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カテゴリ:社会問題
今日(10日)も、経済関係では6月の失業率に関する記事が出ていました。完璧な数字が出ています。国民の感覚がズレている、反政府系テレビニュースが嘘のニュースを流しつつけている(以上、本当は自分の周囲には新たに仕事を得る人の方が失業する人よりも多いにもかかわらず、「失業者が増えている」と感じている、報道している)か、TUIKが架空の雇用状況を発表しているかのどちらかになりそうです。また、今年1~7月のアンタリヤへの観光客数に関する記事も出ていました。一方、社会面ではあいかわらず、山林火災の記事が出ています。そろそろ「完全鎮火」も近いためか、「ギリシャへの消火用航空機の派遣問題」と「被害認定」などに関心が移っているように見えます。 一方、「(AAでは)記事にならない?情報」について、本当なら率先してニュースになりそうな話がありました。比較的?中立か、野党系と思われている世論調査会社の世論調査で面白い数字が出ていたとインターネット・テレビで紹介されていました。口頭だけでの紹介であったため、「この数字が正しいという保証は全くない」ので、それを承知の上で読んでいただきたいと思います。(1)エルドーアン大統領の個人的支持率は48%、(2)AKPの政党支持率は30%前後、(3)「今、大統領選挙があったら誰に投票するか」という質問では、エルドーアン大統領に対して勝利できる候補が何人かいる、というものでした。(1)~(3)はそれぞれ矛盾する数字のように思えますが、トルコ人の感覚はこういうものかもしれません。まずなんと言っても、理由の如何を問わず、エルドーアン大統領個人への支持率が未だに半分近くあることに衝撃を受けました。次に、AKPの政策の99%はエルドーアン大統領が一人で決めていると思いますので、(1)と(2)でここまで大きな差があることに驚きです。最後に、半分近くがエルドーアン大統領個人を支持しているはずなのに、「いざ選挙となった場合、他の候補に投票する」というところが更に驚きです。この数字をどう読めば良いのか、今後どう変わっていくのかも、しっかり見ていく必要があります。 ここからは追加です。(3)は「大統領としては支持しない。あるいは、大統領に相応しい人物はほかにいる」という意味になり、(2)は「AKP(エルドーアン大統領)の(経済)政策の失敗については十分承知している」という意味になるのではないかと思われます。つまり、思想的な理由などから、なんとなく「エルドーアン大統領を信じたい、信じている人たち」が多く存在する一方、実際の生活が苦しくなっていることは明らかに感じ取っていることになります。つまり、「思想(イスラム寄り、イスラム至上主義)はエルドーアン大統領に同調していても、(経済)政策・運営は別の人に任せたい」ということになるのかもしれません。そうであれば、「『政治思想・宗教的生活』が大事なのか、それとも『経済・仕事(雇用)』が大事なのか」という、究極の選択が求められることになりそうです。その意味からは、「Bデンか、Tランプか」という選択を迫られたある国と状況は似ているのかもしれません(トルコ・アメリカの2人が「自称?経済通」というところも似ているように思います)。 今日、アナトリア通信(AA)に出ていた記事の見出しは下のとおりで、今日はそのうちの1~3の記事を紹介します。 2 「観光首都」アンタリヤは、今年1~7月に339万6,000人の観光客を迎え入れた 3 パクデミルリ農業森林大臣は、『(ムーラ県)キョイジェーイズ群の火災で、居住地域に対する深刻な危険は存在しない』と発言 4 (アンタリヤ県)アクセキ郡における森林火災を発生させたとの疑いで拘束された容疑者は逮捕収監された 5 工業は労働力(受入)のエンジンとなった 8月10日(最初の患者確認から518目)付けの新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します。 今日の検査件数: 26万4,647件 今日の死者数: 124人 今日の完治者数: 1万4,954人
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今日、最初に紹介するAAの記事の見出しは「6月の失業率は前月と比べて2.5ポイント低下した」です。今日(10日)付の記事です。 トルコ統計庁(TUIK)は2021年6月の労働力統計を発表しました。それによれば、2021年6月期のトルコの失業率は、トルコ全土で15歳以上の失業者数は、前月と比べ82万3,000人減少して339万9,000人となりました。同期の失業率も2.5ポイント低下して10.6%となりました。失業率は、昨年同月比でも2.7ポイントの低下となりました。 同期の非農業部門の失業率は、対前月比で2.7ポイント低下して、12.3%と算定されています。また、同時期の15~24歳グループの若年失業率は0.2ポイント低下して22.7%となり、雇用率は0.4ポイント上昇して32.6%となりました。同世代の労働参加率も前月と比べて0.6ポイント上昇して42.3%になりました。 6月に季節調整後の雇用されている人の数は、前月と比べて60万2,000人増加して、2,858万6,000人になりました。雇用率も0.9ポイント上昇して44.9%になりました。労働参加率は月間ベースで0.5ポイント低下して50.2%となりました。6月の労働参加者数は22万2,000人減少して3,198万4,000人となりました。 今月の雇用者数は、農業部門では16万3,000人、工業部門では29万6,000人、建設業部門では8,000人、サービス業部門では13万6,000人、それぞれ増加しました。