ちょいワルおやじのひとり言

ＫＹ二所ノ関親方「見に来る人増えれば...」 (スポーツニッポン)

記事写真 　ＮＨＫ中継中止を受け、報道陣に対応する名古屋場所担当部長・二所ノ関親方

　野球賭博問題で揺れる日本相撲協会に新たな衝撃が走った。この日、ＮＨＫが史上初となる名古屋場所の生中継中止を発表。協会関係者には驚きと落胆の色が広がった。一方で、名古屋場所担当部長の二所ノ関理事（元関脇・金剛）が「（中止で）見に来たい人が（場所に）来てくれれば」と"ＫＹ発言"を口にするなど、相変わらず危機感に欠けた状態であることも露呈した。

　名古屋場所の会場となる愛知県体育館の先発事務所では、生中継中止の知らせを聞いた相撲協会関係者が驚きの反応を見せた。名古屋場所担当部長の二所ノ関理事は「本当にショックで残念。でも、ＮＨＫが熟慮に熟慮を重ねたことなので、われわれも真摯（し）に受け止めなければならない」と神妙な表情だった。

　友綱理事（元関脇・魁輝）は「会場に足を運んでくれた人たちから"来て良かった"という声が出るような土俵内容にしなければならない」と力士たちの奮起を促したが、ある親方はダイジェスト放送について「（取組後に）礼をして引き揚げるところまでがだいご味なんだが...」と悔しさをにじませた。各部屋の力士たちの表情も硬く、陸奥部屋のある若手力士は「寂しいですね。楽しみにしている人もいるのに」と肩を落とした。

　しかし、数々の不祥事にも自浄作用を発揮できなかった相撲協会だけに現状認識の甘さも相変わらずだった。二所ノ関親方は「（中継がなくなって）見に来たい人が（場所に）来てくれれば」と能天気な発言。大相撲中継が中止となる事態が、いかに深刻か分かっていないと言われても仕方ない"ＫＹぶり"だった。相撲協会では公式サイトで配信している幕内全取組の動画をリアルタイムで流すことも計画しているが、ある関係者は「中継がないと（サイトへの）アクセス数が増えるかもしれないね」と緊張感のない笑いを浮かべた。

　また、謹慎中の武蔵川理事長（元横綱・三重ノ海）は体調不良もあってコメントを出さず、村山弘義理事長代行も会見を拒否。相撲協会広報部を通じ「このたびのご処置を厳粛に受け止めています。協会においては、新生した姿で名古屋場所を立派に務めるべく、全員一丸となって、総力を挙げて取り組みます。皆さまの変わらぬご支援のほどお願い申し上げます」と、ありきたりの談話を発表しただけだった。広告代理店関係者は「何もしなくてもＮＨＫから大金が入る。協会全体に"ごっつあん体質"が染み付いている」とバッサリ。ＮＨＫからも見捨てられかけている現状に気づかないようでは、真の改革はできそうにない。

　≪代替案はネット生中継≫ＮＨＫが生中継を中止することの対応策として、名古屋場所担当部長の二所ノ関親方は"ネット生中継"を計画していることを明かした。「インターネットで相撲を見られるようにすることを調査しています」と話した。日本相撲協会は９６年秋場所から協会の公式サイトで幕内全取組の動画を配信。今年５月の夏場所からは携帯サイトでも有料で同様のサービスを開始しているが、生中継となると初の試みとなる。