教材展示会での話 番外編
先日の教材展示会での話教材会社も個別指導の衰退が急速に進んでいるとの認識を持っている。今や採算が取れない教室が数多くあり、今後再編淘汰されるであろう予備軍が多い模様。こういう情報を得られるのも、営業が各教室を回っている教材会社さんと仲良くしているからだ。さて、そんな中で、どのようなテキストが必要とされているか?という話になったた私自身、「これ」というテキストを長年使っているのではなく、塾を改革するたびにその方針に合わせたテキストを使ってきた。では、話題の中心となっていた個別指導用のテキストについては?大手の個別指導用テキストは、多くが低学力の子でも「できる」という体験を重視しているため、単純な穴埋め作業に徹している構成となっている。ここで間違えてはいけないのは、「伸びる」ための思考を基礎から鍛えるのではなく、「作業」によってわかった気にさせているということだ。もちろん、ベテランの先生はそれだけで終わらずに次なる一手を出せるのだが、個別指導ではほとんど場合経験が乏しい学生講師などが大半で、その先が用意されていない。時間的な制限も多いため、別のテキストまで手が出せないのが現状だ。作業だけの単純なテキスト。それだけで伸びるのか?そう、つまり頭を使わずに作業だけで「できた」と勘違いさせるテキストで完結してしまったら、どうやっても伸びない。これは教材会社の少なくとも営業の人は把握している。「このテキストは、個別指導塾に売れているけれど、伸びていない」とね。だって、作業しているだけだから。自分で読んで頭を悩ませないと、できるようにはならない。というよりも、自分で読んで頭を使って考える、それが勉強だよね?神奈川県公立高校入試では、近年全国屈指の語彙数となり、「読んで理解する」のは能力が高い子でないと最後まで行き着かなくなっている。国語だけではなく、入試問題の全教科文字数が全国トップレベルとなった今「読まずに解ける」作業問題をいくらこなしても無意味になってるのだ。「自分で読み理解する」これは最低限の求められている力。その読んで理解した内容から、さらに考えて答えを導く力が求められている。単純な作業なんてやっている場合ではなく、どれだけ速く正確に読み理解できるか。そして 理解した内容を自分の知識と合わせ、正解を導くスキルが求められている。決して昨日まで遊んでいた子が、急に勉強をしたからといって解けるようになるものではないのだ。教材会社も塾の衰退と運命共同体となっている。塾が盛り上がらないと、教材会社も儲からない。教材会社のお勧め通りにテキストを購入使用する時代は終わった。自塾のスタイルや指導方針を踏まえ、どのテキストを使うかは大きな分岐点となる。生徒が見た感じ「分かりやすい」テキストが 良いテキストではないということだ。自塾の指導方針にあったテキスト選びは、自塾専用テキストを 用いている教室以外、大きな課題となるであろう。そういう訳で、次年度の教材選びもゼロベースで考えることにする。自分で考え、自分の力だけで答えまで辿り着けるものにしようと思う。まあ、大きい改定もない来期は、ほとんど今年と同じだろうけどね