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カテゴリ:制作現場
きょうは8時から、食事をはさんで今、22時ちょい過ぎまで、パソコンに向かって取材テープの書き起こし。 最近はDVDにダビングして送ってもらうことが多い。VHSテープだと、止めたいところをシュルシュルシュルと通り過ぎたりで、イライラしてくることもあったけど、きっちり止まって「進め」も「戻れ」も楽なDVDは使い勝手がいい。それにノートパソコンでも見ることができるから、出先でも書き起こしができるし。 ぼくにとって、番組の始まりは大抵の場合は取材テープを見ることから。どんなに素晴らしい企画でも、素材は実際に取材された映像と音しかない。だから、素材以上の番組は生まれない。いい番組、おもしろい番組は、取材がきちんとしているし、取材する側に大きな興味や疑問、たっぷりの思い入れがある。だから、結果的におもしろい番組、興味深い番組になるモノは、素材テープもおもしろいし、興味深い。 素材をどう組み合わせるか、その流れを作るのがぼくの役目。まずはフレームを作り、あとはディレクターや編集マンと一緒に映像を見ながらあ~だこ~だと変えていく。楽しいけれど、放送日というお尻が切られているので結構しんどい。きょう見たのはお蕎麦屋さんの話。写真に写るDVD、左の山の四分の三がその素材。最近の番組しては多い方だろうか。 取材テープを見ていると、取材の現場の様子がわかる。モニターに映し出されたのは温度計。「なんじゃろか?」と思って見ていたら、「-4℃」…「-5℃」と気温が少しずつ下がっていく。そして、「-8℃」まで下がったところで、カメラがおもむろに動き出した。 なぁるほどね。 夜明け前の一番寒い時間を見計らって、夜明け前のまだ暗い中、蕎麦を売っている職人の元を訪ねる。それがディレクターの狙い。気温が下がりきるまで、ロケ車(この場合はディレクターのマイカーらしいが)の中で待機していたのかぁ。そのせいかな、カゼをこじらせて点滴を打ったって言っていたのは。 取材をしたあとで気温を調べ、「この日の夜明け前、最低気温は-8℃を記録した」とナレーションをつければすむ。そう考える人もいるだろうけど、この50代の、直球しか持ち玉がないようなおじさんディレクターは、そんな小細工がキライなのだ。 番組は心意気で作る。 それは結構“当たり”かもしれない。 おじさんディレクターの気合いに負けないようにせねば。 思いがこもった取材テープ。おっし、もうちょっと見よ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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