場の特性に合わせた内容で、おおむね慶事の内容であることが多い>> とある。
そこでそもそも『杮(こけら)』とは何ぞや? 材木を削った際の木片のことであり、『こけら落とし』とは建設工事完成の最後に屋根などの木片を払うことが語源になっている。
この『柿(かき)』と『杮(こけら)』はもちろん同じ字ではない。
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![](https://image.space.rakuten.co.jp/d/strg/ctrl/9/174fb36f5eefb52ff7a40e92016df1c92ec854a6.65.9.9.3.png)
字画数も『柿(かき)』の方は ”木扁になべぶたの下に巾” で九画ですが、『杮(こけら)』の方は ”木扁に一の下に巾を書くのですがその縦棒が一を貫いている” ので八画の字ということです。
つまり『柿(かき)』はなべぶたと巾の間には少しの空きができるということで、『杮(こけら)』にはその空きが無いということです。