善良党における党内体制大転換と今後の方向性、早期選挙の可能性、AKP副党首によるバラマキ政策に関する説明、BOTに関する運輸インフラ運輸委大臣の反論、新型コロナウイルス患者発生750日目の状況
今日(30日)も、重要と思われる記事がいくつか出ていました。1つは、最低賃金の引上げや警察官・医療関係者・教員などの給与・退職金・年金の引上げとなる“3600追加指標”などに関するAKP副党首の発言、もう1つは、アヴラシア・トンネルに関する運輸インフラ大臣の発言に関する記事などで、今日はこれらを紹介します。 今日も「(AAでは)記事にならない情報」は、物価高・生活苦をはじめ、ウクライナ・ロシア戦争に関する議論、選挙法改正と今後の見通しに関する議論などに関する部分は、昨日から大きくは変わっていません。 しかし、今日は重大な事件?が起こりました。善良党の体制が大きく変わりました。6党合意を受けた、選挙に向けた体制変更との見方が優勢です。これまで何度か紹介しましたが、右派政党にありがちな、“多様な思想を持つ人々の寄せ集め”な面が強くあったものと思われますが、「左派であるCHPを中心とする6党合意を離脱して、右派のいくつかの政党でまとまること」を目指して善良党内で不協和音を引き起こしていたMHP的な民族主義派勢力を排除して、より中央寄りの、かつてのDYPやANAPのような、あるいはAKPからイスラム色を除いたような、「中道右派」政党への脱皮を図ったものと考えられています。つまり、「AKPから離れた支持者の受け皿」として、イスラム色が濃い人に対してはSP及び未来党、そしてDEVAもあると思われますが、民族主義色は多少失われても、本格的な「中道右派政党」としての地位を確立するための変更と考えられています。「トルコ人の約60%が、自分を敬虔なイスラム教徒と考えている」というアンケート結果を紹介したことがありましたが、「敬虔なイスラム教徒」=「民主主義を否定する、他人の飲酒を否定する、女性の権利を否定する」=イスラム至上主義というわけではありません。トルコ人の最大勢力は「中道右派」と言われていますが、この勢力は同時に民族主義的要素、イスラム主義的要素も含んでいるため、質問の仕方によっても現れ方が変わる可能性があります。いずれにしても、アクシェネル善良党党首は「AKPから離散した人を糾合して、次の次の選挙で、善良党を第1党にすることに向けた大改革を行った」と言えそうです。 「なぜこの時期に行ったのか」については、昨日管理者が指摘したように、数々のバラマキ政策が出てくるタイミングを考えると、「秋には前倒しの選挙が行われる可能性が高い」と考えているのではないかと言う指摘が色々なニュースでも聞かれました。今日、紹介する記事にもありますが、最低賃金の引上げも「7月1日付」で行われ、実際の引き上げ後の給与を手にするのは7月末になるため、9月か10月、あるいは「11月の選挙はAKPに幸運をもたらす」と言うジンクス?に従って、今回も11月に選挙が行われるのかもしれません。が、バラ蒔き政策が出そろうのは秋の国会再開後(=10月以降)なのかもしれませんが、為替相場やインフレ率、経常収支、純外貨準備高などのマクロ経済指標は秋までにはさらに悪化している危険性が高いのではないかと思われます。 ここから話題が変わりますが、たった1日では今後の方向性が不明ではありますが、エルドーアン大統領が、あるいはAKP関係者が自画自賛してやまない?「ロシア・ウクライナ交渉への貢献」はそう簡単に実を結ぶことはなさそうです。交渉の容易化・促進の役割を果たしていることは事実だとは思いますが、決定的な解決をもたらすほどの貢献ができないことは、今日=交渉の翌日には、既に判明してしまいました。プーチン大統領が始めた戦争が、ロシアが圧倒的に有利でない状況のまま、簡単に終わると思うのは、あまりにも楽観的ではないでしょうか。一方で、ロシア国内での想定外の動き?