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風狂夜話2

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2007年12月07日
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「つるの恩返し」とは一般的には以下の定義による。

「翁が罠にかかったつるを助け、そのつるが人間に化けて翁とその

妻に恩を返す」という民話といわれる。

そのつるを助けた人物が翁ではなく、若者であったり、その若者と

人間に化けたつるが世帯をもつという話でもある。

いずれにせよつるは人間の美女に化けて老夫婦や夫に機で反物を織る。

その織物が大変美しく、いつか町の評判になり、織物を売って夫婦や夫が

長者になる。

美女に化けたつるは最初「絶対に部屋をのぞかないで下さい」と約束させている。

しかし長者となった彼らは好奇心に負けてのぞいてしまった。

そこには娘ではなく一羽のつるがいた。

つるは布に自分の羽根を織り込みそれを売っていってもらっていたのだ。

驚く彼らに機織をおえた娘は自分が助けてもらったつるだと告白し、両手を広げ

つるとなり、別れを惜しみ空へ帰っていく。

「夕鶴」(木下順二)もこの民話のひとつである。

さて日本は「和をもって尊し」とする血脈や集落を第一と考える国民である。

その「和」は時に「真実」よりも優先する。

ために今次の日米戦争の敗北を招いた(共同体の掟の支配)ともいわれる。

智より利よりも大事なのが和(愛ともいえる)なのであるから。

さてこの「絶対に部屋を覗かないで下さい」というのは、つるであること

(真実)を知ってはいけないという警告ではなかろうか。

即ち真実を知るということは、家族や共同体や国家(藩)の和(愛)にとって

かえって不幸をもたらす。あるいは秩序を破壊するという警告ではないか。

真実(あるいは事実)は隠されている(見てはならない)という事である。

つるの恩返しのように美しい嘘がある。

そして一方汚い真実という言葉もある。

よひょう(「夕鶴」)は汚い真実を見てしまい、浦島太郎は開けてはならぬ玉手箱

を開けてしまう。

真実は知らされ、ために関係が壊れ、虚構の梯子ははずされ、すべての秩序がガラガラと

崩される。砂の山のように冷たい波にさらわれてしまう。

だから教訓として「真実は知ろうとするな、フタをしておけ」というものなのであろう。

パンドラの箱を開けたともいわれる。

たとえば敗戦後、日本の戦後民主主義主導者のイデオロギーは過去の清算であり、

全否定であった。

過去の常識や伝統は封建主義であり悪であり、新しいシステムを構築すべきだという

主張であった。マスコミも便乗した。戦前と同じく。

しかし時は否応なくめぐる。

タブーとしていたものが彼らにより白日の下に明かされていいことはあったか。

真実は汚れて見てはいられなかったのでないか。

人間に化けていたつるにだまされていたほうが良かったのではないのか。

美しいうそであったほうが今日の秩序崩壊よりはいいのではないか。

日本はまず和の国であり、仲良く信義に篤くつきあっていれば「真実」より

尊いことなのである。

すこし危険な意見ではあるが。

まだ自信がない。しかしどこかで戦後民主主義は壮大な虚構であったと思う

ことが正しいように感ずる。









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最終更新日  2007年12月09日 06時45分16秒
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