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番組構成師 [ izumatsu ] の部屋

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2003.10.18
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カテゴリ:テレビ・マスコミ

あ、また言った。

「・・・・することが求められています」

出てくる記者出てくる記者、みんな求めてばっかり。
欲しがり屋さんたちぞろいなんだなぁ。

レポートをする記者の言葉には、お定まりのフレーズがある。

「・・・・する姿勢が問われています」

だれが問うてるの? あなたが問うているのなら、「私が」って言いなさいよ。
「いえいえ、視聴者、市民の皆さまに成り代わり」ですか?
それにしてはツッコミが甘いし、問題意識が薄いんじゃない?

「・・・・ギリギリの選択を迫られています」

そんなに毎日毎日、あちらこちらで「ギリギリ」、せっぱ詰まってます? 
第一、どういう意味で「ギリギリ」なのか、わかんないよ。だって、「ギリギリ」って言われた人たち、ずっと平然としたままだもん。

そう言えば、「ギリギリ」以降、どうなったか、伝えてもらったことがない気がするんだけど。結局、何をどうして、どうなったの?

「・・・・は、今、始まったばかりです」

困ったね。そんなに無責任に放り出さないでよ。期待も興味もないのがアリアリだ。
なんだって最初は始まりなんだからさ、もっとあったかい目で見守り続けてあげてもいいんじゃない?

ダメかな。「ここまで進みました」なんて、成果を教えてくれたことはないんだから。


あんまり頻繁なので、局で記者をやっている知り合いに、

「あの締めの言葉、使わなくちゃいけないって決まってるの?」

って尋ねたことがある。
そうしたら、その記者氏、露骨にイヤぁ~な顔をした。
皮肉で言っていると思ったらしい。

違うよ~、真っ正直にそう思ったんだよぉ。
どの局でも、みんながみんな、レポートの終わりをそんな言葉で締めるんだもん。

新入社員の時、研修でそう教育されているんだと思った。どうも違うらしい。

違うなら、ちょっと問題じゃない?

レポートの最後に決まり切った締めの言葉が出てくると、それまでのレポートの内容が薄まる気がする。
いかにも「ルーチン・ワークでやりました」てな印象。
原稿の内容、自分で考えたのかしらん? そんな疑念がわいてくる。

新聞の記事がそんな締め方をしたらどうだろう。

「・・・・・・。小泉首相の構造改革に臨む姿勢が、今、問われている」
「・・・・・・。早急な検討が、今、求められている」

そんな表現が新聞紙面に散見したら?

「そんなの、あったり前だろ! 水増し記事、書くな!」

そんな反応が読者からあがるんじゃないだろうか?
それがテレビでは許されている。解せない。

まとまりがよく聞こえるせいだろう。
内容はともあれ、“お定まりフレーズ”を最後にくっつければ、きちんとしたレポートに聞こえる。なんとなく、だけど。

レポートは言葉。口から出る端から消えて行く。
見ている側が、「深みのないレポートだなぁ」と思っても、あとで指摘のしようがない。
録画しながらニュースを見る。そんなことを普通の人はしないものだし。

終わりよければ、すべてよし。流れてしまえばめでたくThe End、終わりだ。


レポートで強引に締めなくてはならない番組上の理由もある。
今、ニュースは細切れ。どんどん次の話題に移っていく。
ひとつのニュースごとにスタジオのキャスターがきちっと締めて次へ移る、なんてことはできないだろう。
番組のテンポがガクンと落ちてしまうし。

決まり文句は「ニュースの一項目が終わりました」という意味なんだ。

でも、その昔、入江徳郎さんや古谷綱正さんたち(若い人は知らないよね)がニュースを伝えていた頃は、キャスターがきちんと“ひとつの知らせるべきニュース”として締めていたような気がする。
視聴者に考えるゆとりを持たせながら。

「入江さんの頃とは時代が違うよ」って?
それはその通り。でも、視聴者に分かってもらわないと“ニュース”にはならないよ。

あ、そうか、今は“ニュース”じゃないんだ。“情報”なんだ。視聴者に反すうする時間など、与えない。そんなの、時間がもったいない。

どれだけたくさんの“情報”を視聴者に向かって投げ出すかが勝負だ!

ために、ひとつひとつの扱いが短くならざるを得ない。
記者クラブで発表される内容をそのまま伝えているんじゃなかろうか?と思えるレポートも、そのせいに違いない。

ひとつの扱いが短くなればなるほど、深い取材と事実の的確な把握、そしてそれを伝える言葉の吟味が必要となるはずなのだが。

忙しくてそれどころじゃないんだよね、きっと。


顔出しでレポートすることは、新聞で言えば署名記事を書くことと同じだ。名前入りで、かつ堂々と画面に顔まで出すのだから。
それにしては伝える内容に責任を負う姿勢があるように見えないのはなぜだろう?

やはり“流れ去り、永遠に戻らない”テレビという媒体のせいなのだろうか?


レポートの内容を見聞きしてると、素人や高校生でも数回練習すれば現場に立てるのではないかと思うことがある。失礼ながら。

もちろん、きちんと自分の足で取材し、事件・事故の深みを知り、本質をさぐり、自らの言葉でレポートしている記者が大半だろう
でも、その姿勢は当たり前なのだ。記者なのだから。

以前、新聞記者がらみの番組に携わった時、元記者はこう言って嘆息した。

「若い記者が現場で『(事件の内容と経過を記した)黒板はどこにあるんだ?』と真顔で聞くんですよ。発表がなけりゃ、記事ひとつ書けない」

これは新聞記者の話だが、テレビでもそう変わらないような気がする。


番組を初めて作るという記者と仕事をしていた時のこと。

取材テープを見て、インタビューを書き起こし、流れを考える。編集しては見直して、手直しをしていく。
そんな作業に同席していた(当然だ、自分の番組なのだから)記者は、ほとほと感心したように、

「こんな退屈なこと、よくやってるね」

とのたまった。

「その点、ニュースはその日で終わるからラク」

だと。

テレビ局に勤務しながら、番組(ニュースだって“番組”だぞ!)作りのなんたるかを知らない、知ろうともしない記者たち。
よく言えば適材適所、実はタレ流しに気づかない井の中の蛙。

ダメだ、こりゃ・・・・。






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Last updated  2005.02.07 08:44:33
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