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カテゴリ:身近な出来事
ぶらりと家を出ると、田植えが始まっていた。そうか、きょうは土曜日。兼業農家の人たちは、勤め先が休みの日に田植えをするんだ。 ついこの間まで荒れていた田んぼが、土を掘り起こされ、ワラなどがすき込まれ、くろぐろと土の香りをさせ始めたと思ったら、数日前には水路に引き入れられた水が田んぼにはられた。こんな景色を見ると、やっぱ住むのはイナカかな、と思う。 水がはられた田んぼ。 田植機、大活躍。 実りの秋が楽しみ。 以前、熊本のある街で、棚田の一角を借りてロケをしたことがある。山の中腹から見下ろす棚田の景色はこの上もなく美しく、あぁ、いいところだなぁ・・・・・と、心がなごんだ。でも、面積が狭い棚田は耕耘機などを入れるのが難しく、田植えの大半は人力に頼らざるを得ないとか。ただでさえ高齢化している農家の人たちにとっては、「いいところだなぁ」では済ますことができない現実がある。 自然相手の農業は収入の目算が立てにくいし、会社勤務に比べて年収が低い上に安定しない。だから兼業農家だらけになって、「農業は二の次、趣味の世界」的になっていく。農業から離れていく人たちを責めるわけにはいかない。 でも、この景観が消えることがないようにするためには、どうすればいいのかな? 政府行政に「補助金を出せ!」と主張しても、“農業”という仕事に誇りを持てることにはならないだろうし。 ぼくらがもっとコメを食べるといいのかしらん? 考えてみたら、一日に茶碗一杯しかコメを食べてない。学生時代は一回に3合炊いて、全部食べてたのになぁ。でもそれは、おかずがなかったからかな。 忙しそうに田植えが行われている田んぼの、農道を隔てた反対側は荒れたまま。休耕田なんだろう。作物を作らないことでお金を得る。“農業”の置かれたつらい場所が、その荒れ地を見ると少しだけ分かる気がする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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