|
カテゴリ:蕨市の石仏
ホームページ「私家版さいたまの石仏」はこちら
今日は蕨市中央の正蔵院の石仏を見てみましょう。 正蔵院 蕨市中央6-2 前回紹介した三基の石塔の立つ信号交差点から蕨駅方面に歩く。150mほどして 細い道を左折するとまもなく正蔵院の入口に着く。この細い道をさらに進むと 突き当たりは中央小学校になる。 参道の左側、5基の石仏が整然と並べられていた。 左から 馬頭観音立像 享保17(1732)慈悲相二臂。小さいがバランスがよく、 民芸品のこけしのような味わいがある。頭上に馬頭をのせ、馬口印を結ぶ。 光背右上に梵字「カン」を刻み、続いて「馬頭観音為現世菩提也」光背左 年号の下に下蕨施主とあり個人名が刻まれていた。 2番目 庚申塔 元禄15(1702)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。白カビが目立つ。 後上の右手に羂索を持つ。顔のあたりは風化のためにあまりはっきりしない。 光背右「奉供養庚申講中」左には年号が刻まれていた。足の両脇には二鶏が 線刻されているが、その足元に邪鬼の姿は見当たらない。 塔の下部にひな壇のような窪みを作ってその中に三猿を彫る。その下の部分には 施主だろう、十名の名前が刻まれていた。 3番目 庚申塔 宝暦3(1753)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。頭上から足元の 邪鬼まで、こちらも白カビに覆われている。ふくよかなで人間のような風貌の 青面金剛からは比較的穏やかな印象を受ける。 足の両脇に二鶏。足元にはラフな邪鬼が彫られている。その下に猿は二匹しか 見えないが、もともと三猿で真ん中の猿が風化のため無くなったのだろうか。 塔の右側面が平に削られて、そこに銘が刻まれていた。上部には年号、その下 右脇に武州足立郡下蕨村、左に講中二十六人と見える。 4番目 庚申塔 正徳4(1714)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。比較的きれいだ。 頭上に蛇がターバンのようにとぐろを巻く。光背右「奉供養庚申」左には年号。 足元の様子は隣の庚申塔とよく似ている。三猿の下に施主とあり、続いて10人の 名前。両端に漢字名、他の8人はおひさ、あたつなど頭に「お」が付く女性名だ。 一番奥 庚申塔 宝永8(1711)日月雲 青面金剛立像 合掌型六臂。ここでは唯一の 角柱型。立派な唐破風笠付きの大型の庚申塔。塔の下の台は二段になっていて、 上の台の正面に三猿が彫られている。 近づいて見ると全体に風化のために彫りが丸くなってしまいはっきりしない。 後ろの二組の腕の付き方がちょっと変わっている。足の両脇に二鶏。足元に邪鬼。 その下の部分、ブツブツと小さく穴がいくつか見えるがこれは文字だろうか? 塔の右側面 蓮の浮き彫りの間に年号が刻まれていた。蓮の茎のあたり、こちらも 正面と同じように小さく文字らしいものが見える。施主名かもしれない。 塔の左側面 上部に正月吉日。下部には講中と刻まれていた。 長くなりますので、境内の石仏については次回にします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.05.15 21:02:22
コメント(0) | コメントを書く
[蕨市の石仏] カテゴリの最新記事
|