雇用されている人の内、17.2%は農業、21.8%は工業、6.4%は建設業、54.5%はサービス業で勤務しています。 労働時間に基づき不十分な雇用、潜在的労働力及び失業から形成されている「消極的労働力」の割合は、6月には前月と比べて4.7ポイント減少して22.4%となりました。労働時間に基づき不十分な雇用及び失業の統合割合は14.6%となり、潜在的労働力と失業の割合は18.8%となりました。 季節調整後の失業率は、6月には前年同月比で2.6ポイント低下して10.4%となりました。一方で、失業者数は前年同月と比べて64万8,000人減少して338万人となりました。未調整の被雇用者数は、6月には前年同月と比べて235万8,000人増加して2,922万7,000人となりましたが、雇用率も2.9ポイント上昇して45.9%となりました。 労働参加率は昨年同月と比べて1.8ポイント上昇して51.2%になりました。労働参加者数も171万1,000人増加して3,260万7,000人となりました。 6月にどの社会保障制度にも参加していない労働者が、総労働者数に占める割合を示す闇就労(違法労働)率は2.2ポイント減少して29.5%となりました。非農業部門の闇就労率は昨年同月と比べて2.1ポイント減少して17.3%となりました。 ここからは一言解説・雑感です。上でも紹介しましたが、殆ど完璧な数字で、被雇用者数・雇用率は増加・上昇し、失業率も失業者数も減少しています。唯一の例外が、「季節調整後の6月の労働参加率」と「6月の労働参加者数」で、これらだけは低下・減少しています。したがって、基本的には、野党・反政府系テレビか、TUIKの、どちらかが嘘をついていることになります。
今日、2つ目に紹介するAAの記事の見出しは「『観光首都』アンタリヤは、今年1~7月に339万6,000人の観光客を迎え入れた」です。今日付の記事で、こちらは抜粋して紹介します。 アンタリヤ県文化観光局の統計によれば、昨年1月1日~7月31日にはアンタリヤを訪れた観光客の数は76万203人でしたが、今年同期には339万6,007人の観光客が訪れました。ロシアからは112万7,716人がアンタリヤを訪問し、国別観光客数で最大となりました。ロシアに次いで、67万930人のウクライナ人、38万9,405人のドイツ人、17万5,570人のポーランド人、9万8,683人のカザフスタン人となりました。 また、ドイツからは予約の数が大幅に増加し始めました。スイス、オーストラリア及びポーランドも増加傾向にあります。旧ソ連圏の国々の予約も好調で、初めて中東市場の反応も良くなっています。 ここからは一言解説・雑感です。良くないことは当然書かれていませんが、イギリス、オランダなどの伝統的?「西ヨーロッパ市場」はドイツを除き、言及されていません。イギリスですら?、「トルコの統計は信じられない」として、トルコへの訪問を避けるよう推奨しています。
今日、3つ目に紹介するAAの記事の見出しは「パクデミルリ農業森林大臣は、『(ムーラ県)キョイジェーイズ群の火災で、居住地域に対する深刻な危険は存在しない』と発言」です。今日付の記事で、これも抜粋して紹介します。 ベキル・パクデミルリ農業森林大臣は、ムーラ県マルマリス市で行われた調整会議に参加しました。 消火チームは空と陸から消火活動を継続していることを指摘した同大臣は、「今日は森林火災発生後14日目である。現在までに高い気温、強風、低い湿度の影響で、53県で275ヶ所の火災が発生した(管理者注:昨日から5ヶ所増えています)。そのうちの272ヶ所(管理者注:こちらも、昨日から5ヶ所増えています)は管理下に置いた。」との表現を使いました。 ギリシャに暫定的に派遣する航空機は、1時間の飛行で、再びトルコに帰還させることができることを説明した同大臣は、EUから来た要請とEUにおける山林火災がより多いことから、迅速に行動していることを強調しました。「アテネで消火活動に参加する航空機は45~50分で帰還することができる。消火活動に参加していない複数の航空機が存在しているため、隣国にも協力しなければならない。森林は単にトルコだけではない。世界に存在している。勿論、第一にトルコのことを考える必要があるが、余剰の消火用航空機を隣国に派遣することを拒否すべきではない。そのため、航空機2機を派遣することを検討している。」 ここからは一言解説・雑感です。上で紹介しましたように、火事は5ヶ所増えていますが、消火された(管理下に置かれた)火事も5ヶ所増えており、消火活動は現時点ではほぼ終了に塚付いているように思われます。最初の時期に紹介しましたが、「EUから消火用航空機の派遣を求めるのは、互助協力協定による権利である」と述べていましたので、これが本当であれば、今回のギリシャへの派遣も、「恩恵として派遣するわけではなく、(可能な範囲での)義務として派遣すること」になるのではないかと思われます。現時点で、トルコに何機の消火用航空機が存在しているのか不明ですが、少なくとも3機はロシアからレンタルしているはずです。また、ロシアからは8機が派遣されているとのことでしたので、当初の3機に加えて、数機を追加レンタルした可能性があります。これらをギリシャに派遣することにした可能性が高いのではないかと思います。余剰がある限り、隣国に派遣すること自体は良いことだと思いますが、この2週間、特に最初の数日間に消火活動が十分できなかったことを本気で反省し、THKが所有する6機の水陸両用機を含めて、消火用航空機の運航(準備)体制をしっかり見直すことを期待します。
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Last updated
2021.08.11 14:10:47
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