も指摘されていますので、(ウクライナではなく)ロシアで政権交代があれば停戦の良い口実にはなると思いますが、、、、、 励みにしていますので、クリックをよろしくお願いします。 にほんブログ村にほんブログ村 アレッポからの贈り物 190g×10本セット (オリーブ&ローレルオイル)トルコ産価格:2648円(税込、送料別) (2020/10/11時点)Eyup Sabri Tuncer ナチュラルオリーブオイル ハンド&ボディクリーム 250ml トルコ産 エユプサブリトゥンジェル価格:1100円(税込、送料別) (2020/10/11時点) アルコール70% Eyup Sabri Tuncer クラシックレモンコロンヤ 200ml オーデコロン トルコ製 トルコ産 エユプサブリトゥンジェル価格:1210円(税込、送料別) (2020/10/11時点)MB イスタンブール500ml(甘いもの天国トルコの伝統的なお菓子「ロクム」をイメージしたバニラとオレンジの香ばしい甘さが溶け合った香り)(ランプベルジェ)価格:2233円(税込、送料別) (2020/10/11時点) 3月30日(最初の患者確認から750日目)付けの新型コロナウイルス(KOVID-19)の感染状況を紹介します。今日の検査件数: 27万7,537件今日の感染者数: 1万4,993人今日の死者数: 53人今日の完治者数: 1万8,856人 今日は、アナトリア通信(AA)には次の記事が出ていました。今日は1と2の記事を紹介します。1 アクバシュオールAKP副党首は、『今年前半までに、3600追加指標の改正が行われる』と発言2 カライスマイルオール運輸インフラ大臣は、『アヴラシア・トンネルの運営権終了時には、1億4,000万ドルの収入が国庫に入る』と発言3 選挙法改正案の第1部がTBMM(トルコ大国民会議、トルコ国会)総会で承認された4 「税及び経済パッケージ法案」はTBMM計画・予算委員会に上程された5 商務省から「カタールに250万頭の生きた小型家畜の輸出」という噂の否定 今日、最初に紹介するAAの記事の見出しは「アクバシュオールAKP副党首は、『今年前半までに、3600追加指標の改正が行われる』と発言」です。今日(30日)付の記事です。抜粋して紹介します。 アクバシュオールAKP副党首はTBMM(トルコ大国民会議、トルコ国会)で記者会見を行いました。同副党首はアクシェネル善良党党首が国会で行った党内会合で行った発言に言及して、「エルドーアン大統領が農民との会合で行った対話で、あらゆる人が自宅で入手できる牛乳から作ることができるヨーグルトに関して、健康問題を軽く扱う状況が見られた。」と述べました。(管理者注:アクシェネル党首は「大統領の仕事は健康の助言を行うことではなく、いかにトルコ国民の生活を楽にするかである」との批判をしました) 3600追加指標に関する作業状況に関する質問に対して、同副党首は次のように答えました。「警察官、教員、看護師、イマムに関する3600追加指標は、この問題に関する幅広い検討が労働・社会保障省で行われている。3600追加指標を必ず警察官に適用する。この問題で誰も心配する必要はない。これら全ての作業は成果が得られる。3600指標と共に契約職員の状況についても検討される。その後に、EYT(年齢の問題で、年金をもらうことができないでいる人)問題を取り扱う。」 同副党首は、最低賃金の引上げが行われるのかどうかに対する質問について、次のように述べました。「最低賃金に関しても作業を行い、今年後半に、7月1日には国家公務員給与と年金にインフレ調整が行われる。最低手賃金を受け取っている労働者の状況を検討して、その結果は公表される。今年前半までに(管理者注:「後半」?)3600追加指標に関する法律改正を完成させられることを、発表したい。あらゆる財政的調整が行われることを指摘しておきたい。あらゆる財政問題は検討されている。」 