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トルコとイスタンブール、ちょっと投資

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2007.10.13
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カテゴリ:社会問題
 今日は、「クルド問題 その3」です。

 今日は、トルコをはじめとするイスラム教徒の国では、「砂糖祭(シェケル・バイラム、ラマザン・バイラム)」で、平和を祝う祭りでもあります。が、「テロ問題」という、ちょっとシリアスな問題について書きます。

 クルド人の組織であるPKKによるテロは、クルド人による国を作るための、トルコからの分離独立運動の一環であり、当初(1980年代)はトルコ軍、トルコ警察を主な対象にして行われたものであること、また、テロ活動を続けて行くにしたがって、トルコ軍等による反撃も厳しくなり、双方に多数の犠牲者が出てことを、昨日、紹介しました。
しかし、時間がたつにしたがって、トルコ軍・警察のみを襲うのでは効果が十分ではないと思ったのか、テロ活動も、都市における無差別テロ(含む、自爆テロ)の様相を呈するようになりました。都市にも、クルド人は相当の数が移住しており、イスタンブールを中心に、クルド人が多数住んでいる都市では、テロ活動、暴動などがしばしば発生しています。あたかも「トルコ(政府)を応援する者は、クルドの敵である」といわんばかりに、観光客を狙ったテロも多発し、ずいぶん前には日本人の旅行者もPKKに誘拐されたことがありますし、一昨年の2005年には、イギリス人、アイルランド人に犠牲者(死者)が出ました。

PKKのテロ活動の目的を考えると、(1)トルコ軍・警察に被害を与える(独立を獲得するための直接的行動)、(2)トルコ人、外国人に、クルド人の独立の要求を伝える(トルコ人恐怖を与えるとともに、外国にPKKの存在をアピールする)、(3)トルコの観光収入を断つ、トルコ政府にクルドの要求を呑むよう、外国政府からの圧力を掛けさせる(収入を断ち、外圧を利用する)といったようなことが考えられます。
昨日も書きましたように、クルド地域には貧しい、また、文明の恩恵を享受できていない人もかなりおり、文化的権利も認められていないといった状況も確かに存在していました。そのため、多数のクルド人がヨーロッパ諸国に亡命し、様々な団体を作って反トルコ・キャンペーンを実施したために、「ヨーロッパにおいては、元々良くなかったトルコのイメージが、クルド問題のためにいっそう悪化したこと」は事実です。しかし、最近では、(1)トルコ全体の経済力が上がってきたこと、(2)EU加盟のための条件をクリアするために、民主化が進められてきたこと、(3)武力のみではテロを根絶できないことをトルコ政府も理解し始めたこと、といった理由から、報道を見る限りでは、トルコにおけるクルドの人権状況、経済状況は、格段に上昇したのではないかと思います。
トルコの報道はあまり信憑性はないことをいつか書きましたし、それは事実ですが、報道のみではなく、トルコ人も「テロ問題」(分離・独立の主張を含む)以外では、クルド問題にかなり融和的になってきたと私自身が肌で感じています。しかし、テロに対する態度だけは、一向に緩やかになっていません。

一番不思議なのは、最近、PKKがなぜこれほど盛んにテロ活動を行っているのかです。幸か不幸か、対象は主に軍・警察であり、民間人の被害はそれほど出ていない (しかし、ゼロではありません) が、「クルド人の文化的権利をもっと広く認めるように」とEUがトルコ政府に圧力を掛けているときに、PKK自体が「自分たちはテロリストです」、あるいは、「政治団体ではなく、武装闘争をします」と、自らをテロリスト集団であると大声で叫んでみても、得になるところはないように思えます。

トルコ軍が北イラクに入って、イラクのクルド勢力(PUK(タラバーニ)、KDP(バルザーニ))と武力衝突が起こるのではないかというニュースがしばしば流れていますが、それは、トルコ国内での武力闘争で形勢不利となったPKKが北イラクにキャンプを作っているため、そのキャンプをトルコ軍がたたくかもしれないという懸念から発生しているものです。トルコ側の主張は、北イラクの基地出発したテロリストによって、トルコ国内でテロ活動が行われているというものです。一時期は、北イラクのクルド勢力も、サッダム政権からの攻撃に備えて、また、PUKとKDPの間の戦闘を避けるために、トルコ軍に頼っていた時代もあります。また、PKKがPUK、KDP共通の敵であった時代もありましたが、現時点では、PUK、KDPは弱体化して脅威ではないPKKを実質的に保護していると、トルコ側は主張しています。

最後に、もうひとつの懸念は、PKKのテロはイスタンブールをはじめとする大都市、あるいは観光地での無差別テロと、南東部の山岳地帯などにおける対トルコ軍・警察のテロ活動が主なものでしたが、南東部の、つまり、クルド人が多く住んでいる地域の都市においても無差別テロが起こっているということです。南東部でも「テロ(つまりPKK)」は支持を失い始めていることからの焦りか、あるいは、PKK(を名目とした、クルド人一般への)への報復テロであるとすれば、事態はより深刻になりかねません。

現時点では、最近頻発化しているPKKのテロに対する、納得のいく説明はされていません。



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Last updated  2007.10.14 11:08:32
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