今日、2つ目に紹介するAAの記事の見出しは「カライスマイルオール運輸インフラ大臣は、『アヴラシア・トンネルの運営権終了時には、1億4,000万ドルの収入が国庫に入る』と発言」です。こちらも今日付の記事で、抜粋して紹介します。 アーディル・カライスマイルオール運輸インフラ大臣は、アヴラシア・トンネルの運営権終了時には、少なくとも1億4,000万ドルの収入が国庫に入ることを指摘して、「2039年には、国は全ての債務保証の返還を受けることになり、2042年1月31日には、国は無借金で、コストのかからない、インフラ物件の持ち主になり、収入は全て国庫に入る。」と述べました。同大臣はAAとのインタビューで、2013年1月30日に建設が開始されたアヴラシア・トンネルは予定よりも8ヶ月間早い、3年11ヶ月の建設期間で建設が完了し、2016年12月22日にサービスを開始したことを指摘して、次のように述べました。「国家がこれを自ら建設した場合、建設にかかった12億4,500万ドル分のプロジェクトをあきらめる必要が起こるところであった。トルコ政府は、アヴラシア・トンネルの通行量が保証量に至らなかったために、4億9,800万ドルの貢献を行った。もしもトルコ政府がアヴラシア・トンネルの運行管理を行っていれば、5億1,900万ドルの支出を行うはずであり、同額が国庫から支出されるところであった。将来のプロジェクトを今の段階から獲得させている。」 ここからは一言解説・雑感です。詳しい説明がないので、良く分かりませんが、とりあえずの数字は3つで、建設コストは12億4,500万ドルで、通行量保証に伴う国庫支出が(毎年)4億9,800万ドルで、国が行った場合の毎年の管理費が5億1,900万ドルとのことです。この3つの数字から、どう計算すれば、「ものすごくお得な投資」になるのか全く理解できません。少なくとも、「経営権が譲渡されるまで、税金が垂れ流しになるのは明白」と思われます。 なお、記憶に間違いがなければ、通行量保証は毎年6万台で、実際の通行量は3万台だったと思います(過去5年間で通行量は特に増えていなかったと記憶しています)。もしもこれが正しければ、通行料収入は4億9,800万ドルあることになるので、国庫の負担は5億1,900万ドルー4億9,800万ドル=2,100万ドルで済むと言うことになり、BOTで造ったがために、毎年、4億9,800万ドルー2,100万ドル=4億7,700万ドルの損失があります。(建設費)12億4,500万ドル÷(年間損失額)4億7,700万ドル=3で、もしもトルコ政府が税金でアヴラシア・トンネルを作っていれば、は3年で必要経費を回収できることになります。つまり、建設資金を100%借入れていれば、本来ほかのプロジェクトをあきらめる必要はないように思いますが、それが本当だとしても、「12億4,500万ドル分のプロジェクト、12億4,500万ドル借入に伴う利息」の負担だけで、4年目からは毎年2,100万ドルの負担だけが生じることとなったはずですので、2042年まで22年以上にわたって大損するプロジェクトであるということになりそうです。なお、自前でも、BOTでも、通行量が収入・保証額に大きな影響を与えますが、トルコにおいては、人口も、自動車の台数も、今後の増加はあっても緩やかと思われますので、トンネル通行量だけが大きく増えるということはありえないと思います。 トルコリラ等の外貨建ても含めた債券投資に関する情報を発信しています。外債投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。社債投資まとめ いろいろな投資情報が出ています。投資に興味のある方は、一度覗いてみてはいかがでしょうか。株初心者向けIPO初値予想 今日はオリーブ・オイルを紹介します。日本への売り込みにも力を入れ始めたそうです。 次は、トルコの「国家・国民酒(?)」のラクを紹介します。ギリシャやフランスなどにも、名前は違っても同じお酒があるそうですが、トルコが発祥の地と思われます。